徒 歩 進 香[巡 礼]

ハマるぞ台湾!道教文化

大甲媽祖遶境進香

 

世界三大宗教イベントの一つにも認定されている、台湾最大の進香イベントです。台中市大甲区にある「大甲鎮瀾宮」を出発し、嘉義県新港鄉に位置する「新港奉天宮」まで歩いて往復します。

「心太軟」で有名な歌手任賢齊がメガホンを取ったドキュメンタリー作品『媽祖迺台灣』を観て、初めて知った方もいるかもしれません。

 

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※「進香」ってなに? という方は、まずはこちらの記事をご覧ください ※

  

 

[目次]

 

 

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概要

【大甲媽祖遶境進香活動】 

 《台湾文化を代表する世界に誇る巡礼イベント》

~ 初めて参加される方に向けて、必要な情報を詳細に紹介しています ~

 

主催廟:大甲鎮瀾宮[1732年建立]

出発地:大甲鎮瀾宮(台中市大甲区)

目的地:新港奉天宮(嘉義県新港鄉)

開催時期:毎年3~4月頃

開催日数:9日間

移動距離:往復約330km

参加費:なし(申込不要)

参加人数:30万人以上

特徴:20世紀初頭に始まった100年以上の歴史を有する宗教イベント。毎年台湾において最大の盛り上がりを見せる台湾文化を代表するイベントでもある。

住所:臺中市大甲區順天路158號

アクセス:大甲駅下車徒歩6分

参考HP:

財團法人大甲鎮瀾宮全球資訊網

大甲鎮瀾宮媽祖巡礼活動(行事・信仰)-台湾宗教文化地図-臺灣宗教百景

 

雰囲気は?

百聞より一見に如かずです。まずはこちらの映像でその雰囲気を感じ取ってみてください。

 


 

なんだかワクワクしてきませんか?

縁があれば、皆さんもあの波打つ人のうねり中で、きっと自分自身を見つけることになるでしょう。私も大甲媽祖遶境進香に参加して、この世界に魅了された一人です。時折ふと、進香路上での光景を懐かしく思い出します。

 

参加の方法

参加に申込は不要です。"心"だけあれば大丈夫。ウォーキングイベントの感覚で参加している人たちも大勢おり、あまり宗教染みてはいないといった点からも参加しやすいと思います。

基本どこから歩き始めても構いません。途中から合流し、途中で離脱してもOK。その際は媽祖の神輿もしくは廟の方角に手を合わせて、参加(起馬)や終了(下馬)の挨拶をすればいいそうです。

 

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※駅前で媽祖の到着を待つ人たち

参加のスタイルは、歩き、自転車、バイクと様々ですが、やはり歩きに勝るものはないと私は思っています。 

いまは便利なもので、ネット上で神輿の現在地の確認が可能です。下記のリンクでは、神輿を追跡するためにボランティアが交代でGPSを手に神輿のそばを歩き続けています。途中から合流される方は、こちらの位置情報を参考にするといいでしょう。さらにこのページでは、過去のルートを見ることができるので、歩きのシミュレーションをしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

また初心者の方向けに1~3日間の体験コースも用意されています。申し込みが始まるとすぐに枠は埋まってしまいますので、希望される方は受付開始とともに申し込みを行うことをおすすめします。

 

進香の流れ

2018年の行程は下の図のようになります。

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進香初日は、日付が変わる前の深夜23時には大甲鎮瀾宮を出発します。日程表には初日4月14日とありますが、実際には4月13日深夜23時に出発するのです。そこで参加者が実際に大甲入りするのは、出発日の前日となるという点に気を付けてください。

大甲を出発後は多くの廟に短時間立ち寄りながら、初日の目的地(駐駕地)である彰化南瑤宮で休憩、2日目もその流れを繰り返します。3日目に進香の目的地である新港奉天宮に到着、4日目は終日儀式が行われ、5日目の日付が変わる頃に復路がスタートし、9日目夜に大甲鎮瀾宮に戻り、ゴールとなります表にある日々の駐駕地となる廟は毎年固定です。

 

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進香の日が近づくと、立ち寄り先の廟やルート上にこのような「香條」が貼られ、進香日程を地元住民の方々に伝えています。

 

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上記の予定表のように、途中多くの廟に立ち寄ります。参加者(随香客)は各廟でお参りをし、旗に御朱印を押して、平安符(お札)を結び付け、過爐(旗を手に持ち、炉の煙の上で時計回りに三回回す)をします。進香旗を持たない方はお参りだけを行います。近年では、御朱印帳や大きな布に御朱印を押す人も増えてきています。ちょっと四国遍路に似ていますね。

初日だけでも30近い廟に立ち寄ります。立ち寄る廟は年によって多少変更があるかもしれません。さらには突然、予定表にない関係者とつながりのある廟や企業、民家に立ち寄ることもあります。表に記載されている時間はあくまでも参考であり、通常2、3時間は遅れますので、途中から参加される方は注意してください。

表には初日21時半南瑤宮到着、二日目深夜1時出発とあります。予定より遅れることを考えると、神輿とともに歩くことで仮眠の時間すらとれないことになってしまいます。神輿の担ぎ手は交代しますが、徒歩参加者に代わりはいません。この問題については改めて触れてみたいと思います。

 

また行程が遅れる一番の要因は、後で説明する「鑽轎脚」(神輿くぐり)ですが、それ以外にも「搶轎」(神輿の奪い取り)があります。

自分たちの地域や廟、店舗などに神輿を立ち寄らせたい人たちや、威勢を示したいグループが、その行く手を妨害したり、神輿を奪いに来るのです。特に彰化では複数のやくざや半グレたちが神輿を奪いにくるため、やくざ同士の殴り合いとなったり、警察や媽祖の神輿を守る自警団も加わっての大混乱となったりもします。ニュースでは、付近の企業、店舗が、神輿を自分のところに連れてきたらいくら出すというように、懸賞金を出していると報道されていました。

搶轎が行われる有名な場所は、往路では彰化市にある民生地下道であり、裏社会のグループが神輿を奪いに押し寄せます。ここは搶轎が起こるとても有名な場所となり、神輿が到着する頃には、地下道の上に大勢の見物客が集まっています。復路では彰化市の大埔路です。さまざまな廟から陣頭が神輿を出迎えに集まり、さらには搶轎や殴り合いまでに発展します。

そのため近年は警察側も大幅に警護の人数を増やし、大甲鎮瀾宮からはボスである顔董も神輿を守りに顔を出すことで、混乱は少なくなりつつあるようです。ただ非常に危ないので、参加される方はくれぐれも近寄らないようにしてください。彰化ほどではありませんが、ほかの地域でも搶轎による小競り合いが発生する可能性はあります。

 

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参加者の中には、途中の廟にはほとんど立ち寄らずに、新港まで歩き通すことを目的とする人たちもいます。神輿と同じルートを通らずに、ショートカットできる道を選んで歩くこともできます。これについては、参加者それぞれの目的に合わせたやり方でいいかと思います。寄れるところだけ寄る、分かれ道ではその都度判断という方法でもいいですね。廟はトイレ休憩ポイントとしても重要になってきます。私は復路で道に迷い、誰もいない道をずっと歩き続け、全く違う方向から廟に到着しました。 

例えば沙鹿駅周辺、もしくは橋を渡り彰化市に入った後に、神輿は大きく遠回りしますが、多くの参加者はまっすぐ突っ切ります。逆に言えば、こうした場所は「鑚轎脚」や神輿の近くを歩く絶好のポイントと言えるかもしれません。

中でも盛り上がるのは、大甲スタート、新港到着、大甲ゴールです。往路と復路がありますが、往路は日程が短くやや急ぎ足、復路の方がのんびりペースです。そこで復路だけ参加という方法も十分ありですよ。仕事でなかなか続けて休みが取れない人たちは、往路1日、復路1日といった歩き方をしたりしています。

 

目的地について 

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こちらが進香の目的地となる嘉義県北部に位置する新港奉天です。ここは台湾を代表する歴史ある媽祖廟の一つであり、かつて洪水で流された笨港天后宮が祀っていた三体の媽祖像のうちの一体が祀られています。

奉天宮は媽祖だけではなく、もともとは虎爺の総本山としてその名を馳せ、「北港の媽祖、新港の虎爺」と言われていました。ほかにも一般公開はされていませんが、昭和天皇から贈られた「今上天皇御寿牌」が唯一完全な状態で保管されています。奉天宮は毎年進香団をもてなすためにかなりの費用を費やし、近年は媽祖の廟としても有名になりました。お参りに訪れる際は、嘉義駅前から北港行きバスが便利でしょう。

大甲鎮瀾宮の進香はもともと北港朝天宮に向かっていました。それが1988年より、新港奉天宮に目的地が変更となりました。これからも分かるように、大甲鎮瀾宮の媽祖は新港奉天宮から分霊されてはいません。歴史ある進香によくある目的地が分霊元ではないというケースにあたります。これが大甲媽祖「遶境」進香といったように、名称に「遶境」が含まれている理由の一つです。

 

奉天宮に到着すると、盛大なお祝いが行われ、それはもうものすごい人人人人人です。上の映像をご覧ください。 普段は静かな田舎町が、進香団や見物客で埋め尽くされます。

 

出発前のお参り

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本格的な信者の方たちの中には、前もって占いでその年の進香に参加していいかどうか媽祖にお伺いをたてる人もいます。まあそこまでしなくても、出来れば出発前に大甲鎮瀾宮をお参りし、媽祖への挨拶は済ませておきたいものです。毎年元宵節(旧暦1月15日)を過ぎると、多くの参加者が鎮瀾宮をお参りに訪れます。

 

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その際は、ぜひ廟内外で売っている帽子やシャツ、御守り、紅綵(紅布條)、進香旗などを購入してください。これらを持つことで、形の上からも進香団の仲間入りです。ただ進香旗の場合は、所持すると3年は参加しないといけないと言われています。購入した旗やお守りなどは、忘れずに廟内の炉で「過爐」(旗などを手に持ち、炉の煙の上で時計回りに三回回す)してください。

 

食事について

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香道中での飲食については、心配しなくても大丈夫です。 他の記事で紹介しましたように、多くのボランティアの方々が、廟や路上など至る所で食べ物や飲み物を準備し、私たちの到着を待っていてくれます。雲林県嘉義県などの地域では、特にこうした人情味を感じることができるようです。もちろん途中途中にコンビニもありますよ。荷物を少しでも軽くするためにも、スタート時に水を1本、あとは非常食を少しバッグに入れておけば問題ありません。出発してからゴールまで、お賽銭以外ほとんどお金を使うところがありません。

 

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写真は「流水席」と呼ばれる形式の食事の会場です。感謝の心を忘れず、余分に取ったりはせず、ありがたくいただきましょう。

 

また、出発前および進香道中での食事について決まりがあります。出発の3日前に開かれる宴会の後から新港奉天宮に到着するまでの間、肉料理を食べてはいけません。ただし復路は何を食べても構いません。

 

宿泊について

ここまで読んでいただいた未来の進香団メンバーの皆さんなら、きっとある疑問が浮かんだことでしょう。

「宿泊はどうするの?」

ズバリお答えします。

野宿です」

 

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なぜなら、進香の日程が決まった瞬間、進香ルート近くの宿泊施設は一瞬で予約が埋まります。出発前日の特急の指定席なども発売日に同じく秒殺です。ただ夜到着、深夜出発も多く、暑い日中は休み、涼しい夜に歩く人も多いので、ホテルに泊まる余裕すらないかもしれません。

上の写真では、県政府庁舎のロビー部分を進香団に開放してくれています。そうです、これは行政、警察、地域住民全面協力による一大イベントなのです。ただこのような場所がいつもある訳ではありません。あったとしても、先行するバイクや自転車の人たちに大抵は占領されています。

 

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何年も歩いている先輩方は、それぞれの決まった野宿ポイントがあるようです。多くは廟や寺院になりますが、時折民間の方がとても心地いい休憩ポイントを設置していてくれることがあります。中でも彰化県永靖にある休憩ポイントは、至れり尽くせりとの話を聞きました。参加者は皆さん、経験の中から場所を見つけていますので、初めて参加する人にとっては、廟以外となると情報を得ることはかなり困難になるでしょう。 

そこでその日の目的地、もしくはさらに先にある停駕地の近くで寝場所を探すことになります。その際は次の三か所が有力候補となります。テントを持って歩いている方も大勢いますが、ここではテントなし、寝袋のみを前提に考えていきたいと思います。実際大甲媽祖遶境進香の時期にはかなり暖かくなっていますので、寝袋がなくとも、シーツのような身体を覆うものがあれば十分かもしれません。

 

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※大甲鎮瀾宮香客大楼の一室

まずは周辺の香客大楼(宿坊)です。多くの廟が進香団の休憩場所として、廟の建物内や香客大楼を開放しています。香客大楼では写真のように布団が準備されているところがほとんどです。ただしあまり清潔とは言えませんので、潔癖症の方は寝袋を持参した方がいいでしょう。香客大楼に宿泊した時は積極的に周りの人に話しかけてみてください。進香仲間と知り合える大切なスポットでもあります。外国人だと分かれば、いろいろ親切にしていただけるはずです。また香客大楼がなかったり満員だったりしても、多くの廟では敷地内で休憩させてもらうことができると思いますが、夜はクローズされるところもあり注意が必要です。

香客大楼は何と言っても、シャワーを使えるいった点が大きいです。こうした場所以外でもシャワー車が何台か出動していますが、ものすごい行列のため、並ぶには相当の覚悟が必要です。また大きい廟になると、トイレと併設してシャワー室があるところもあります。シャワーが使用できない場合、私はたいていトイレ前の水道で髪を洗い、身体を拭いていましたが、女性の方にとっては切実な問題かもしれません。進香ルート上にある民家のシャワーを借りている人も多いと聞きますが、申し訳なくてそれはできませんでした。

 

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次の候補は学校です。当日の目的地周辺にある学校の教室や講堂、体育館などの公共施設が開放されている可能性があります。ただ就寝場所が空いているかどうかについては、行ってみないと分かりません。また新港到着時には、周辺の新港國小、新港國中、古民國小、文昌國小などが休校となり、進香団に教室や講堂を開放しています。しかし団体限定でかつ事前に申し込みが必要となるようです。

テントを持参すれば、上記写真のように学校敷地内の空いている場所にテントを張ることは問題ありませんが、歩きの参加者にとって、テントを持参することはかなり厳しい問題です。もしどうしても見つからない場合は、周りにいるベテランそうな進香団の人を捕まえて質問すれば、きっとみなさん親切に教えてくれると思います。ベテランかどうかは、所持している進香旗を見れば一目瞭然です。

 

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上記二つがダメだった場合の最後の選択は、民家や企業の軒下です。写真のような透天厝と呼ばれるタイプの建物には、道路に面した部分に騎楼と呼ばれる軒下のような部分があります。そこで休ませてもらえるように頼めば、まず断られることはないでしょう。ただ近くにトイレがあるかどうかが、ポイントになります。

進香ルート上では、深夜であれば、許可をもらわずに軒下をお借りして寝ても大丈夫だそうです。しかし、外にある水道を勝手に使用している人たちも多く、それには決して流されず、マナーを守ってお借りしたいものですね。運よく親切な住人の方にあたると、トイレやシャワーを貸していただけることもあります。そのご縁で台湾に新しい友人ができるかもしれません。親日な方が多い台湾ですから、女性の参加者は日本人アピールをしてみるのも一つの手だと思います。男性は黙って外で寝ましょう。笑

 

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ほかにも民間の企業などが提供しているかなりきれいな休憩ポイントもあり、運が良ければ巡り合うことができるでしょう。

 

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※廟内で就寝の風景

ただいずれの場合も、盗難には注意が必要です。時々廟や香客大楼などで盗難があったという話も耳にします。非常に罰当たりですが、進香団の格好をした泥棒が混ざっている可能性も否定できません。

参加者の中には、グループを作って集団で歩く人たちも大勢います。もし台湾に知り合いがいる場合は、そのようなグループに参加させてもらってもいいでしょう。出発日が近づくと、FBやライングループなどでも参加者を募っています。集団で歩くことで、寝場所の確保、暗い夜道、長く続く直線道路の絶望、さらには盗難などの問題は解決できます。

 

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※仮眠をとらせていただいた彰化市内にある廟

野宿に不安がある方、特に女性だけの方は日帰りで歩けるルートを検討された方がいいかもしれません。

一案ですが、出発前日の午前中には大甲に入り、お参りやグッズ購入を済ませます。その日の深夜、出発の盛大な雰囲気を楽しみ、夜通し彰化南瑤宮まで歩いて、夕方ごろ彰化駅から電車でホテルまで帰るという方法です。0泊2日となりますが、これだけでも雰囲気を味わうには十分ですね。歩きは一日だけでも全く問題ありません。最初から最後まで歩く人は、ほんのごくごく一部だけですから。

また初日だけでも40km以上は歩くことになります。長距離の歩きに自信がない方は、途中電車やバスでワープする方法もありですよ。

 

歩きのポイント

進香団の列は神輿の前後に長く伸びています。おそらくその全長は数十kmに及ぶかもしれません。なぜならルートが決まっているため、神輿より先に出発する人たちが大勢いるからです。特に全行程完歩を目指す人たちは、出発日の午前中からお昼にかけて出発しています。なかには出発日の数日前に歩き始める人たちさえいます。当然神輿の後方にも長い隊列が続きますので、ルート上は至る所で進香団を見かけることになり、特に神輿の後は進香団で道路が埋め尽くされます。

では、進香団の行列のどの辺りを歩くのがいいのでしょうか? 

 

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一番イベントの雰囲気を感じ取れる場所は、神輿のすぐ近くだと思います。ただ当然ものすごい人混みで危険です。そこで、少しの間だけ神輿の近くを歩き雰囲気を味わった後は、神輿より前に先行して歩くといいでしょう。神輿の後は止まったり、走ったりとペースがばらばらで体力を消耗するからです。

ちなみに進香の際、神輿とともに出陣するのは、鎮瀾宮に祀られている7体の媽祖像のうち、湄洲媽、三媽、四媽です。また五十三庄遶境や贊境などでは、定かではありませんが、恐らく五媽が担当しているものと思われます。

 

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私のベストポジションは、進香団の先頭を歩く頭旗(先頭の旗)と神輿の間です。この間は大体数百mから数kmぐらいの距離があります。さらに頭旗の近くにいると、報馬仔に出会えるチャンスも増えます。報馬仔はずっと歩いている訳ではなく、大きな廟への到着前ではないと出てきません。

ただ実際には頭旗からも大きく先行し、その日の目的地で神輿の到着を待つということが多かったです。なぜかと言うと、上の方でも書きましたが、神輿が目的地の廟に着くのは夜遅くになることが多く、すぐに深夜出発となると仮眠する時間すらとれないからです。そのため、特に全行程もしくは往路復路のどちらかを完歩する予定の方は、必然的に神輿より先行し、仮眠時間を捻出する必要がでてきます。そこで遅くとも夕方ぐらいにはその日の目的地に着き、近くで寝場所を探し深夜の出発に備えましょう。

実際、全行程もしくは往路完歩を目指す方は、ほとんどが神輿の出発を待たず、まだ明るいうちに出発しています。つまり完歩を達成するには、神輿のそばを歩いたり、イベントのにぎやかな雰囲気味わうこと、さらには大甲溪の美しい花火、搶轎の喧騒などなどをあきらめなければなりません。睡眠をとる場所も神輿と同じ街ではなく、さらに先に進んだ街になります。こうして常に先行しながら、時間という貯金をつくりだし、体力に合わせて途中で臨機応変に長めの休憩や仮眠をとるようにします。昼寝るか、夜寝るかについても、大きな戦略ポイントです。

ただ周りの徒歩参加者がまばらになることで、夜間、特に真っ暗な田舎道の歩きは危険になるので、出来る限りほかの徒歩参加者について歩くようにしましょう。特に雲林県に入った後の吳厝から土庫の間は、街灯もないポイントが多く、一人で歩くのは危険だと言われています。そのため途中の廟を端折って、虎尾の街中を通り土庫に入るルートを選ぶ人もいるようです。

イベントの雰囲気を味わいたい方:往路1日、復路1日のような日程で神輿の近くを歩くといいでしょう。

完歩を目指す方:明るいうちに出発し、常に神輿より先行して歩きましょう。

 

進香団の中に70代80代と思われる老人の姿もちらほら目にします。皆さん強い信仰心で歩き続けています。その敬虔でたくましい姿には感動すらさせられます。我々が歩き続けることができないということは決してないのだと、強く思い知らされるのです。

友人と一緒に参加される方は、人ごみではぐれないように注意して、万一はぐれた場合はコンビニのwifiにつないでSNSで連絡を取り合うか、前もって落ちあう場所(廟)などを決めておくといいでしょう。一人で参加すると、進香の道すがら知り合った人たちと一緒に歩くこともありますが、まず簡単にはぐれます。

 

運が良ければ...

大甲媽祖遶境進香には、重要なイベントが二つあります。

それは「鑽轎腳」(神輿くぐり)と「壓轎金」(神輿の下のお金)です。

 

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「鑽轎腳」はどこでもできるというものではありません。 

神輿が進む先に、いつのまにか鑽轎腳を待つ人々の列ができ、神輿は地面にひれ伏した人々の上を通過していきます。神輿が頭上を通る時に願いごとをすると、それが叶うと信じられており、実際に数多くの奇跡が起きているようです。もし参加していない他の方のことを祈る際は、その方の服を持って鑽轎腳をするといいでしょう。ただ行列が出来ているからといって、必ず鑽轎腳ができるとは限りません。列があっても神輿がスルーしていくことがあり、運も必要なのです。

 

また本来は進香団に参加できない地域住民の方たちのためのイベントでもあるので、何も言われないとは思いますが、列に並ぶ際は帽子などを脱ぎ、進香団の一員であることはあまり周りに分からないようにした方がいいようです。

 

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さらに運が必要なのが「壓轎金」になります。 

「壓轎金」とは、神輿が廟などで休憩する際にその下に敷かれる紙のお金のことです。これがものすごくご利益があると言われています。そして神輿の下に置かれる時間も重要になってきます。最低でも15分以上は欲しいところです。

 

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この壓轎金は神輿が立ち去った後に配られるのですが、それがいつどこで配られるのかまったくわかりません。すべては「縁」次第という訳です。私は幸運にも復路で2回、計十数枚を受け取る機会があり、自分の分を1枚残し残りはすべてお世話になっている知り合いに配りました。

受け取ることができる可能性が高くなるのは、神輿が廟に立ち寄り出発した直後です。その際廟の関係者の方より、壓轎金が配られることがあります。また注意点として、神輿が廟にて停駕している時、当然神輿の周りにはとても多くの人が集まりますが、神輿が出発する際に壓轎金の奪い合いが始まることがあります。かなり危険ですので、そうした人ごみにはできる限り近づかないようにしましょう。

 

そして実はもう一つ、隠しイベントがあります。

それは媽祖の神輿を担がせてもらうことです。信者の方々にとっては、これはものすごいことなんですね。ただいつそのチャンスが訪れるのかについては全くわかりません。しかし時間に余裕がある復路の方が必然的に可能性は高くなります。

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方法としては、神輿の近くをずっと歩き続けることです。ずっと歩いていると、どこかのタイミングで神輿の担ぎ手が神輿グループのメンバーから一般の参加者に代わることがあります。

その際に神輿グループの人の近くを歩きながら、「次担がせてもらえませんか?」と思い切って聞いてみましょう。縁があれば担がせてもらえるかもしれません。ただ無理強いはせず、縁にまかせましょう。

私は進香の時と遶境屯區巡安祈福の際に二度担がせてもらいましたが、その重さはいろいろな意味で肩にずっしりとのしかかりました。

 

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写真の涼傘も持たせてもらうことができるようです。

 

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他にも、病気の人に効果のあると言われる「敬茶」、進香中のけがなどに効く「海鹽」、結婚運を上げる「報馬仔の紅絲綫」、学業成就の「執事隊の文昌筆」、平穏無事を願う「將軍の篙錢と手錢」、子どもの安全を祈願する「三太子の奶嘴」などがあります。

 

最後に

これで大まかな流れはご理解いただけたかと思います。あとは一歩を踏み出すだけです。ここでは紹介しきれなかった注意事項やトイレ問題、ドナドナなどについては、次に紹介する白沙屯媽祖進香のページをご参考ください。

それでは、大甲媽祖遶境進香の道でお会いしましょう!

  

 

※ さらに詳しく知りたい方は、こちらのページもどうぞ ※ 

 

※ 参加までの流れや日程についてはこちらへ ※ 


※ 参加レポートはこちらへ ※ 

 

 

 

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