徒 歩 進 香[巡 礼]

ハマるぞ台湾!道教文化

[道教儀式]收驚(お祓い)

 

道教における儀式の中で、旅行者の方でも時々耳にする「收驚」について今回はご紹介します。收驚とは道教で言うところのお祓いです。中でも台北の行天宮で行われている收驚は有名ですね。あわせて他の道教儀式「祭改(改運・補運)」、「米卦」についても、紹介してまいります。

 

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[目次]

 

 

收驚について

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台湾の人たちは心に不調がある時、廟へ行き收驚を受けています。またひどく驚いた時には魂が身体から離れてしまうと考えられており、その魂を戻すためにも收驚が行われます。特に小さな子どもに多いようです。さらに何か良くないものに憑りつかれた時も收驚を受けに行きます。私の場合、最後のケースで收驚を受けました。

 

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行天宮で行われている收驚は、一般的なものとは多少異なり、簡易的な形式となっています。そして收驚の主な目的は、不安、ストレス、よく眠れない、悪夢を見た、ぼうっとする、集中できないなど日常的な問題にかかわることが多いようです。

 

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行天宮で收驚を受ける際には、受付の必要はありません。收驚の列に並び、順番がきたら收驚を担当するボランティアの方に氏名を告げます。その後はボランティアの方が線香を手に前後に移動しながらお祓いをしていただけるので、あとは心静かに收驚を受けるだけです。その間は大体2、3分ほどだったと思います。最後にお礼を言って終了です。費用は無料ですが、お気持ちで多少のお金をお供えしてもいいかもしれません。しかし行天宮には賽銭箱が置かれていませんので、事務室の受付で寄付をするという形になります。

 

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写真は彰化県にある玄天上帝を祀る衡文宮です。こちらの廟でも收驚を随時受け付けており、費用は無料です。案内には、驚いた時や心が不安定な時、眠れない時、不意の事故に遭った時などは、收驚により心を落ち着かせ、魂を取り戻す必要があると書かれています。ただ行天宮とは違い、廟の方に直接何かをしてもらうというものではありません。

 

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具体的な收驚の手順は以下の通りです。

金紙、生米一合程度、收驚を受ける人が着ていた服を持参します。(金紙は廟で購入できますが、お米は売っていないため、持参するか、外のお店で購入します) 服は洗濯をした後の清潔なもの、そして襟や袖があるものでなければいけません。しかしジャケットや厚手の上着は不可です。

1.受付にて用紙を受け取り、氏名、生年月日、住所、電話番号等を記入します。

2.お米を赤いお盆の上に移します。もし本人であるならば、掌をお米に押し付けます。(男性は左手、女性は右手) 服は畳み、襟を上にしてお米の上に置き、最後に金紙を服の上にのせ、線香を挿します。

 

※3日後、服を引き取りに行きます。

1.金紙を炉で焼き、服を受け取り、お米と赤いお盆は廟のスタッフが処理するので、そのまま残しておきます。

2.服は受け取った後すぐに着用します。着用後は洗濯してもかまいません。

 

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後日実際にやっていただきましたが、効果のほどは不明です。

 

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比較的小規模な廟の中にも、收驚で有名なところが存在します。写真は彰化県の田舎にある小さな私廟です。それにも関わらず、廟の前には收驚を待つ人で長い列が出来ていました。建物の中にも大勢の人が待っています。收驚を受けたい方は、洋服とお米を持参し訪れてください。

 

初めての收驚体験

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阿里山鉄道からの眺め

初めて收驚を受けるに至った元々の原因は、嘉義県への旅行でした。嘉義市に前泊し、翌日阿里山鉄道に乗って阿里山へ向かいました。しかし阿里山から自宅に帰った後、微熱が出始め、とにかく全身がだるくなり、風邪をひいたかなと風邪薬を飲みましたが全く効果がなく、10日が過ぎても良くなりませんでした。当然仕事中もふらふらです。

 

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※刑務所博物館(嘉義市

咳、鼻水、のどの痛みなどの典型的な風邪の症状が全くなかったことで、もしかして嘉義市刑務所博物館で、何か悪いものを連れてきてしまったのかも!?  と内心おびえ始めました。收驚をしてくれた廟婆からは、阿里山獣の霊に憑かれたのかもしれないとも......

体調がなかなか回復しない私を心配した知り合いが、收驚に連れて行ってくれました。そこは近所の建物の一階にある小さな廟、いわゆる私廟という場所ですね。実際、多くの私廟で收驚を実施しています。公廟でもやっていますが、一般的に何曜日の何時からと決まっているところが多いようです。

知り合いに連れて行かれた私廟ですが、その日はすでに夜になっていたため誰もおらず、翌日出直すことになりました。

 

收驚の流れ 

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翌日、いよいよ私廟で收驚を受けました。その際準備したものは以下の2品です。

・生米1合程度

・普段来ている服(洗った後の清潔なもの)

 

まず神様の前に立ち拝んだ後、名前、生年月日、住所などを伝えました。

廟婆がお米を服に押し付け、なにやらお経のようなものを唱え、私は言われるがままにお辞儀などを繰り返しました。時間的には5分もかからずに終わったでしょうか。その後、その場で購入した紙のお金を外にある廟の炉で燃やします。(確か50元だったと記憶しています)

最後に封筒を渡され、“気持ち”を入れるように言われました。費用は事前に知り合いに聞いていた100元札を入れお渡しして終了です。

 

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帰りに上の写真のお札葉っぱをいただきました。お札を燃やし、その灰を葉っぱとともに水につけ、その水で口を漱ぎ身体を清めます。

 

收驚の後自宅に戻り、教えられた方法で身体を清めたところ、その日の夜にはなんと体調が回復していました。上記の方法で2日間身体を清め、使用後の水は下水やドブに流してはならないため、近くの川まで捨てに行きました。

收驚恐るべしです。

 

 

祭改について

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收驚とともによく見られるものに「祭改(改運・補運)」があります。これは私廟を中心に、大きな廟でも行われています。祭改は良くない気を取り除き、悪くなった運気を改善するために行います。一般に身代りとなる「人の形をした紙」や肉などのお供えものを使用します。集団で行われるケースと、個人で行われるケースがあり、それにより費用も変わってきます。

 

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私は河辺や山、陰廟などに行きまくっていたため、なんとなく調子が悪い状態が続き、運気を向上させたいという目的、さらには興味本位から、近くの私廟に祭改をやってもらえないか聞きに行きました。

まずお参りを済ませると、廟公が線香を私に向け振りながら何やら唱え始めました。どうやら収驚のようです。そして「状態からみて、祭改は必要ない」と言い渡されました。最後にお札と葉っぱを受け取り、気持ちをお賽銭箱に入れようとしたところ、「いらないよ」と声がかかりました。

祭改は肉などお供え物の準備が大変で、またいろいろと複雑な手続きが必要となり、気軽に受けるものではないそうです。

 

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これは以前、員林衡文宮で収驚を受けた際にいただいた案内です。ここでは、悪運を取り払う「祭改」と運気をあげる「補運」に分けられています。それぞれお供えするものが異なります。案内にある「祭改」で準備するお供え物や費用を下記に紹介します。祭改を申し込む際は、事前にポエ占いで神様にお伺いをたて、同意を得ることが必要です。

 

[準備する物]

一、生花

二、季節の果物

三、生の肉や魚三種

四、調理した肉や魚五種

五、普段来ている洗濯後の上着(袖のあるもの)

六、頭髪、手と足の爪(赤い封筒に入れる)

七、祈祷時使用する祈祷文(廟から受け取り自ら書き写す)

八、金紙一式(瓢箪型蝋燭を含む)

費用:金紙代390元

   儀式費用等300元

 

運気を上げる儀式として、祭改のほかにも、東港の「責仗改運」や北港の「銅撞蓋運」、「過火爐」、「吃豬脚麵缐」などがありますので、興味がある方は調べてみてください。

 

 

米卦について

米卦とは、お米を利用した占いです。抱える問題に対する神様からの回答を、道士がお米の形を読み取ることで受け取ります。

 

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よく当たるとして有名な、台湾を代表する廟である大甲鎮瀾宮の米卦を受けてきました。朝6時から受け付けており、1日に受けることができる人数が決まっています。私は大雨の中、朝7時半頃廟に到着しました。

 

【米卦の占い】

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まず最初に廟の地下にある金紙店に行き、米卦を受けに来たことを伝え、金紙とお米を購入します。続いて廟のボランティアの方に教えてもらいながら、米卦の事前準備を行います。

 

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購入した金紙と、お米の上に持参した「洗った後の服」を載せたものを指定されたテーブルに置きます。これはすべて廟の方に手伝っていただきました。まず廟のすべての神様に拝拝した後、線香を三本お米に挿します。そして15分待って、米卦の準備ができたか否か、媽祖にお伺いをたてます。擲茭(ポエ占い)をして、聖杯(yes)が出たら準備OKです。笑杯や哭杯だった場合は、再度5分待って、聖杯が出るまで擲茭を行います。線香は水につけて消し、金紙を所定の場所に移し、お米と服の載ったお盆を持って、慎重に地下へと下ります。

 

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すでに数名が並んでおり、私も椅子に腰かけ順番を待ちます。一人あたりにかなりの時間を割いて結果の説明を行っています。道士の隣には通訳のような方が座り、理解の手助けや米卦の結果を書きとっています。2時間近く待ち、ようやく米卦をしてもらうことができました。

具体的なことは書けませんが、仕事のことや私が昔経験したであろう良くない出来事について話がありました。大体2、30分程度だったと思います。そしてこれで終了かと思っていたところ、さらに続きがありました。

 

【改運・補運の儀式】

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続いて米卦で説明のあった悪運を取り除き、運を向上させるための改運・補運(祭改)の儀式に移りました。これがワンセットで行われているようです。言われるがままに米卦の結果を金紙店の方に渡すと、必要な金紙等の種類や量が表に記入されていきます。廟の方に付き添ってもらいながら、用紙を手にこの量で十分か否か、一つ一つ神様の前で擲茭によりお伺いをたてます。

多くの日本人は、神様にお金(金紙)を渡すことによって問題を解決するという行為には、なかなかなじめないと思います。しかし台湾ではごくごく普通の行為です。ただあまりの金紙の多さに、正直鎮瀾宮でなければ、だまされているのかもと疑ったかもしれません。ほかに米卦を受けた方たちも、同様に大量の金紙を購入していました。

  

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金紙店でお金を支払い、まず一部の金紙を地藏王菩薩にお供えします。そこで指摘のあった問題の解決をお願いした後、15分間待ち、問題解決が終了したか否か擲茭でお伺いをたてます

 

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その後2箱の金紙を媽祖、將軍、虎爺にお供えします。ここでは改運、補運をお願いし、15分後同様に擲茭で確認を行います。聖杯が出たら儀式は終了です。

 

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最後に、米卦の結果説明の紙に記載のあった品を受け取り、自宅で行うことについて説明を受けます。自宅で行うべきことは3つあり、①写真の葉っぱ等をお湯につけて身体を拭く、②聖灰などをとかしたお湯を飲む、③平安符を燃やした後水に溶かし部屋に撒く です。收驚でも似たような行為は経験済みでしたので、帰宅後すぐに行いました。問題は、残った水等を下水やドブに流してはならず、河まで持って行かなければならないことです。

この日かかった費用は、米卦の金紙とお米が100元、その後の改運・補運で使用した金紙が1480元でした。

本日行った神様にお願いして亡くなった身内に金紙を送るという行為は、これまでも何度か行ったことはありましたが、ここ鎮瀾宮で改めて行ったことで、大分心が軽くなったように思います。

 

台湾の知り合いたちは口々に、鎮瀾宮の米卦はすごく当たるとの評判を話していました。 私も半信半疑で受け、さらに指示されるがままに改運・補運まで行いました。これが影響したのかは分かりませんが、その日の夜、予定日より10日ほど早く、「乾兒子」(血縁のない義理の関係を結んだ息子)が無事に生まれました。二人目の可愛い乾兒子の誕生に喜びいっぱいとなりました。身寄りのない私には、彼らが唯一の身内と言ってもいい存在です。

 

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ちなみに白沙屯拱天宮でも改補運(祭改)を行っています。参考までに廟内に掲示されていた案内を紹介しておきます。服以外にも、髪の毛や爪が必要になるようです。廟により準備するものや方法が異なりますので、祭改を受ける際は事前に問い合わせをしましょう。

 

 

感想

正直收驚を受けるまでは、あまりその効果について信じてはいませんでした。しかしおかしな体調不良が收驚後すぐに回復をしたことで、その効果を信じざるを得ません。やはり郷に入れば郷に従えなのだと思います。

もし台湾を旅行中に体調不良になり、薬や病院でもよくならなかった時、もしくはなにかにすごく驚いた時は、收驚を受けに行ってみてもいいかもしれません。

 

 

 

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