徒 歩 進 香[巡 礼]

ハマるぞ台湾!道教文化

北港媽祖遶境

 

台湾で数多行われる遶境(巡行)の中で、最も有名なものが、毎年旧暦3月に北港朝天宮で行われる爆竹祭としても名高い北港媽祖遶境です。 媽祖の生誕を祝う「迎媽祖」を代表するイベントになります。陣頭の行列が続く一般的な遶境とは一線を画し、ものすごい量の爆竹が至る所で鳴りまくります。

 

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[目次]

 

 

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概要

北港朝天宮天上聖母遶境】

 

主催廟:北港朝天宮[1694年建立]

開催地:北港朝天宮(雲林県北港鎮)

開催時期:毎年旧暦3月19日~

開催期間:5日間

見物客:数十万人

参加費:なし(見物のみ)

特徴:藝閣、花車、炸轎、犁炮、踩炮が有名な台湾随一の遶境イベント

臺東炸寒單、鹽水蜂炮とともに「台湾三大爆竹祭」と称される

住所:雲林縣北港鎮中山路178號

アクセス:北港バスターミナル下車徒歩7分

参考HP:

北港朝天宮

北港朝天宮・媽祖歓迎活動-台湾宗教文化地図-臺灣宗教百景

 

雰囲気は?

まずはこちらの映像をご覧ください。

 


なんとなく現地のにぎやかな雰囲気が感じとれたかと思います。実際はもっとにぎやかで刺激的ですよ。

 

どのようなお祭り?

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台湾媽祖廟の総本山と言われ、台湾で最も有名な媽祖廟である北港朝天宮。

毎年旧暦3月には媽祖の生誕を祝い、5日間を通して盛大なお祭りが催されます。ただ「遶境」ですので、「徒歩進香」とは違い参加するというよりは、神輿花車の行列などを見物することがメインになります。イベントでは、藝閣、炸轎、犁炮、踩炮と見どころ満載です。

媽祖の神輿は、祖媽から六媽までが連なります。「なぜ媽祖が6柱も?」と思われるかもしれませんが、媽祖は祖媽、二媽、三媽、四媽、五媽、六媽が存在し、それぞれ外見や性格が違うそうです。さらに虎爺、註生娘娘、福德正神などを合わせると、10基ほどの神輿が列をなします。

 

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最初の2日間は神輿の列が北港の街中や周辺の村々を練り歩きますので、その行列の後ろについて歩き通すことも可能です。私も神輿とともに北港周辺の村々を歩きました。

神輿は朝9時には朝天宮を出発します。北港に到着した時、もしかすると神輿はすでに出発してしまった後かもしれません。それでも心配はいりません。廟の南側にある観光大橋辺りから周囲を眺めると、ところどころで花火や爆竹の煙が上がっているのを見ることができると思います。その方向に進んでいけば、きっと神輿の行列と合流できるでしょう。

 

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またこの遶境の特徴としては、とにかく至る所でものすごい量の爆竹が鳴らされることです。まさにいま台湾全土で進められている環境保護などくそくらえと言った感じです。期間中は街中が爆竹の煙に包まれています。

 

見どころ

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一番の見どころが「炸轎」と呼ばれるものです。神輿の下で大量の爆竹を鳴らし、その煙で神輿をいぶします。これは媽祖のご加護に感謝し、その年の平穏を祈ることを目的に行われます。ただし祖媽の神輿だけは、その歴史的価値を考慮し行われないようです。

 

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爆竹は廟前だけではなく、遶境ルート上の様々な場所で行われます。お店や企業、民家の方たちが、爆竹の山を準備して神輿の到着を待ちます。爆竹の量が多ければ多い方が、運気もより向上すると信じられています。

 

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炸轎の際には、神輿グループの人たちも背中を向けて神輿とともに爆竹を受けます。それにより炸轎吃炮(爆竹を喰らう)と呼ばれたりもします。神輿について歩く参加者も一緒に受けても大丈夫ですが、その際は神輿グループの人たちの外側に立つようにしましょう。また神輿の側面には立たないようにします。

 

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神輿に向かって爆竹を投げる「犁炮」や爆竹の火の海の上を神輿が進む「踩炮」も必見です。遶境は朝方まで続きますので、爆竹の火花は夜の方がきれいです。しかし夜は主に繁華街を歩き、また見物客も増えるためかなり混み合います。私個人としては、人が少なく村々を巡行する午前中の方が好みですね。

 

こちらは犁炮の映像ですが、簡単そうに見えて、実は高度なテクニックを要求されるようです。

 


2018年の遶境では爆竹の勢いが凄すぎたため、神輿が燃え上がり担ぎ手が火傷するという事故も発生しました。2019年にも四媽の神輿が燃え上がりました。北港媽祖遶境の爆竹はそれほどえげつないんです。このイベントにおいて使用される爆竹だけで、1000万元(約3700万円)を超えると言われています。

 

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これは彩花炮と呼ばれる紙吹雪です。

 

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もう一つの見どころが「藝閣」と呼ばれる行列で、神話を基にした伝統衣装を着た女性や女の子が花車の上に座り、街を廻ります。

 

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女の子たちが花車の上から飴玉やお菓子を投げ、みな先を争って拾います。時々お金や引き換え券も混ざっていると聞きました。このお菓子を食べることで、神様のご加護を受けることができるそうです。もちろん私もお菓子拾いに参加しましたよ。

 

遶境のルートについて

こちらが2018年の神輿と藝閣の巡行ルート表になります。

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※神輿の予定ルート

 

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※藝閣の予定ルート

 

神輿の巡行:初日および2日目終日

藝閣の巡行:前半2日間が午後と夜、後半3日間は夜のみ

上記のようにメインは最初の2日間になりますので、そのどちらかで計画を立てられることをお勧めします。このため、遶境イベントの期間は2日間と言われることもあるようです。

 

遶境の楽しみ方

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10基ほどの神輿が巡行し、ところどころで炸轎が行われます。そこでまず一つ目は、六媽から二媽の内のいずれかの神輿を選んで、その神輿の後ろについて村々をめぐる方法です。特にこだわりがない場合は、六媽が比較的おススメです。神輿について歩く隨香客はそれほど多くはなく、さらにそれぞれの神輿に分散するため、かなり楽に歩けます。

 

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爆竹大好きな神様として知られる虎爺の神輿について回っても面白いかもしれません。虎爺と言えば、北港の隣町にある新港奉天宮の虎爺が有名です。朝天宮の媽祖、奉天宮の虎爺と称されています。

 

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もう一つは大規模な炮場に張り付いて、六媽から二媽までの神輿の炸轎を見物する方法です。多いところでは、一つの神輿に対して三回、四回と炸轎が行われます。

 

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神輿は朝9時に出発し村々を巡った後、午後には街中まで戻り中心部を巡行をしますので、夕方から深夜にかけては藝閣を見物したり、十数ヵ所に設置された舞台を見て回っても楽しいと思います。ただし夜の北港はものすごい人で混み合いますので、覚悟が必要です。

 

運が良ければ...

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北港遶境でも鑽轎脚が行われます。ただ大甲媽祖などとは異なり、自ら腰をかがめて神輿の下をくぐります。遶境中には至る所で行われますので、難易度はあまり高くありません。ただすべての神輿となると、少し大変かもしれませんね。

 

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壓轎金北港遶境には存在しません。神輿が休憩する際にも、台の上に金紙を敷かないからです。その代わり轎錢」というものが存在します。これは神輿の屋根につけられる色とりどりの紙銭のことを指します。

 

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一般に篙錢と呼ばれている、千里眼や順風耳といった将軍が髪の毛のようにぶら下げているものとよく似ています。遶境では将軍の後ろを歩いて、落ちる篙錢を拾い集めている人を時々見かけます。平安符のような効力があるそうです。

 

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この轎錢は進香仲間からいただいたものなので、どのような形で配られるのかについてはよくわかっていません。ただこの轎錢が落ちていたり、だれかが拾っている姿を見かけたこともありませんでした。この轎錢は、壓轎金と同じような効果が期待できるようです。ただ炸轎の際に、神輿の上で燃え上がっているのをよく見かけました。

 

参加する際の注意点

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まず何をおいても爆竹でけがをしないよう注意してください。自分の身は自分で守り、炸轎に参加する際は特に注意が必要です。爆竹が後ろから飛んできて身体にパシパシと当たり、さらに火の粉が上から降ってきます。何が何でも目だけはしっかりと守ってください。

マスク、眼鏡(もしくはゴーグル)、帽子、耳栓(綿がおススメ)、長そでのシャツもしくは腕カバー、厚手の長ズボン、水にぬらしたタオル(首を保護)などを忘れないように準備しましょう。

 

またこのイベントの難点は、北港へのアクセスの悪さです。

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嘉義駅前もしくは斗六駅裏から路線バスで行くか、台中駅横のバスターミナルから長距離バスで行くルートが便利だと思います。2018年時点で、台中からのバスは事前予約ができませんので、遶境期間中は早めにバスターミナルに行き、列に並んだ方が確実です。

 

最後に

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北港武徳宮

神輿の行列について歩き、藝閣のお菓子を拾い、そして炸轎では爆竹を浴びたりと、観るだけではなく見物客も参加できるイベントです。

また北港を訪れた際は、周辺に大甲媽祖遶境進香の目的地である新港奉天、南瑶宫笨港進香の目的地の一つである笨港天后宮、歴史ある笨港水仙、財神を祀り壮大な建造物が見どころの北港武德宮などが点在していますので、ついでに足をのばしてみてはいかがでしょうか。新港奉天宮以外は、遶境でも立ち寄ります。

 

 

[追記]参加情報

申込は必要ありませんが、深夜まで続くイベントとなるため、北港周辺に宿泊先を確保する必要があります。

 

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しかし毎年日程が固定されているため、香客大楼や周辺ホテルは早い段階で予約が埋まってしまいます。私は以前お世話になったゲストハウスにベッドの確保をお願いしました。費用は少しかかりますが、嘉義市のホテルに宿泊し、深夜北港からタクシーで移動する方法が無難かもしれません。

 

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廟内のお店では、シャツや帽子、お守りなどの廟グッズも売られています。興味がある方は、身に着けて参加されてもいいですね。

 

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このような体験参加プログラムもあるようです。遶境中には欧米人の旅行者たちが、神輿グループの服を着て、神輿を担いでいる姿を見かけました。私は同じ場所をずっと歩き続けることがあまり好きではないため申し込みませんでしたが、これはものすごい経験になると思います。興味がある方は、ぜひ体験参加してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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