大甲鎮瀾宮の公式FB(フェイスブック)にて、『大甲媽祖遶境進香9日間攻略』というノートが公開されています。マナーやタブーなどをよく理解した上で参加したい方向けに、その内容を紹介致します。
またコロナ渦の2021年に更新された内容についても、併せてご紹介します。
※ 大甲媽祖遶境進香については、下記ページへどうぞ ※
[目次]
大甲媽祖遶境進香 9日間攻略ノート
【 奉仕編 】
8泊9日、媽祖につきそい歩き続けます。誰も苦労をいとわず、ぼやきもしません。これは代々100年に渡り受け継がれてきた大甲媽祖の精神です。進香の路上では、昼夜問わず、飲み物や食べ物が配られます。小さな子どもの手から年老いた信者に渡されるのは、食べ物だけではなく心であり、元気さえももらっているのです。
村人総動員でもてなしの準備をおこない、神輿が去った後は、清掃ボランティアがゴミを分別し、食器を洗います。この名もなき人々の奉仕の精神にこそ、私たちは感動をさせられます。また多くの医療ボランティアメンバーが、傷の手当を行いやマッサージを提供しています。参加者の社会的地位など関係ありません。歩き続ける人たちにタオルやシャワーを提供し、疲れ切った人たちはまた元気を取り戻し媽祖とともに旅立っていくのです。
媽祖とともに全行程を歩き続ける旗グループにおばあちゃんたち。媽祖のため、家族のために歩きつづけます。この奉仕に関わるメンバーひとりひとりが、それぞれのストーリーを背後に隠し持ち、家族のために祈り歩き続けるのです。進香の道中は人情にあふれ、往復300kmに渡る道のりにおいて、こうした美しい光景が目前に広がります。
昨年はもしかしすると参加できなかったかもしれません。でも今年は何をおいてでも参加しなければならない理由があります。みなと一緒に進香の道を歩きましょう。
【 信者編 】
大甲媽祖進香団の規模は大きく、報馬仔、頭旗グループ、旗グループ、神輿グループなどさまざまなグループから構成されています。これらグループは、曽祖父、祖父の代から父親に引き継がれ、そして子ども、孫へと伝えていきます。それは家族一人一人の幸せのためであり、多くは身近な人たちの幸せのためでもあります。とても心温まる情景であり、また台湾の媽祖信仰が伝えてきた精神でもあるのです。
台湾人にとって、一生のうちにやらなければいけないことが3つあります。それは、玉山登山、台湾島一周、そして大甲媽祖遶境進香です。 多くが子ども頃からグループへの参加を始めます。さらに課外授業の学生たち、学生服を着た卒業旅行者たち、仕事の合間を縫って参加する信者たち、そして彼らは家族を伴い媽祖とともに歩きます。
世界三大宗教イベントの一つに認定される大甲媽祖遶境進香では、世界30以上の国々からこの地を訪れ、台湾伝統の媽祖進香文化を体験し、進香の道中において長きに渡り伝えられてきた人情を味わうでしょう。大甲媽祖文化はこうして世界へと広まり、世界が台湾の信仰の力と敬虔な精神を知ることになるのです。
【 ボランティア編 】
9日間の進香においては、台中、彰化、雲林、嘉義の地を歩き通し、道中では友好関係にある廟や信者の方たちのもてなしをうけます。村々では村人総動員で24時間、無料の軽食や飲み物、マッサージが提供されています。また路上の暗がりには、歩く人たちの安全のためにLEDライトが設置されます。9日の間、互いを信頼し、助け合い、周囲の人たちに奉仕する、これは台湾人が持ち合わせる最も人情味あふれる一面でもあるのです。
進香の道中、ボランティアの方々から手渡される飲み物や食べ物は「心」であり、それは感謝の気持ちとともに受け取らなければいけません。そして心をこめて、「ありがとう」、「おつかれさま」といった言葉を返し、受け取った食べ物は決して無駄にはせず、ごみを路上に捨てることなく、自分が食べられる分だけを受け取る。これこそが進香団のメンバーとしての矜持であり、媽祖とともに歩き進む者なのです。
【 精神編 】
信者たちが一歩一歩踏みしめた足跡が、街や村の道々に残され、この大地を美しく染めてゆきます。多くの若者が両親や祖父母の衣服をカバンに忍ばせ参加します。これは体調がすぐれず参加できない家族の健康を祈るためです。このような行いは、線香を立てお祈りしたり、素食を食べたりすることよりも、精神の上においてずっと効果があるものです。みな苦労をいとわず、奉仕することをためらわず、見返りをもとめません。
【 マナー編 】
多くの人にとって、進香への参加は初めての体験であり、さまざまな儀式やイベントに興味をもつことは当然だと思います。ただ歩く時や写真を撮る時は、必ずマナーを守りましょう。廟をお参りする時は、参拝をしているほかのグループを決して遮ってはならず、儀式の妨害をしてはいけません。道中では自らの安全を考え、交通ルールを守り、ごみのポイ捨てはせず、環境保護し、民家にお邪魔する際は礼儀を守り、「どうぞ」、「ありがとう」、「すいません」といった感謝の言葉を忘れず、和やかさと敬虔さを持ちながら媽祖と歩き進んでいく。こうしてこそ、真の進香メンバーとなりえるのです。
媽祖の像が神輿から出る際は、決して触れてはいけません。100年の歴史を持つ媽祖の像をいたわり、旗でたたいたり、神棚をひっぱったりするなどはもってのほかです。媽祖の信者たちは信仰における礼儀を守り、媽祖の慈悲の心を忘れてはなりません。遠くから手を合わせるだけで、我々の心は十分届くのです。
道中では多くの「結縁品」が配られています。それはボランティアや信者たちが、自らのお金と労力を使い、多くの人たちと縁を結ぶために準備しているものです。それらを受けった後は大切にし、決して欲張ってはいけません。また神輿が廟を離れた後に配られる「圧轎金」についても、くれぐれも奪い合いはしないでください。道中では神輿を代わりに担いだり、「鑽轎腳」をする機会があります。その際も廟の係員の指示に従い、ルールを守り、お互いの安全に配慮しましょう。
【 進香旗編 】
毎年元宵節に行われる式典において進香の日程が決定した後、多くの参拝客が、前年に行われた進香をともにし、道中立ち寄った廟の「平安符」を結び付けた進香旗を手にして、大甲鎮瀾宮に戻ってきます。媽祖、そして道中の廟の神々に一年のご加護を感謝し、今年もともに歩く報告と道中の安全をお祈りします。
「犒軍」 (廟や地域を守る神兵に感謝する儀式)
進香に出発する前に、お年寄りの参拝者は自宅で「犒軍」の儀式を行い、媽祖が派遣する神兵により進香団の安全が守られるようお祈りします。
「起馬」と「下馬」
参拝者が携え歩く進香旗は、出発前に各家庭の神様に供え道中の安全を祈ります。大甲鎮瀾宮に到着した際は、媽祖に準備完了の報告を行い、安全を祈り、旗を「過爐」(廟にある炉の煙の上で3回時計回りに円を描くように回す)します。これが「起馬」です。
進香の道中、その日の目的地である廟に到着した際には、一日安全に歩き通せたことを感謝し、再び「過爐」を行います。これを「下馬」と呼びます。
毎日出発前に「起馬」、到着後に「下馬」の儀式を行います。9日目に大甲鎮瀾宮に戻り「下馬」の儀式を終えると、これで本当の意味での進香の終了となるのです。
「封旗」
進香中に立ち寄った各廟で平安符を結び過爐をした旗は、4日目の祝賀祭典が終了した後巻き取ります。これを「封旗」と呼びます。往路で集めた霊気を封じ込め自宅に持ち帰ることを意味します。
【 タブー編 】
①忌中の家の人、産後1か月以内の女性は参加できない。
②進香に参加する前には、香を焚き、身を清め、持ち物や車も必ず清めなければならない。
③「起馬」後は肉料理を食べず、忌中の家や産後一か月の家に入ってはならない。
④初めての参加者は、必ずすべて新しい服を着て参加しなければならない。これは地域の神々への敬意を表すためである。
⑤媽祖に奉仕する大甲鎮瀾宮の名が入った服を着た人たちは、その服の上に重ね着してはならず、その服を着たままトイレに行ってはならない。道中は、賭け事、色事をしてはならず、素食の期間はお酒を飲むことも禁止し、話す内容も慎まなければならない。最も敬虔な心を持ち、媽祖に付き添わなければならない。
【 注意事項編 】
①進香団から遅れないように、毎日5、6時間前には出発したほうがよい。
②毎日の行程表に則り、道中神輿が立ち寄る場所や廟では休憩をとる。
③手や顔を洗ったり、就寝できる場所は、廟の香客大楼、学校、コミュニティセンター、民家、軒下などである。
④休憩場所を決める際は、まず建物の所有者の許可を取り、マナーには気を付ける。
⑤香客大楼や許しをいただいた民家でシャワーを浴びる以外にも、シャワー設備を備えた車を使用することができる。
⑥ボランティアのサポート車を利用することができる。
⑦道中医療サポートが必要な際は、大甲鎮瀾宮の医療グループを利用することができる。
【 装備編 】
①帽子や竹で編んだ笠
②着替え3~5着
③ハンガーや洗濯ロープ
④動きやすいズボン
⑤靴下3~5足(5本指や厚手のソックス)
⑥布靴か運動靴(中敷き強化が必須)
⑦サンダル(雨の日用)
⑧朝晩の冷え込み対策の上着
⑨カッパ(上下分かれたもの)
⑩一人用アルミマットと寝袋
⑪洗面用具(トイレットペーパー、歯磨きセット、シャワーセット)
⑫薬と保険証
⑬シップや塗り薬
⑭環境に配慮した食器類
⑮携帯(充電器、モバイルバッテリー)
⑯夜間用ライト
⑰リュックサックもしくは手押し車
⑱進香旗
⑲日焼け止めクリーム、蚊よけスプレー
⑳以上を個人の状況に合わせて調整
※ 旅行保険に加入しましょう
※ 道中の爆竹には特に注意を払いましょう
※ 二週間前には歩く練習を開始し、毎日2時間、5~10kmは歩きましょう
大甲媽祖遶境進香心得(2021年最新版)
新しい内容としては、コロナ対策についての記載が追加されています。他には医療チームやシャワー車の配置場所などです。また進香当日に試験が行われる会場近くでの注意喚起もなされています。
知識面としては、「封旗」など進香旗の取り扱いついて、進香中において受け取ることのできる廟の印が押された「紅綾」や神童グループの「領巾」など、聖なる品についての解説もなされています。
〇礼節編
[イメージ上の注意]
1.衣類などは清潔に保ち、飲酒や賭け事を避け、火気に気を付け、交通安全に十分注意を払ってください。
2.媽祖の慈悲の心と譲り合いの精神を学び、進香行事成功のために互いに協力する。
3.みだりにゴミを捨てず、リサイクルや環境保護に努める。
[飲食の注意]
1.食器類は自ら持参し、使い捨て容器類の使用は減らす。
2.食事を食べる際はマスクをして、会話はしない。
3.ゴミのポイ捨てはせず、残飯を正しく分類する。
[寝泊りの注意]
1.宿を借りる際は礼儀正しく、衛生に注意する。
2.廟内で休息をとる際は、神様の足元や参拝者の動線上を避ける。
3.民家や軒下を借りる際は、清潔さを保ち汚さぬようにする。
[紀律上の注意]
1.全行程において、神輿に触ったり、鑽轎脚をしてはならない。
2.夜十時以降の会話や音楽などの音量には注意を払う。
3.四月十七日には、清水高校にて音楽クラスの試験が行われます。楽器や音楽の音を抑え、爆竹は鳴らさず、試験に影響を与えないようにしてください。
[交通安全の注意]
1.交通ルールを守り、安全運転を心がける。
2.夜間にクラクションは鳴らさず、夜間における紀律を守る。
3.自転車や徒歩の参加者は、安全のためLEDライトを携帯する。
4.香客服務車を呼び止め、その場で乗車してはならない。交通安全とマナーを心がける。
5.逆走や飲酒運転、過労運転は禁止する。
6.紀律グループや交通整理グループの指示に従い、管制区域内に侵入してはならない。
7.参加する車両は、ナンバーの上に御札を貼ってはならない。
〇進香旗編
[進香旗編①]
進香旗は令旗ではない。表面に「大甲鎮瀾宮」、「天上聖母」もしくは「遶境進香」などの文字が書かれている。竿の上には、個人の氏名、住所を記載する。進香旗の所持は、個人として参加し幸福を祈ることを意味している。宗教上の意味からみると、媽祖が派遣した兵将を付き添わせることである。「犒軍」や「起馬」、「下馬」は兵将をもてなし、兵馬を休ませるための儀式である。
〈請旗〉
線香をお供えし、大甲媽祖に個人の情報を報告した後、進香旗を入手し、廟内のサービスデスクにて住所や氏名などを記入します。さらに装具を付け、御札を結び付け、廟の御朱印を押し、香炉で過爐をします。
〈放旗子〉
「凈旗」や「開旗」とも呼ばれます。元宵節の日程選定儀式の後、前年の進香でしばりつけた御札を外し、自宅の神棚もしくは鎮瀾宮にて、家の神様と大甲媽祖に一年の庇護を感謝し、今年再び進香に参加する報告を行います。さらに進香が無事行われるよう祈りを捧げ、新たな御札を結び付け、過爐後に古い御札を金紙とともに焼きます。
[進香旗編②]
〈犒軍〉
進香への出発前に、自宅もしくは鎮瀾宮にて犒軍を行います。お供え物を準備し、線香をお供えします。家に祀る神様と大甲媽祖に進香への参加を報告し、進香中の安全を祈願します。
〈起馬〉
進香出発前に、大甲媽祖の前でこれから出発することを報告し、道中の無事と庇護を祈ります。日々駐駕後の出発に際し、再度大甲媽祖と駐駕地となった廟の主祭神に引き続き参加する旨を報告します。これは「起馬」と呼ばれます。
〈下馬〉
進香日程中、駐駕地となる廟に到着した際、大甲媽祖と駐駕廟の神様に対し、当日の日程を終え、休息をとることを報告します。復路を終え大甲鎮瀾宮に戻った際は、大甲媽祖に進香中の庇護を感謝し、派遣されていた兵馬を媽祖の元に帰します。これを「下馬」と呼びます。
[進香旗編③]
〈封旗〉
祝賀の儀式が終了後、年配の随香客らは進香旗を揺さぶり兵将に帰隊するよう呼びかけ、進香旗を巻きとり、霊力を封じ込めて持ち帰ります。これを「封旗」と呼びます。
祝賀儀式後、一部の信者は進香旗上の線香に火をつけ、大甲まで戻ります。また火を消した後の「剰香」を持ち帰り、自宅で霊力を放出させます。
<注意事項>
1.進香中、浴室やトイレなど不浄の場所に持ち込んではならない。
2.旗を逆さに持ってはいけない。
3.かつて起馬、下馬の際、起馬、下馬の金紙を焼いていました。現代では各廟に少額のお賽銭を入れることで代用することができます。
4.鑽轎脚の際は進香旗を持っていてはいけない。
5.進香旗は進香への参加と媽祖に関わる神聖なる品を意味しており、神様を表すものではなく、家の中では神棚や居間もしくは清浄な場所に置けばよく、線香を供える必要はない。
※随香客が進香旗を手に歩くという行為には長い歴史があり、旗の上に各廟の御札を結び付けるだけでよく、香火袋や紅綾彩帶などをつける必要はない。ただし信者自ら各自の習慣で行うことは、それぞれ違いがあったとしても、信仰心があれば問題ない。
〇神聖物編
[神聖なる品編①]
〈紅綾〉
細長い赤色の彩帯であり、表面に「大甲鎮瀾宮、合境平安」と書かれています。また廟の御朱印が押されています。非売品であるため、他廟の神像が来訪した時にのみ掛けられます。進香の時は、ルート上で信者らが先を争い受け取ります。神棚や車に掛けることで、大甲媽祖からもたらされた品として、家内安全、交通安全の効果を発揮します。
<領巾>
「收涎」は赤ちゃんの成長にとって重要な儀式である。よだれを受け止め、赤ちゃんの健やかな成長を祈ります。進香期間には神童団の二体の神童の涎掛けは、すべての親たちが欲する品である。子供たちが神童のように生まれつき賢くなるよう望む以外に、「收涎」の儀式において、より大甲媽祖の加護を得られるよう祈りを込めます。儀式終了後にも、子供は日常生活において使用できます。
<姻緣線>
姻緣線はもともと報馬仔が装具を身体に固定するための赤い紐として用いられ、特別な意味はありませんでした。ある時、進香の途中で一人の婦人が報馬仔に赤い紐を求めました。
報馬仔は手渡した後、特に気にかけずにいましたが、翌年娘を連れ御礼参りに訪れました。赤い紐をしばりつけたことで、良縁に恵まれたのです。このことが広まると、毎年多くの未婚の男女が報馬仔に姻緣線を求め集まるようになりました。
またほかの信者は、報馬仔から受け取った赤い紐を手に巻き、大甲媽祖の庇護を祈ったところ、人の縁に恵まれ、事業もうまく行くようになり、もはや良縁を求めるだけではなくなっています。
[聖なる品編③]
〈文昌筆〉
三十六執士は媽祖を保護するための十八の武器になります。その中で最も人気が高いものが「文筆手」です。受験生を合格に導くと伝えられており、多くの受験生は進香の期間中、試験に用いる鉛筆を準備し合格を祈ることができます。執士隊は文昌筆を製作し受験生に贈りますが、数量に限りがあるため、すぐになくなってしまいます。
〈換鹽〉
かつて進香団は夜間も歩き続けており、医療情報が十分でなく、また医療の条件が良くなかった時代、もしマメができた際は、症状を緩和させるために塩水の中に足をつけていました。そのため神輿の中には食塩を準備していました。現代になり、食塩が用いられることはなくなったものの、神輿グループのメンバーは依然として昔のように食塩を神輿内に置いています。多くの信者は食塩を持参し神輿グループに交換を願い出ます。自宅の食塩に混ぜ、日常の料理に使用することで平安を祈ります。
[聖なる品編④]
<奶嘴>
三太子は神様の世界でもっとも有名な子供の神様です。進香のルート上で、太子団の三太子はいつもおしゃぶり口にしています。かわいいその様は子供たちにも人気があり、これにより三太子の加護を受けたおしゃぶりは非常に人気が高くなっています。新生児がいたり、間もなく子供が生まれる家庭では、おしゃぶりを準備し太子に加護してもらうことができ、同じような効果が期待できます。
近年、さまざまな業界で加護を受けたおしゃぶりが流行しています。大甲媽祖の三太子のおしゃぶりをビジネス鞄に掛けたことで、顧客が静かに耳を傾けるようになったり、パソコンや工場の機械に掛けることで、トラブルなく使用することができるようになります。そのため大甲媽祖の太子団がさっそうと姿を現すと、おしゃぶりを求める人たちが殺到します。
[聖なる品編⑤]
<淨茶>
大甲媽祖の神輿内にお供えされた緑茶であり、進香途上で信者らが争って求める御宝です。大甲媽祖のお茶を受け取ることができる機会は非常に少なく、起駕の当日以外では、進香途上で比較的時間の長い停駕駐駕の際に、信者は求めることができます。
◎媽祖の加護を受けた幸福を祈るための小物は、すべての信者が先を争い求め平安を祈ります。求める際は、規律正しく列に並び、スタッフに迷惑をかけてはいけません。
◎結縁品は、媽祖との約束により、無私の心で準備されています。多くの信者が参加しているため、数量が十分ではなかったりするかもしれませんが、その際はお許しください。
◎すべての品は必要としている人たちに優先的に配られます。収集目的で受け取ることで、本当に必要な人たちの手に渡らなくなる可能性が出てきます。
[聖なる品編⑥]
<壓轎金>
壓轎金は墊轎金とも呼ばれ、進香途上において媽祖が停駕した際、神輿を直接地面の上に置くことはできず、木製の長いすの上に置かれ、その際「壽金」を椅子の上に置き、神輿が地面からくる良くない気に直接触れないようにします。この時神輿に敷かれる金紙は媽祖と最も近い場所に置かれる聖なる品です。人々は媽祖の霊力が染み込んでいると信じており、邪気や不運を取り除き、平安をもたらす御宝となっています。
使用方法:
(護身平安)
普段家の中の清浄な場所に置き幸福がやってくるように、車に置くときは交通安全を、身に着けて持ち歩く際は平安を、企業や店舗に置く際は、事業が発展し富がもたらされるよう祈りを込めます。
(改運收驚)
運気が良くないとき、また幼児がひどく驚いたとき、線香三本に火をつけ、大甲媽祖に個人の情報を伝えた後、心の中で願いが届くよう祈ります。陰陽水の中で燃やした後、家の中を掃除し、身体を浄化することで保護し、幸運が来るよう祈ります。
(新居奠基)
家の基礎を作る際、線香を焼き大甲媽祖が御光臨するよう願い、壓轎金を建物の基礎のある場所で燃やします。壓轎金には媽祖のご加護がもたらされているため、信者は住宅の基礎がより一層強固になり、平安が訪れると信じています。
(招財納福)
旧暦の一日と十五日には、多くの人が福徳正神に金運の向上を願います。金紙をお供えする際、大甲媽祖の壓轎金を少量加えることで、大甲媽祖の加護を受け、「錢母」と同じように財運に恵まれることを祈ります。「發財金」と同じように考えられたりもします。
〇十大儀式編
[十大儀式編①]
【筊筶典禮】
元宵節に、占いにより媽祖の意思を確認し、進香日程を決定する儀式。
【豎旗典禮】
進香団を指揮する頭旗を立てかける儀式。これによる進香行事の始まりを告げる。
【祈安典禮】
出発の日の午後3時に行われる儀式。媽祖に進香に関する事柄を報告し、行事が順調に行われることを祈り、媽祖のご加護を求める。
【上轎典禮】
出発の日の午後5時に行わる儀式。媽祖像を神輿へ鎮座させる。
【起駕典禮】
媽祖の神輿が新港奉天宮に向けて出発する儀式。
[十大儀式編②]
【駐駕典禮】
媽祖の神輿が新港に到着し、媽祖像を奉天宮に鎮座させる。鎮瀾宮の役員らが信者を率い読経を行い、媽祖のご加護により新港へ無事到着したことを感謝する。
【祈福典禮】
早朝4時に奉天宮の正殿にて「祈福」の儀式を行い、厄災が消え去ることを媽祖に祈る。
【祝壽典禮】
午前8時に新港奉天宮外の広場に信者らが集まり、媽祖の生誕を祝い読経し、三跪九叩頭の礼を行う。
【回駕典禮】
祝壽典禮の後、夜10時に媽祖像を神輿へ鎮座させる。その後は徒歩にて大甲鎮瀾宮に向け出発する。
【安座典禮】
進香最後の日の夜、9日間の行程を経て鎮瀾宮に戻った後、媽祖像は廟内に鎮座し、人々は媽祖の庇護に感謝する。
〇装備編
[装備編]
〈一日参加〉
1.帽子と日焼け対策用品
2.雨具
3.水筒と食器類
4.携帯電話とモバイルバッテリー
5.夜間用警告灯(夜間に参加する場合)
〈長距離徒歩参加〉
1.着替え(運動用衣類、防風のための薄手の上着、靴下、下着)
2.タオル
3.帽子や日焼け対策用品、雨具
4.夜間用警告灯やライト類
5.運動靴、サンダル
6.常備薬
7.携帯電話、モバイルバッテリー、充電器
8.水筒と食器類
9.寝袋やマット、寝具
〇シャワー編
初日から八日目までの間、シャワー車が配置される場所が紹介されています。
〇医療編
期間中に医療グループが治療を行う地点が紹介されています。
また2および3は、緊急時の連絡先一覧です。
〇防疫編
[防疫編]
1.毎日体温を測り、こまめに手を洗います。また身体の接触を減らし、適度にソーシャルディスタンスを維持します。
2.体温が37.5℃以上ある、もしくは気管支などに症状がある場合は、自宅に戻り休息し、また医療機関の診察を受けてください。
3.防疫のための施策が実施されているため、今年の進香では、ルート上や停駕地での鑽轎脚は行いません。ソーシャルディスタンスを保ち、多くの人たちが集まることを避けるためです。
4.神輿に付き添い歩く参加者は、十分な枚数のマスクや消毒液などの予防グッズを準備する。
5.休憩場所では適度に距離を開け、十分風通しを行ってください。
6.ルート上で参加者が休憩する場所では、廟から派遣される消毒グループが消毒を行います。もし民間が提供するスペースで休憩する場合は、消毒作業を申請することができます。
7.防疫はすべての人の義務であり、互いに注意し合い、力を合わせて進香行事をやり遂げなければなりません。
2枚目には、青年会により体温計測や消毒が行われるポイントが紹介されています。
以上
もし興味がある方は、進香に関する本がいろいろ出版されていますので、ぜひ入手し読んでみてください。たとえ中国語が分からなくても、なんとなく雰囲気で感じ取ることができると思います。
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