徒 歩 進 香[巡 礼]

ハマるぞ台湾!道教文化

徒歩進香レポート

 

ここでは私が実際に参加した中規模徒歩進香の様子を、申込、参加からゴールに至るまで、事細かにレポートさせていただきます。実際の現場の雰囲気をぜひ感じ取ってみてください。また、徒歩進香に参加される際の参考にしていただければ幸いです。 

 

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今回参加したのは、台中市豊原区にある媽祖を祀る豊原鎮清宮の徒歩進香です。

 

[目次]

 

 

概要

【豊原鎮清宮 大甲謁祖徒歩遶境進香活動】

 

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主催廟:豊原鎮清宮

出発地:豊原鎮清宮(台中市豊原区)

目的地:大甲鎮瀾宮(台中市大甲区)

開催時期:2018年9月28日-30日

開催期間:3日間

移動距離:約100km

参加費用:無料

特徴:12年目となる中規模の徒歩進香イベント

 

申込

私は徒歩進香の情報の多くを、FB(フェイスブック上で集めています。台湾ではFBの使用率がかなり高いため、アカウントを持っていない方はぜひ作っておきましょう。検索の際は、「徒步 進香」、「徒步 謁祖」、「徒步  會香」もしくは「徒步 遶境」という単語で検索してみてください。そのほかにもボランティアの医療グループやサポート車のアカウントからも情報を得ています。また進香中に知り合った徒歩進香仲間からの連絡で知ることもあります。

 

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今回はFBでこのような徒歩進香参加者募集の投稿を見つけました。徒歩進香は内々の信者だけで行われるもののほかに、このように外部に参加者を募るケースもあります。募集をかけていない場合でも直接廟に問い合わせればおそらく参加は可能ですが、小規模で身内のみで行われる進香への参加はあまりお勧めしません。

この徒歩進香は年初めには決まっていたようですが、私が知ったのは開催の二週間ほど前でした。

 

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鎮清宮は台中市北部豊原区に位置する歴史のある媽祖の廟であり、毎年“分霊”元である“祖廟”の大甲鎮瀾宮へ歩いて里帰りしています。2つの廟はともに台中市北部に位置しており往復40kmほどの距離ですが、友好関係にある廟に立ち寄るためにぐるっと遠回りをします。そのため、3日間で100km程度の距離となりそうです。

そしていろいろ調べてみると、豊原鎮清宮の徒歩進香は10年以上にわたり開催されており、徒歩参加者も千人近くにのぼる中規模の徒歩進香であることがわかりました。

 

しかし参加するためには解決しなければいけない問題もあります。金土日3日間の開催となると、まずは金曜日の休みを確保しなければいけません。

さらにもう一つの大きな問題がありました。台風24号が台湾に、静かにそして着実に接近していたからです。

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開催期間中は大雨の予報が出されていたため、とりあえず申込は保留し、ぎりぎりまで天気を見極めることにしました。雨の中で歩くと足にマメができやすく、今後の参加に影響が出てしまうからです。そして媽祖のご加護のおかげか、出発の数日前には24号は台湾を逸れるだろうという発表がなされました。(結果日本に直撃してしまったのですが...)

今回は時間もないため、事前に廟へお参りと申込に行くことはあきらめました。幸い電話での申込がOKでしたので、電話の後LINEで申込書の写真を送付しました。

 

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申込書には、氏名、電話番号、パスポート番号、生年月日、住所を記入します。これらの情報は保険に加入する際に必要になるようです。申込番号の返信を受け取って、申込は完了です。

 

今回の進香イベントは、帽子などの進香グッズや食事、保険などの参加費は無料。想像ですが、おそらく費用は信者の方からの寄付や廟で行われる儀式などでの収益が充てられているものと思われます。

大甲媽祖では、陣頭など進香の費用の多くを「頭香」「二香」「三香」などの権利を持った個人や団体が担います。「頭香」の負担は、3千万円ぐらいになるそうです。白沙屯媽祖でも進香イベントのまとめ役となる「爐主」が志願者の中から選ばれ、こちらも1、2千万円の費用を負担するようです。

 

一般的に徒歩での参加費は500~1000元程度ですが、最近は無料の廟も多くなってきています。ただ無料のケースでは、私は同等の額を賽銭箱に入れるようにしています。

また事前に直接申込に行った際は、廟の関係者や信者の方々と交流することをお勧めします。そうすることで知り合いが増え、進香中に声をかけてくれたりとより進香を楽しめるようになるからです。

信者の方というとちょっとかまえてしまいそうですが、大多数は近所に住む老人の方々です。台湾の廟の多くは、老人たちが集まる日本でいうところの集会所のような役割を担っています。

 

 

進香(初日)

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出発当日朝早く廟に着くと、すでに多くの参加者が集まり始めています。

 

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まず最初に媽祖へのご挨拶を済ませます。そして香油箱(賽銭箱)にお賽銭を入れました。

 

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次に受付に向かいます。事前に聞いていた受付番号と名前を伝えます。その場で帽子、タオル、シャツを受け取り、廟の陰で着替えをしました。

 

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参加者のための朝食も用意されています。

 

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出発の儀式が始まり、廟は熱気に包まれ始めました。

 

しかし他の参加者の方の話によると、今年は例年に比べ大きく参加者が減少してしまったそうです。あまり詳しくは書きませんが、廟内で対立があり半分ほどのグループが不参加となったことによります。

見回したところ、今年は歩きの参加者(交代での歩きも含む)が300から400名ほど、往路のみの観光バスでの参加者が1000名ほどでしょうか。私のような個人で参加している人たちは、ざっと3、40人ぐらい。その中には、3日間媽祖の後ろをずっと歩き続けた78歳のおばあさんもいました。

 

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いよいよ出発です。出発してしばらくは、観光バスグループも一緒に歩いたため、路上は進香団で埋め尽くされています。

 

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それから少しの間は、媽祖の後ろを歩きました。やはりこの場所が一番進香団の雰囲気を感じ取れる場所です。

 

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一般的な進香では、神輿が神様を載せて進みます。しかし今年の進香は、残念ながら神輿の姿を見ることができませんでした。その代わりに写真のような背負子で媽祖を背負う形になっています。理由は先に述べた廟内の対立が原因です。しかしそれでも、媽祖と共に歩むことに変わりありません。ただ所々で行われる「鑽轎腳」の様相が多少変わってきます。

また媽祖の近くは、当然歩く人も多くなり混み合います。そこでしばらく歩いたら、敬虔な信者の方々に場所を譲り、私は媽祖を追い越して先頭を進む頭旗の近くを歩くようにしました。ペース配分的にもここが一番楽かもしれません。

 

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頭旗グループまで追いつきました。その後はずっと頭旗の後ろを歩き続けます。ちなみに頭旗グループは、頭旗1名、頭燈2名、三仙旗2名で構成されています。交代制となっており、もう一つのグループは車で移動しています。

 

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この表は進香団に参加するグループの一覧です。

頭旗グループ、龍旗グループ、刺繍旗グループ、音楽車グループ、花車グループと言った陣頭や、医療ボランティアグループ、交通整理グループ、清掃グループ、撮影グループ、サポート車グループなどに分かれています。その大部分は信者やボランティアによって構成されています。

今回は半分のグループが不参加となったため、ほかの廟から応援に来たグループが多くなっていました。廟で行われるいろいろなイベントは、友好関係にある廟同士の助け合いで成り立っている部分も大きいようです。

 

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チェックポイント(立ち寄り先)である廟に到着し、お参りを済ませた後ここで休憩です。昼食や夕食の休憩は1時間弱、それ以外は20分程度の小休憩ですが、時間調整のためにそれが長くなったり短くなったりもします。

 

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立ち寄り先の廟では飲み物や軽食が用意されています。これらはそれぞれの廟が進香団をもてなすために準備をしてくれています。これがチェックポイントごとに行われるため、進香は歩けば歩くほど太ると言われるのは、こうした所以です。

 

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小休憩後また歩き、

 

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廟に到着してお参り、

 

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また食べます。

 

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食べている間に頭旗グループが先に行ってしまいました。交通整理グループの方に進んでいった方向を聞きながら後を追います。

 

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観光バスグループを追い越し、

 

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旗グループを追い抜き、

 

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ドナドナの誘いを振り切り、

 

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頭旗グループに合流し、次の廟に到着。

 

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そしてここで昼食休憩です。

ほんとに食べてばっかりですやん!

 

昼食休憩も終わり、頭旗グループの人たちと話をしながら歩きます。しばらくして「頭燈を持ってみる?」とお誘いをいただきました。

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頭燈を肩に抱えながら、頭旗の後ろを進みます。周りから写真を撮られたりすると、ちょっと申し訳なさを感じたりもしました。

 

何度目かの軽食休憩が終わり大甲の街中に入ると、大甲鎮瀾宮からお迎えの「報馬仔」がやってきました。

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進香団の到着を周りに伝える役目を担う報馬仔の後をついて歩きます。私はこの媽祖廟独特の存在である報馬仔がすごく好きなんです。この役目は神様から選ばれた人しか行うことができません。一風変わった格好やメイクをして、裸足で歩いています。

 

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日が落ち暗くなりはじめた大甲の街、幻想的な雰囲気に包まれる中、報馬仔の後をついて歩いていると、疲れなど忘れ、そのゆったりとした時間の流れに酔いしれていました。

 

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そしていよいよ目的地である大甲鎮瀾宮に到着です。ここは台湾に数多ある廟の中でも指折りの廟になります。媽祖廟で言うと、 大甲鎮瀾宮、北港朝天宮、鹿港天后宮、新港奉天宮、白沙屯拱天宮、西螺福興宮、台北關渡宮、彰化南瑶宮などが有名ですね。

 

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お参りを済ませた後は、進香団の人たちと夕食です。夕食後は廟周辺のお店を見て回った後、近くにある香客大楼(宿坊)に向かいました。

 

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香客大楼の一室の写真です。それぞれの部屋は各グループごとに割り当てられており、ここは個人参加者の部屋になります。ここの宿泊費は清掃費の100元のみだそうです。

シャワーを浴び、シャツとタオルを洗い、足のケアを済ませた後は、同室の人たちと進香談義に花をさかせました。

 

 

進香(二日目)

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二日目は集合時間が早まり、6時に廟に集合です。5時起きで出発の準備をして香客大楼を後にしました。進香中のこうした様々なアナウンスはみな台湾語で行われるため、周りのメンバーに確認をし忘れると置いてけぼりとなりそうです。

 

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廟の地下の部屋では、朝早くから朝食が準備されていました。

 

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大甲鎮瀾宮の媽祖に出発の挨拶をします。

 

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早朝にもかかわらず、みなさん疲れを見せず出発の準備万端のようです。

 

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この世界では非常に有名な大甲鎮瀾宮のお偉いさんも見送りに出てきました。

 

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そして二日目も、歩き始めは媽祖の後を歩きます。

 

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しばらく媽祖と歩いた後は、初日同様頭旗を追いかけます。しかしなかなか姿は見えません。天気はとても良かったのですが、台風の影響もあり風がやや強い一日となりました。

 

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歩き疲れた人を乗せたり、荷物を預かってくれるサポート車です。ドナドナはボランティアのグループですが、こちらは廟側が準備した車になります。

 

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この日から頭旗グループの臨時メンバーとなり、ローテーションに組み込まれました。頭旗グループのメンバーは2交代制で、休憩時は車で移動します。私は荷物を背負いながら全行程を歩き通し、なおかつ旗持ちまでやることは正直ややきつかったのですが、媽祖の計らいだとお受けしました。

 

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私の相棒の進香バッグです。

 

以降の行程は初日と同じになります。

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廟をお参りし、

 

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軽食をいただき、

 

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歩いて歩いて、

 

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昼食休憩です。

 

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なんとビールまで、至れり尽くせりですね。

二日目は目的地到着予定時刻が夜10時半と長丁場となるため、アルコールで気合をいれます。

 

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辺りが暗くなった頃、なんと頭旗を持つ役目を担わせてもらいました。進香団の先頭を歩くというのは、気分がいいものですよ。

 

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ようやく二日目の目的地に到着です。最後の方が足の裏が痛みかなりきつい歩きとなりましたが、頭旗グループや医療ボランティアグループの人たちと話しながら歩き続けたことで、楽しい時間を共有できました。ただ一つ、途中で行われた盛大な花火を撮影するのを忘れてしまいました。

 

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本日の廟には香客大楼がないため、個人参加者たちは廟の中で場所を探して寝ることになります。グループでの参加者たちは近くの学校で就寝となったようです。

寝る前に洗面所で身体を拭き、洗濯をして、足のケアを行いました。この寝場所はほかの徒歩参加者のおばちゃんたちが、親切に探してくれました。一部の廟には進香団のために、写真のような段ボールやシートが用意されています。今夜は神様の足元で就寝です。

 

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今回は期間も短いので、写真左のアルミマットは持参しておらず、右のアルミシートとシーツで就寝です。

 

 

進香(最終日)

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最終日は朝7時に出発予定でしたが、4時には目を覚まし準備を始めました。目を覚ましたというよりは、4時に鳴った鐘の音に起こされたと言った方が正しいかもしれません。

 

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本日も早朝から朝食の準備をありがとうございます。

 

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最終日の歩きがスタートしました。本日は豊原の街中を練り歩きます。距離的にもそれほど長くないため、気持ちも多少楽ですね。

 

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最終日は廟だけではなく、店舗や事務所、レストランなどにも立ち寄りました。

 

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最終日も交代で旗を持ち、歩きました。信号などで停止中は、旗を地面につけてはいけないため、靴の上に旗を置きます。

 

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医療ボランティアグループの方々も進香団に付き添って歩いています。

 

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警察や交通整理グループのメンバーの方は、進香団を先回りをして安全確保に務めていただけました。

 

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環境に配慮した、大音量で爆竹の音を鳴らす機械です。

 

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旗グループのご老人たち。二交代制とは言え、歩き続けることは決して容易ではないはずです。

 

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管楽器グループのおばちゃんたち。コメントは差し控えます。

 

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本日は途中で献花の儀式が行われました。

 

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この儀式の最後にはお菓子の奪い合いが行われ、一部の人たちが血相を変えてお菓子を袋に詰め込み、多くの人たちはそれを呆れ顔で見つめていたのが印象的でした。もちろん私も参加しましたけど 笑

 

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徒歩進香では、このような「結縁品」と呼ばれるものをいただく機会も多いですよ。

 

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空が漆黒に染まるころ、2日前に出発した懐かしい場所へいよいよ戻ってきました。ゴールの廟に近づくと、盛大に花火が打ち上げられます。廟では多くの人たちが進香団の帰りを待っています。

 

そして感動の徒歩進香ゴールです!f:id:balbaltan:20181002235538j:plain

こうして3日間の進香を終え帰途につきました。進香3日間のトータル歩数は156,081歩、距離に換算すると110km弱です。

 

 

最後に

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頭旗グループのみなさんと

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徒歩進香仲間のみなさんと

 

このたびの徒歩進香では、頭旗グループや個人参加の方々など、いろいろな人たちと知り合い、また連絡先を交換しました。そして次の徒歩進香で会う約束を交わしました。

今回は中規模の進香イベントでしたので、実際皆さんが参加されるであろう大甲媽祖や白沙屯媽祖のような大規模な進香となると状況は大きく変わってきます。参加者の人数はもちろん、爆竹や花火がけた違いに増え、沿道ではボランティアの方々が食べ物や飲み物を準備し、我々の到着を待っていてくれます。また「鑽轎腳」を待つ長い長い行列ができるので、必然的に進行は予定よりも大幅に遅れることになります。

徒歩進香は、媽祖の誕生日前後となる3~4月に集中しますが、次に多いのが9~10月です。冬は年越しで忙しく、夏は暑いからなのかもしれません。

 

徒歩進香も終わり自宅の部屋に戻った後は、痛む足のケアしながら、また次の徒歩進香の道へと思いを馳せるのです。

 

 

 

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徒 歩 進 香[巡 礼]

 

 

徒歩進香の持ち物リスト

 

[徒歩進香の持ち物リスト]

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・履きならした運動靴 サンダル派も根強いです

・靴下 裏返しの2枚重ね履きがいいですね。個人的に5本指靴下はおすすめしません

・着替え 歩く日数に合わせて

・タオル 暑い日は途中で水に濡らしてもいいですね

・帽子 廟から支給されたもの、もしくは廟内外で売っている帽子がいいでしょう

上着 薄手でかまいません。肌寒い時に羽織りましょう

・ズボン 私は七分丈を履いていますが、爆竹対策で長ズボンの方が多いようです

・ナップザック 日数が短ければ、小さめのもので十分

・絆創膏 マメができることを前提で準備しましょう

・湿布や消炎塗り薬 スプレータイプが便利

・テーピング 湿布を固定するように医療用紙テープも役立ちます

・ワセリン 内またや足の指などすれそうなところに塗りたくりましょう

・小さな靴べら これが大活躍してくれました。ちょっとした休憩の際こまめに靴を脱ぎ、蒸れを防ぐのが大切なのですが、靴ひもをその度にほどくのが大変です。小さな靴べらがあるだけで、重宝します

・水 最初の1本は持っていた方が安心

・非常食 軽くてカロリーの高いもの

・自転車用点滅ライト 夜間の安全のため、カバンにつけましょう

・カッパと靴カバー 雨が確実なら、しっかりしたものを準備しましょう。小雨程度なら簡易式のレインコートでもいけますが、天気予報で雨が確実な場合は、雨対策は歩き続ける上でかなり重要になります

スマホ 神輿の位置把握にはスマホが便利です

・モバイルバッテリー 結局これと水が重い!

 

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<必要に応じて>

・進香旗、紅布條などの進香グッズ   せっかく歩くのならば、ぜひ欲しいところです

・銀マット  かさばりますが野宿予定ならあった方が捗ります。ピクニック用の薄手のアルミシートでもなんとかなります

寝袋 寝袋の中に入ると暑いため、身体に掛けて寝ている方も多いです

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・簡易寝袋 薄手の簡易寝袋というものが売られています。本来シーツを交換していないようなホテルのベッドなどで使用するものですが、暖かい時期にはこれで十分です

テント これがあると野宿も楽なのですが、あとは重さとの判断になります。テント型のワンタッチ蚊帳もありです

蚊取り線香 野宿の大敵は雨と蚊です。寝袋に入っていても、顔を刺されることもよくあるので、安眠のためには顔を守る方法が大切です。タオルはそれほど役立ちません。顔防御ネットでもいいかも

・耳栓 大部屋での就寝には必要になるかもしれません

・サンダル 野宿場所や休憩時にいちいちスポーツシューズを履いたり脱いだりするのは大変です。またシャワーの際にもサンダルは必要になります。雨対策用にも軽めのサンダルを入れおいて損はありません

・使い捨てカイロ 寒暖の差が激しい季節でもあるので、寒くなりそうな時に

・手押し車 背負うより多くのものを持ち運べ、足への負担を軽減出来るため、根強い人気があります。特に全行程を歩き通す予定の人はバックバッグより、手押し車を選択する人が多くなっています。ただ人が集中しやすい白沙屯媽祖では、暗黙の了解として、手押し車はあまり使われません。また途中で壊れるリスクもあります

・ストック たまに見かけます。坂道はあまりないので、疲れた時にバランスを保つ助けとなります

・懐中電灯 小さく軽いものでもあると安心です。特に西螺から新港の間は真っ暗で街灯のない場所も多いため、グループについて歩くか、懐中電灯を持参した方がいいでしょう。ヘッドライトがあると便利です

・持病の薬 持病がある方

海外旅行保険 入っておいた方が安心ですね。証書のコピーを財布に入れておきましょう。クレカ付帯の保険でも

・パスポートのコピー パスポート自体を持って歩くことは紛失のリスクが高く、お勧めしません。そこでパスポートのコピーを財布に入れ、その裏側に緊急連絡先や宿泊先、血液型、持病などの必要事項を(出来れば中国語で)記入しておくと、道中前のめりの倒れたとしても、周囲の負担が軽減されます

 

 

 

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日程および申込

 

 

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大甲媽祖遶境進香活動

    4月8日 〜 4月16日(4/7夜出発)

 

  鎮瀾宮出発:4月 7日(日)22時

  新港 到着:4月10日(水)

  鎮瀾宮戻り:4月16日(火) 

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2019年、まさかの白沙屯媽祖と日程が丸かぶりとなりました。徒歩進香を代表する2大イベントを両方とも参加する予定だった人たちからは、悲鳴に近い声が上がっています。

 

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昨年と比べて、立ち寄り先に多少変更があります。

 

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各種メディアでも、「二大女王の日程が重なり、信者たちは頭を抱える」「100年に一度の重なり」と報道されています。さらには、参加を予定していた徒歩進香仲間の間では根強い人気を誇る龍結福德宮とも日程がかぶっています。

しかも連休明けにまた休むというのもかなり困難になるでしょう。4月5日出発という予想が多かった中、清明節のお墓参りを優先させるために日程が外されたと報道されていました。おそらくさらには交通の混乱を避けるためという意味合いが大きいと思われます。しかしなぜ23時出発ではなく、22時なのでしょうか。これについてはまだよくわかっていません。

 

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二大徒歩進香の完歩を目指す人にとっては、これで可能性が潰えることになりました。しかし2つとも参加してみたい旅行者の方にとっては、逆に朗報かもしれません。日程が被ることで、1回の来台で2つのイベントに参加できることになり、それぞれの進香団で歩くことができます。恐らく4月14日(日)、大甲媽祖と白沙屯媽祖が共に彰化県員林市を通過、彰化市で駐駕する可能性が高くなっています。おそらく大大大混乱でしょう。

熟慮した結果、私は前半を大甲媽祖、後半を白沙屯媽祖でいこうと計画しています。いろいろな意味で最期の参加となりそうなので、身体が持つ限り歩き続けたいと思います。

 

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実は今年、彰化県郊外の路上で歩きの参加者の方に、少しですがSOYJOYを配ろうと計画していました。これまでいろいろいただいたものに対する御返しの気持ちです。往路歩き、復路SOYJOYです。

しかし、SOYJOYの購入先まで目処をつけていたのですが、日程が重なったことで、この計画もダメになってしまいました。

 

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日程が決まると、参加者たちは鎮瀾宮をお参りに訪れ、媽祖に参加の可否を尋ねたり、参加の報告を行います。申込は不要ですが、このお参りが実質の申込になります。

 

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廟では2019年版の帽子とTシャツが売られています。それぞれ300元と230元です。出発の日が近づくと売り切れてしまいますので、欲しい方はお早めに。ネットでも購入可能です。帽子は二種類、Tシャツは四色販売されています。

 

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進香旗を持っている方は、廟内にある進香旗カウンターに持参すると、お札の付け替えや管理の方法をアドバイスいただけます。古いお札は外した後、金紙と共に金炉で焼きました。旗に改めて御朱印を押し、新しい平安符を結び、天公炉、主炉の順で過炉(炉の上で時計回りに3回回す)します。出発の日程が近づくと、かなり混みあってきますので、早めにお参りに訪れた方がいいでしょう。

初めて進香旗を持つ人は、廟の入口横にあるお店で購入して下さい。お札を結び付けたり、旗への必要事項の記入などもお手伝いいただけます。ただ進香旗を持つには、最低3年間は参加する覚悟が必要になるそうです。

 

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個人的になぜかとても好きな紅綵も50元で売られています。進香参加報告のお参りの際には、所有しているお守りなどの進香グッズや新たに購入したものを忘れずに過炉して下さい。

  

[歩きの計画]

今年は彰化市で「搶轎」を見学しようと計画していましたが、地元の人から、あれはヤラセだよと教えられました。その方の話を聞いて、少し興ざめしてしまいました。

 

-1日目(4/7)

お昼には大甲入りし、媽祖に到着と出発準備OKの報告をした後、近くの小学校か市場で場所を探し、仮眠をとる予定です。夜は鎮瀾宮で出発の雰囲気を味わい、神輿と一緒に出発をします。

 

1日目(4/8)

出発後は神輿から先行して歩き、清水、沙鹿辺りで休憩、その後彰化市まで歩きまた休憩します。本当は彰化で神輿の到着を待ちたいところですが、昨年の経験から、彰化市では寝場所の確保が困難になるため、さらに先行し、夕方ごろ員林市で寝場所を探す予定です。ただ公園や施設、廟などはあるのですが、問題は携帯の充電ができるか否かになります。 

 

2日目(4/9)

予定では神輿は早朝4時過ぎに員林市を通過することになっています。そこで神輿が通過する前の深夜には出発し、西螺を目指します。途中北斗で休憩し、西螺でも休憩をとります。往路の難所は、西螺を過ぎた後の雲林県です。とにかく街灯がなく暗い夜道は危険で、道に迷いやすくなります。そこで西螺から土庫の間をまだ明るいうちに歩き抜ける計画です。土庫には遅くとも19時ぐらいには到着したいと思っています。この日は土庫で寝場所を探す予定です。

 

3日目(4/10)

2日目に土庫まで入ることが出来れば、3日目は比較的楽になります。空が明るくなった頃に出発し、新港鄉に入った後は、場所を見つけて神輿の到着を待ち、神輿と共に新港奉天宮入りしたいと考えています。

 

 

 

白沙屯拱天宮天上聖母北港進香

     4月8日 〜 17日

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    拱天宮出発:4月 8日(月)午前1時20分

    北港 到着:4月11日(木)

    拱天宮戻り:4月17日(水)午後2時25分

 

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〇申込案内

 参加申込受付開始 :  2月27日(~4月7日迄)

 申込受付     : 拱天宮内受付

 参加申込費用   :   700元

 観光バス申込費用 :  1800元(+700元)

※2018とありますが、2019の情報が掲載されています 

 

〇 2019年白沙屯媽祖進香GPS追跡サイト

 

〇申込方法

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今年はベストになります。 去年は上着の数量が足りずに騒がれていましたが、今年は50,000人以上の申込を見込んでいるようです。

 

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参加申込初日は、きれいな青空が広がっています。

 

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早い人は3日前から並んでいます。初日に申し込んでも、後日申し込んでも変わりはないのですが、北港の宿泊先を確保するためには初日から並ぶ必要があるようです。中には腕章の番号が小さいものが欲しいという人もいます。(私です 笑)

申込初日当日は、

媽祖に参加の報告 ⇒ 廟の裏にある香客大楼外の列に並ぶ ⇒ 香客大楼の中に入り番号札の順番を待つ ⇒ 記入内容のチェック ⇒ 番号札を受け取る ⇒ 番号が呼ばれたら事務所前の列に並ぶ ⇒ 事務所で費用を支払う ⇒ 別の部屋で引換券を渡して帽子などを受け取る

という流れになります。

 

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通常時は、事務所で申込書をもらい、記入後支払いをして、引換券を受領します。その後別室で引換券を渡して、帽子やベストを受け取ります。混んでなければ、5分もあれば終わる手続きです。

 

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初日は、一人が数十人という団体を申し込むケースが多く、宿泊先の受付にも時間がかかるため、列は全く動きません。宿泊の要望がない方は、申込受付開始2日目以降に行かれることをおすすめします。

参加人数があまりにも増えてきたことにより、今後ネット申し込みや、団体・個人受付の分離などの方策も検討されているようです。

 

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私は8時間並びましたが、結局申し込みが出来ず、後日知り合いが代わりに行ってくれました。申込受付2日目以降は二二八の連休に入りましたが、待ち時間はそれほど長くなく申し込みが出来たようです。

また申込期間の後半になると、やはりベストの数量不足が叫ばれていましたので、出来れば早めに申し込みを済ませた方がいいと思います。

 

[歩きの計画]

大甲媽祖進香が新港に到着した後、隣町北港に予約した格安ゲストハウスで一泊します。ゲストハウスへ前もって白沙屯媽祖進香で使用する進香グッズや結縁品、着替え一式を送っておき、それと入れ替えに、大甲媽祖進香で使用した進香グッズや洗濯物などを自宅に送り返します。

 

一日目(4/11)

午前に北辰派出所へ白沙屯媽祖を迎えに行きます。その後神輿と共に北港朝天宮まで歩いた後、近くで寝場所を探します。当然ですが、これがかなり困難になると予想されます。

 

二日目(4/12) ~ 七日目(4/17)

あとは媽祖と共に歩き、白沙屯まで神輿についていくだけです。そして神輿が駐駕した近くで寝場所を探します。

 二日目

 朝5時に朝天宮を出発します。

 虎尾で駐駕(予想)

 三日目

 田中で駐駕(予想)

 四日目

 大肚で駐駕(予想)

 この日に彰化県のどこかで大甲媽祖とすれ違うと予想しています。

 五日目

 大甲で駐駕(予想)

 六日目

 通宵慈后宮で駐駕

 ここまでくれば白沙屯はすぐ目の前です。

 七日目

 午後白沙屯拱天宮に到着

 これで終了となります。

 

 

チケット争奪戦

3月20日深夜0時に毎年恒例の指定席争奪戦が繰り広げられました。今年は大甲媽祖、白沙屯媽祖の日程が被ったため、さらに難易度が上がることが予想され、複数のライングループでは、数日前からチケット予約攻略の情報交換がなされていました。私も仕事が終わった後、仮眠をとり、目覚ましをかけて参戦準備を整えました。そしてなんとか4月7日昼ごろの莒光をゲットすることが出来ました。当日は午後に大甲入りし、お参り後に場所を探して仮眠をとる予定です。

 

 

当日に向けて

仕事の調整、日程の確保は出来たので、あとは身体がもつか否かの勝負です。身寄りのない私は、途中で倒れても特に後悔はありません。実際私だけではなく、癌患者の方も、義足の方も、かなりのご高齢の方も、みな媽祖に付き添い歩いています。ただ現地の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けて歩き続けたいと思います。

 

 

大甲媽祖進香 V.S. 白沙屯媽祖進香

日程がかぶったことで、信者たちはどちらを選ぶのか、選択をせまられることになりました。

 

最高の盛り上がりをみせる商業化まっしぐらの「大甲媽祖」

           V.S.

シンプルながら伝統を守り続ける「白沙屯媽祖」

 

このような構図になります。参加者のみなさん、いろいろな想いを持って参加を決めていると思います。周りを見回したところ、熱心な媽祖の信者の方は大甲媽祖の商業化を嫌い、白沙屯媽祖を選んでいるようです。敬虔な信仰心というよりも、にぎやかなイベントに参加したいという方は大甲媽祖を選ぶ傾向にあります。実際白沙屯拱天宮を悪く言う人はあまり見かけませんが、大甲鎮瀾宮を嫌う人の話は時々耳にします。理由は私もなんとなくわかります。

私の場合、信仰心というよりも、大勢の人たちと歩く、道中での人情味を味わうことがメインになるので、大甲媽祖進香を優先させることにしました。ルートが決まっている分、大甲媽祖の方が地域の人たちとのふれあいの機会は、必然的に多くなります。ただ陣頭や神輿といった隊列自体は、伝統を守るシンプルな白沙屯媽祖の方が心地よく好きなので、正直かなり迷いました。神輿に付き添い歩いている時も、やはり白沙屯媽祖の方がしっくりきます。

 

 

【追記】

2020年日程(予想)

・大甲媽祖進香  3月27日23時起駕 予想(2020年2月8日決定)

・白沙屯媽祖進香   予測不可能(2020年1月9日決定)

 

 

 

[Top page] 

徒 歩 進 香[巡 礼]

 

  

その他徒歩進香

 

「三月迎媽祖」時期に行われる中規模徒歩進香を中心に、いくつかご紹介してまいります。

 

 

[目次]

 

 

彰化南瑤宮笨港進香

二百年を越す最古の歴史をほこる南瑤宮笨港進香。三年に一度行われる「潦溪」と呼ばれる河を渡るルートが見せ場の一つです。

 

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※地図上のルートは最短距離が表示されています。

 

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概要

 

【彰化南瑤宮笨港進香】

 

主催廟:彰化南瑤宮

出発点:彰化南瑤宮(彰化市

目的地:新港奉天宮(嘉義県新港鄉)

開催時期:毎年2月から3月頃

開催期間:7日潦溪がある年のみ8日間)

移動距離:約280km

参加費:500元(帽子、タオル、巾着袋、お札、旗などがもらえます)

※申込をしなくとも参加は問題ないと思いますが、他の進香団の人たちとおそろいの帽子やタオルはきっと欲しくなるでしょう。

※※2019年は参加申し込みがなくなり、直接帽子や進香旗を購入する形となりました。

参加人数:4万人以上(報道)※実際は数千人規模です。

特徴:歴史が最も古い徒歩進香イベント。200年の歴史を有し、日本統治時代には10万人以上が参加したと言われる由緒ある徒歩進香イベント。3年に1回行われる潦溪有名。(次回は2021年)

住所:彰化市南瑤里南瑤路四十三號

アクセス:彰化駅下車徒歩23分

参考HP:

彰化南瑤宮

彰化南瑶宮-台湾宗教文化地図-臺灣宗教百景

 

雰囲気は?

まずはこちらの動画をご覧ください。

 

こちらは台湾人と結婚をされたアメリカ人“小貝"さんの動画です。進香を通しての盛り上がりが、非常に分かりやすく紹介されていますね。この方は台湾文化に関するいろいろな動画をアップしていますので、ご存知の方も多いかもしれません。

南瑤宮笨港進香のほかにも、大甲媽祖進香や北港媽祖遶境などに参加した際の動画もありますので、興味がある方はぜひ探してみてください。 

 

南瑤宮媽祖について 

台湾中部の彰化市に位置する彰化南瑤宮、この廟が主催している進香の目的地は新港奉天宮になりますが、決して新港奉天宮から分霊され建立された訳ではありません。

十八世紀半ば頃、ある工員が当時笨港にあった笨港天后宮のお線香の火を携え、彰化まで働きに出てきました。家の中におかれたその火がのちに神々しい光を放つようになり、その場所に媽祖の像が祀られ、廟が建立されました。それが現在の南瑤宮です。そしてその歴史を忘れぬよう、200年前に徒歩進香が始まりました。しかしその頃には、笨港天后宮は洪水で流されなくなっており、三体の媽祖像は三か所の廟に分散し祀られていました。そこでそのうちの一か所である新港奉天宮に進香団は向かうようになりました。(現存する笨港天后宮は、近年建立されたものです)

 

しかしさまざまな事情から、途中50年間徒歩進香は行われず、信者たちはバスなどを利用して進香を行っていました。その間、大甲媽祖進香や白沙屯媽祖進香などほかの進香イベントがどんどん人気を博していくことになります。そして2014年、かつての栄光を取り戻すべく、南瑤宮の徒歩進香が再び復活することとなったのです。 

 

9つある廟の媽祖会が3つのグループに分かれ、「大媽四」、「二媽五」、「三媽六」といったように持ち回りで進香が実施されます。2018年は「三媽六」の年でした。北港媽祖遶境の紹介内でも触れましたが、媽祖は6柱存在します。

地元の彰化には「大媽四愛吃雞、二媽五愛冤家、三媽六愛潦溪」という言い伝えがあり、意味は「大媽と四媽の進香祭典時には、信者は肉類の供え物を特に豊富に準備し、二媽と五媽の進香の際は、進香中にもめ事が起こりやすく、三媽と六媽の年には、河を歩いて渡らなければならない」というものです。

 

日程 

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※2018年の日程表です

 

目的地である新港奉天の手前にある笨港天后宮にて、媽祖の衣装交換の儀式「換龍袍」が執り行われます。また雲林県彰化県の境を流れる大河 濁水溪を歩いて渡る「潦溪」が行われるのは6日目となります。(潦溪は三年に一回)

 

目的地 

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南瑤宮笨港進香の目的地は、嘉義県北部に位置する媽祖廟として有名な新港奉天です。こちらの廟は、大甲媽祖進香の目的地でもありますね。ただ上の方で説明しましたように、南瑤宮の媽祖は奉天宮から分霊された訳ではありません。ちなみに大甲鎮瀾宮の媽祖も奉天宮から分霊されておらず、さらに言えば、白沙屯拱天宮も北港朝天宮から分霊されてはいません。進香の目的地のほとんどは分霊元の廟になるのですが、中にはそうではないというケースも存在しています。古く歴史ある廟になると中国から分霊されているところが多くなりますが、昔は中国まで渡ることは決して容易ではなく、その代わりとして台湾国内にあるほかの廟へ進香に行くことになったという歴史があるようです。中でも南瑤宮の場合はかなり特殊なケースであり、鎮瀾宮についてはいろいろな説があるため、説明するには少々複雑かもしれません。

 

2019年日程および概要

  3月24日 〜 30日

 

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徒歩進香自体の歴史はあっても、再開後数年しか経っていないため、まだまだ試行錯誤中の感じがします。申し込みは必須ではないと思いますが、申し込みをして周りと同じ帽子をかぶって参加した方が気持ちよく歩けるでしょう。

聞くところによると、進香参加者のほとんどは、今年神輿を出す3グループのいずれかに所属することになります。所属することで、お揃いの帽子やシャツがもらえ、荷物を運んでもらうことができ、宿泊、移動の保証を手にすることができます。しかし当然、なにかしらの役目を負わなければならず、常に自由に歩くというわけにはいかず、参加の日数も1日2日という訳にはいかないようです。

つまり個人で参加する隨香客はそれほど多くはなく、またその宿泊や交通については、当然ですが廟側のサポートは一切ありません。宿泊は駐駕する廟もしくはその近くで探すことになりますが、その場所が見つかるかどうかが今回の鍵となりそうです。また、途中老媽と四媽の2つのルートに神輿が分かれるため、どちらのルートを選ぶかについても判断が必要になってきます。

 

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今年は特に一般参加の申込などはないようです。その代わりに南瑤宮を訪れ、媽祖に参加報告のお参りをし、進香旗や帽子、タオルを購入しました。これで進香団の仲間入りです。ちなみに帽子100元、進香旗300元です。

 

徒歩進香レポート

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仕事を調整して、往路2日、復路1日の計3日間参加してまいりましたので、その行程をレポートします。今回の参加は、大甲、白沙屯に向けての事前トレーニングの意味合いもあります。

当日の天気予報は曇り時々雨、降水確率30%、最高気温26度。これに合わせて準備を行いました。それが大きく裏切られることになります。朝方は雨が降っていませんでしたが、廟に着く頃には雨が降り始めていました。

まずは媽祖に共に歩く旨の挨拶をします。そこでまず驚いたのは、人がとても少ないこと。廟内もそれほど混雑はなく、お参りもスイスイと出来ました。廟の外廊でカッパを着こんで出発を待ちましたが、失敗したことに簡易なものしか持ってきていません。

 

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出発の儀式が終わり、8時を周りいよいよ出発です。廟周りには人がだんだんと集まって来てはいましたが、それでも想像よりもかなり少ない感じがします。

今年は、神輿は老大媽、老四媽、聖四媽の3基が出陣します。最後の聖四媽について出発しました。ざっと全体を見た感じですが、私のような廟のグループに所属せず、個人で参加している歩きの隨香客は100~200人程度でしょうか。徒歩参加者数千人規模を想像していただけに、かなり拍子抜けです。日本統治時代には10万人以上が参加したと言われる徒歩進香なのですが、残念な限りです。

 

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雨が本降りとなってきました。しかも本日の最高気温は20度と、予報はいつの間にかに変更となり、寒さも追加されました。雨の中の歩きはモチベーション維持することが大変です。ただただもくもくと歩き続けます。しかし夜の雨の中の歩きよりは大分ましです。なぜなら水溜りをよけることができるからです。

 

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昼食会場に到着です。ちょっとうれしかったのは、今回のイベントではほかの進香より、少し肉が多めでした。ただ流水席はメニューが大体どこも同じですので、続くと正直飽きてきます。

 

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それほど多くはありませんでしたが、ところどころで写真のように、信者の方々が食べ物や飲み物を提供してくれました。ありがたい限りです。

 

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今回の進香では、途中神輿が2ルートに分かれ、しばらくしてまた合流します。神輿が分かれる分岐点では、このような看板が設置されています。

 

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先日もほかの進香団で来たばかりの溪湖福安宮に到着です。お参りをして、先を進みます。降ったりやんだりの天気で、気持ちが沈んでいたのですが、途中廟のグループに参加している進香仲間に会い、元気が出てきました。

 

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19時を回り、神輿より先に本日の目的地に到着しました。後半は途中で知り合った3人グループの人たちと一緒に歩きました。私はコンビニに立ち寄り多少遅れて到着したのですが、3人の姿はどこを探しても見つかりません。翌日も探したのですがやはりいませんでした。7日間の参加と言っていたのですが、どこに行ってしまったのでしょうか...

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本日は廟の2階で就寝です。陣頭グループは、みな車で彰化市まで一旦帰ったようです。ここはシャワーがないため身体を拭いて足をケアして寝る準備をします。この場所では20人ほどが寝たのですが、自転車やバイク参加者が5、6人、残りは徒歩参加者といった感じでしょうか。驚いたことに、寝袋もアルミマットも持たずに参加している人も数人いました。当然ながら、夜はかなり寒かったと思います。また四方八方からいびきが鳴り響き、深夜何度も起こされました。新たに耳栓が持ち物リストに追加されることになりました。

 

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二日目は朝7時に出発です。平日のため、さらに人が減りました。観光バスグループもいなくなり、陣頭もかなり減ったような感じがします。歩きの隨香客はわずか30人程度でしょうか。なんだかとても寂しく感じられました。今日も雨が降ったりやんだりの中の歩きとなり、午後になるとようやく青空が見えはじめました。

 

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立ち寄り先の廟でお参りをした後は、このように進香旗に御朱印を押し、平安符をしばりつけます。赤の朱肉なので、朱印を押してもほとんど見えません。

 

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濁水溪にかかる西螺大橋です。日本統治時代から建設が始まり、戦後完成した橋になります。ここを越えると、彰化県から雲林県に入ります。歩道がない上に約2kmと長く、夜に渡ることを考えると結構怖いですね。大甲媽祖でもここを通ります。 

雲林県に入り驚いたことは、擺香案をしている住人の方が一気に減ったことです。かつては四大廟の一つに数えられ、かなり広範囲に信者を抱えていた南瑤宮ですが、その管轄範囲は大分狭まってしまっているようです。

 

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西螺福興宮で昼食の後は、ひとり先行し先を急ぎます。神輿を待っていると、今日中に帰れなくなってしまうからです。途中雨宿りを何回か繰り返し、歩き続けました。

 

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夕方頃本日の目的地である虎尾天后宮に到着です。途中寄り道して、先日進香に参加した虎尾福安宮にもお参りに立ち寄りました。進香団は20時ごろの到着になるので、それを待たずにここで下馬の挨拶をして、帰路につきました。

 

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復路は六日目に参加です。道中では、主に往路で知り合った人たちと雑談をしながら歩きました。幸い雨に降られることはなかったものの、立ち寄り先での休憩が多く、予定よりも大きく遅れての行程となり、逆に疲れたように思います。

 

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途中迎えに来た友好廟と、「割符」によりお互いを確認する儀式が行われました。これは昔、友好廟の振りをして香擔の灰を奪いにくる人たちがいたため行われていました夕食後は一人先行し、もくもくと夜道を歩き続け、本日の目的地である員林福寧宮にゴールしました。

三日間の合計歩行距離は約110km。往路で雨に降られなければ、もっと楽に歩けたと思います。

 

参加した感想としては、期待が大きかった分だけ、その規模を含めて、いろいろな点で拍子抜けしたイベントとなってしまいました。ほとんどの陣頭が車に乗り先に移動して待っている進香団は、個人的にあまり好みではありません。陣頭は交代制でも一緒に歩き続けることが、進香の団結感を増してくれると思います。

残念ですが、かつての規模を復活させ、大々的に宣伝を行い信者獲得に成功した大甲媽祖進香との差を詰めるのは、恐らく困難でしょう。官制のイベントとなったため、それを望んではいないようにも思います。

 

 

高雄朝后宮徒步進香謁祖活動

  (期間:7日間、目的地:北港朝天宮)

     2019年 5月5日 〜 11日 

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南部ではおそらく最大級の徒歩進香イベントです。ただ一般の参加者、つまり隨香客はそれほど多くはなく、200人程度となるようです。参加を検討していますが、多くの徒歩参加者は観光バスに乗り、また大きく遅れると車に乗せられるるため、短めの日程で参加となるかもしれません。

申込はFB上で可能です。参加費は3日以内1,500元、4日以上3,000元となり、進香イベントの中ではかなり高額の部類です。参加者は観光バスの席が割り当てられ、そこに座ったり、荷物を置くことができます。ただ徒歩参加者にとっては、全くメリットはありません。これにより、残念ながら不参加を決定しました。

 

 

雲林虎尾福安宮天上聖母謁祖進香

  (期間:8日間、目的地:鹿港天后宮)

     2019年 3月10日 ~ 17日 

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雲林県から彰化県に向かう徒歩進香イベントです。日数に対し距離もそれほど長くはなく、自由な雰囲気のイベントです。6日目には河を渡る「潦溪」がありますただ毎年ルートや日数に変化があるようです。

 

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今回は仕事の関係で、中間2日間のみの参加となりました。参加費がないため、「点心費」名目の寄付を行います。私の場合、1日200元、3日500元、5日以上だと800から1000元を目安にしています。もてなしが手厚かった場合や支給されたものが多い場合は、終了後さらに追加で香油箱にお賽銭を入れます。

もちろん参加費が無料の場合は、寄付をせず、感謝の気持ちだけでも大丈夫です。進香にかかる費用の多くは、信者の方々の寄付や廟の収入により賄われています。

糖廠媽の愛称を持つ媽祖の神輿のペースはゆっくり目で、荷物を預けるトラックがあり、また途中の休憩時間も長く、難易度はそれほど高くありません。

 

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初日の夜は、駐駕した溪湖福安宮の2階の片隅で就寝となりました。しかし21時過ぎに到着し、深夜2時出発です。しかも蚊が飛び回っており、結局1時間半程度しか眠れませんでした。次回からは顔を蚊から守る対策をしようと思います。

 

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二日目は雲林県に向けて、徒歩18時間の長丁場となります。進香団の先頭を歩く報馬仔の後ろを続きます。

 

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夕方からは今回の進香のメインと言ってもいい、濁水溪の大河を渡る「潦溪」です。神輿に付き添う私の姿も見えます。しかし河の水は膝ぐらいまでしかなく、期待していたほどスリリングなものではありませんでした。ただ水の流れは思っていたよりも速く、川底のぬかるみに足を取られると抜けなくなりやや危険です。

 

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河を渡り終え雲林県に入ると、素晴らしい花火が出迎えてくれました。こうして2日間の徒歩進香を終え、帰路につきました。

 

 

大港埔鼓壽宮天上聖母徒步祝壽會香

  (期間:4日間、目的地:台南祀典大天后宮)

     2019年 3月25日 ~ 28日  

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今年17年目を迎える、新興徒歩進香の中では歴史のあるイベントです。日程が合えば参加を考えていましたが、彰化南瑤宮進香と日程かぶりをしたことで、不参加となりました。

  

 

嘉義天后宮徒步謁祖進香

  (期間:4日間、目的地:三崁天后宮)

     2019年 4月4日 〜 7日

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南瑤宮同様官制イベントです。日程、距離と言った点から、参加しやすい徒歩進香だと思います。一日でも参加できないかを検討していましたが、メインとなる大甲媽祖、白沙屯媽祖の直前に休みをとることが難しく、残念ながら不参加となりました。

  

 

龍結福德宮天上聖母徒步進香

  (期間:13日間、目的地:北港朝天宮)

     2019年 4月9日 ~ 21日

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決まったルートがなく、田舎道のみならず、あぜ道など道なき道を進んで行くそうです。徒歩進香の先輩方からおススメされ、参加を計画していました。しかし残念なことに、大甲、白沙屯と日程が被ってしまったことで、断念することになりました。

 

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と思っていたところ、どうやら龍結媽に呼ばれてしまったようで、白沙屯媽祖から一日早く帰ってきたその時間を利用し、一日だけ参加してきました。進香13日間の日程のうち、往路が2日間、復路が11日間と、復路では雲林県のさまざまな場所をめぐり廟へと帰ります。龍結福德宮はもともと土地公の廟になりますが、媽祖が共に祀られています。

 

龍結媽進香の大きな特徴は以下の3つです。

・ルートが全く決まっておらず、道なき道を突き進む

・神輿が地域を巡行し、所々でその地に住み着く悪霊を捉える

・田舎ながらの人情味にあふれたイベント

特に2つ目はほとんど聞いたことのない特徴です。

またルートがないと聞くと、真っ先に白沙屯媽祖が思い出されますが、白沙屯媽祖はルートがないとは言っても、大きな方向性はある程度予測ができ、途中予測のつかないルートを通りますが、先回りも不可能ではありません。しかし龍結媽は本当の意味でルートがないのです。さらには道なき道をも歩き、時には山奥の獣道を突き進んだりもします。

 

白沙屯媽祖から戻り、たまった仕事を片付けていたところ、進香仲間からラインが届き、そこには「龍結媽には絶対参加した方がいい」と書かれていました。その言葉に背中を押され、翌朝始発に飛び乗り現地にむかうことになりました。

前夜神輿が駐駕した虎尾福安宮に一番近い斗南駅に、早朝6時過ぎに到着しました。そこから虎尾までタクシーで30分ほどかかります。神輿は6時に出発しており、その後のルートが全く分からないため、神輿に追いつくことがまずは大きな問題です。

 

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私の背中を押してくれた知り合いはすでに帰宅をしてしまっているため、全行程に参加しているほかの徒歩進香仲間に連絡し、逐次神輿の位置を送っていただき、なんとか無事に追いつくことができました。

 

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天気が良くやや暑い日となりましたが、風があったことで、それほど苦にはなりませんでした。日中はこんな感じで虎尾の街中を巡行し、いくつかの廟や民家で停駕しました。あれ、このままでは遶境と変わりないなあと感じていたところ、夕方からその本領を発揮します。

 

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川沿いの土手を進んでいた時、神輿が突然河原へ降り、好兄弟(悪霊)を捕まえに行きました。

 

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その後土手が行き止まりに達すると、そこに戻るという選択肢はなく、神輿は急な傾斜を滑り降ります。

 

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しばらく行くと、今度は廃屋に棲みつく悪霊を捕まえに行きます。

 

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また、交差点に巣くう悪霊もたびたび捕まえていました。その後は田んぼのあぜ道を突っ切り、道なき道を進みます。

 

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こうしてその日の駐駕地が決まると、一旦廟に戻り、皆で夕食を食べて解散となりました。参加費は特にないのですが、「点心費」という名目で廟に寄付を行います。私はその後帰途につきましたが、皆さんは翌朝5時に集合、6時出発です。この日の歩行距離は約28kmでした。

 

今回は日程的に山の中を突き進むことはなかったものの、これまで体験したことがない、とても刺激的な進香を経験させていただきました。またそれ以上に、参加者の皆さんがとても親切で、すぐに仲間として受け入れてくれ、あれやこれやと世話を焼いていただき、うれしい反面、とても申し訳ない気持ちにもなりました。こういう部分が、徒歩進香仲間たちを惹きつけてやまない理由なのかもしれません。

また大甲媽祖、白沙屯媽祖という巨大イベントの直後だったということもあり、この小規模で歩きやすい進香団が、とても心地よく感じられました。いつか機会があれば、また歩いてみたいと思える徒歩進香でした。

 

 

魚寮鎮南宮前往松柏嶺受天宮徒步謁祖進香

  (期間:2日間、目的地:松柏嶺受天宮)

     2019年 5月26日 ~ 27日

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媽祖以外の徒歩進香も一つご紹介します。

雲林県西螺を出発し、南投県八卦山の山頂にある松柏嶺受天宮まで、玄天上帝とともに歩いて往復します。玄天上帝以外にも、白沙屯拱天宮から分霊された媽祖が神輿に乗り、ともに目的地に向かいます。深夜12時に出発し、翌日夜9時に帰還する計45時間の厳しい行程です。しかもルートが決まっていないため、自分のペースで歩くこともできません。

北港遶境の後体調不良が続き、病み上がりの状態で体力面にも不安もありましたが、思い切って参加してきました。

 

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深夜23時、出発の儀式が始まりました。観光バスでの参加者もいますが、多くは徒歩参加者です。隨香客はおおよそ200人程度でしょうか。

最寄りの街から距離があるため、西螺のバスターミナルと虎尾の高鉄駅から送迎車が出ていました。徒歩進香では基本的に、隨香客は現地集合が原則なので、とてもめずらしいケースです。

 

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真夜中の道を神輿の後について歩きます。白沙屯媽祖のように、神輿は十字路に到達すると、大きく左右に揺れながら進むべき方法を決定します。このような形式は、玄天上帝では初めてです。

 

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ボランティアの香客服務車も参加しており、歩き疲れた人は乗せてもらうこともできます。私も荷物を預かってもらいました。荷物がないだけで、歩きは格段に楽になります。

 

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停駕を繰り返しながら歩き続け、夜が明けました。神輿はところどころでこのように、その場に漂う「邪気」を取り払います。

 

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いよいよ受天宮に向けての山登りです。神輿が途中休憩に入ったため、先行して歩いていると、先導車が私に向けて拡声器でなにやら叫んでいます。進香で使われる言葉は基本台湾語なので、さっぱりわかりませんでしたが、「車に注意して」というような内容かなと勝手に判断していました。そこでほかの参加者に尋ねると、「体力のある人は神輿を担いで山登りを手伝って」という内容でした。体調が万全ではないものの、少しでも手伝おうと神輿を待って脇から支えて歩きましたが、すぐに置いていかれてしまいました。

 

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昼休憩後も山登りを続け、ようやく受天宮の門が見えてきました。予定よりだいぶ早く受天宮に到着です。受天宮は、徒歩進香、進香期見物、参拝などで何度も訪れている好きな廟の一つになります。入廟後に儀式が行われましたが、長距離を歩いた後の立ったままの儀式はかなり堪えます。また前日から30時間以上寝ていないので、眠気との戦いでもありました。

 

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当初は体調を考え、一日で帰ろうかと考えていましたが、なんやかんやあり、流れに身を任せて翌日も歩くことになりました。そこで今夜は受天宮の香客大楼で就寝となります。「香客大楼あるある」のお湯が出ない水シャワーを浴び、新しい靴の慣らしが十分できていなかったため、3か所にできたマメの処置と足のケアをして早々に眠りにつきました。

 

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二日目は深夜2時半に起き、手早く出発の準備と足のケアを終え、4時前から始まる出発の儀式に参加します。今回は梅雨の時期にもかかわらず、幸い2日間共天候に恵まれました。

 

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往路は田中から山を登ったため、復路は二水方面に降りて、莿桐に向かうと誰もが予想していましたが、なんと再び同じルートで下山し、田中方面へと向かっていきます。

 

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途中神輿は道なき道を突き進みはじめました。みな興奮気味に神輿に続き、田んぼのあぜ道を一列で進んでいきます。以前参加した龍結媽の進香が思い出されました。

 

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濁水溪近くの廟に停駕した後、なんと神輿は河に向かって突き進み出しました。随香客たちの心の中で、「過渓」(河を渡る)をするのではないかという期待と不安が入り乱れます。私は預けたバッグに入れてあるサンダルを持ってくればよかったと後悔していました。

しかし期待に反して、神輿は「邪気」を取り除き終わると、来た道を引き返して行きました。そしてこの後、ここまで順調に歩いてきた私の身体に異変が起こり始めます。

 

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河原から戻った後、急に呼吸が苦しくなり、歩きながら深呼吸を繰り返しました。もともとの体調不良に加えて、寝不足、さらに2日目の午後からは神輿が走ることが多くなり、それに必死についていくことで、何かがおかしくなってしまったようです。

もしかすると、神輿について邪気が充満するところへ行ったり、陰廟を見かけると必ず立ち寄っていたので、どこかで「煞氣」(邪気)にあたってしまったのかもしれません。進香でここまでの体調不良は正直初めてでした。この先は、リタイアするかどうかとの戦いになります。

 

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日も落ち、だましだまし暗闇の中を歩き続けます。そしていよいよ西螺大橋にさしかかりました。橋の手前で神輿が立ち止まったため、私は神輿を追い越して先に橋を渡ります。徒歩で渡るのは今回で4度目になりますが、毎回「陰」の気を強く感じており、さらに今回の体調不良が加わったことで、かなりつらい2kmとなりました。

 

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西螺市街地を巡った後、22時半を回り、鎮南宮にようやく戻ってきました。なんとか徒歩進香のゴール地点に到着です。ここでは最後に儀式が行われたのですが、私は体調不良で倒れそうになり、途中で抜け出し、外に座り込みました。そしてフラフラになりながら、帰路につきました。今回は途中リタイアした白沙屯媽祖進香急行軍よりも、ボロボロになったように思います。念のため帰宅後、大甲媽祖の進香旗で邪気を払いました。もしおかしな体調が続き回復しないようであれば、收驚を受けに行こうと思います。

二日間の総歩行距離は90kmでした。

 

 

秋季徒歩進香イベント

「三月迎媽祖」の春季だけではなく、9月から11月の日本では秋にあたる季節にも、それほど多くはありませんが徒歩進香が行われます。ただし9月の台湾はまだまだ夏真っ盛りなので、歩くとなるとかなり大変かもしれません。こちらでは、秋季に行われる徒歩進香をいくつかご紹介します。

 

豐原鎮清宮大甲謁祖徒步遶境進香

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全行程3日間を歩きました。 詳細は徒歩進香レポートへどうぞ。

 

 

豐原白沙屯媽祖徒步進香謁祖

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往路2日間を歩きました。 途中隊列より大きく遅れ、真っ暗な道を一人歩き続けました。徒歩進香では全行程を歩くよりも、往路のみ歩く方が正直楽しいです。

 

西螺新天宮北港朝天宮徒步謁祖進香

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早朝スタートに備え前乗りし、北港までの往路1日を歩きました。途中またまた隊列から遅れ、一人必死に神輿を追いかけました。 

 

草屯御天宮前往彰化南瑤宮謁祖徒步進香

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鎮清宮と日程被りしたことで、残念ながら参加できませんでした。参加した人から聞いたところによると、なかなかよさげな徒歩進香イベントのようです。

 

永康保安宮三王香路徒步往南鯤鯓代天府謁祖進香

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新興徒歩進香の中でも、十数年の開催実績があるイベントになります。王爺の進香参加は二度目でしたが、やはり中部と南部、媽祖と王爺のイベントでは雰囲気が異なります。陣頭や神輿が車に乗り、先に進んでしまうイベントはあまり好みではなく、また体調がよくなかったこともあり、途中リタイアとなりました。

 

 

部分徒歩進香イベント

上記全行程徒歩で行われる進香イベント以外にも、大庄浩天宮桃園龍徳宮、西螺福天宮といった部分徒歩進香のイベントが存在します。

 

大庄浩天宮北港進香

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一年おきに台中から北港までの進香と大庄での遶境を交互に実施しており、一部では台湾媽祖三大進香イベントの一つと称されています。しかし二日間の進香については、浩天宮も進香団募集要項にて明示しているように、部分徒歩進香となり、多くの区間を観光バスで移動しています。

 

桃園龍德宮四媽祖南巡遶境

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桃園龍徳宮進香は北部から中部鹿港を目指す、数千人規模の徒歩進香です。もともとは隔年で祖廟である麥寮拱範宮に向かっていましたが、距離が長いこともあり、近年は鹿港で折り返すようになりました。そのため遶境という名称を使用しています。

 

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そしてこの進香イベントも、部分徒歩進香になります。ただ浩天宮とは違い、決まった区間を歩く訳ではなく、多くの送迎トラックが進香団に付き添い、徒歩参加者を次々と否応なしに前方に送り届けます。このイベントの募集要項では、浩天宮のようにその旨を明示しておらず、申込時にも説明はありません。そのため、徒歩での参加を希望される方はご注意ください。

 

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私はそれを知らずに大雨の中参加をしましたが、歩き始めて3時間ですぐに送迎トラックに強制収容され、そこで初めて他の参加者の方から、部分徒歩進香であることを知らされました。陣頭もみな車に乗り移動しています。個人的に車使用を前提とした部分徒歩進香にはあまり興味がなく、残念ながら途中リタイアとなりました。

申込や参加時の交通費、参加費など結構な費用と時間をかけ、「三月迎媽祖」最初のイベントとして気合も入っていたため、悔いの残る徒歩進香となってしまいました。

 

西螺福天宮二媽往朴子配天宮謁祖進香 

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西螺から嘉義朴子に向かう雲林県を縦断する3日間の徒歩進香イベントです。こちらも部分徒歩進香として紹介されており、廟に問い合わせたところ、やはり部分徒歩との回答をいただきました。部分徒歩が実際どのような形式なのかについては不明ですが、地元民のみで構成されるさまざまな陣頭を見ることができる進香イベントのようです。

  

 

歩き通すことにこだわりがない方は、こういった部分徒歩進香は参加しやすいかもしれません。ただ多くの徒歩進香には、服務車や香客車が付き添って走っており、歩き疲れた時は、自分の意志で車に乗るかどうかの選択をできる仕組みとなっています。

全行程徒歩の徒歩進香でも、すべてを歩く参加者はそれほど多くはありません。皆さん歩きと車を使い分けています。歩き続ける人は、私のような徒歩にこだわりをもった人たちだけです。そのため、中規模以上の徒歩進香であれば、それほど心配する必要はないでしょう。

ひとつ注意点として、完歩を目指す参加者は、イベントによってはどうしても隊列から遅れやすくなります。神輿や陣頭は交代制になり、ほかの徒歩参加者たちは車に乗り先へ行ってしまうため、気づくと周りに誰もいないなんてことにもなりかねません。私も実際に何度か経験しています。そこで可能であれば、事前にしっかりルートを確認し、グーグルマップ上に落とし込んでおきましょう。

 

 

 

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徒 歩 進 香[巡 礼]

 

 

 

北港媽祖遶境

 

台湾で数多行われる遶境(巡行)の中で、最も有名なものが、毎年旧暦3月に北港朝天宮で行われる爆竹祭としても名高い北港媽祖遶境です。 媽祖の生誕を祝う「迎媽祖」を代表するイベントになります。陣頭の行列が続く一般的な遶境とは一線を画し、ものすごい量の爆竹が至る所で鳴りまくります。

 

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北港朝天宮の所在地

 

 

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[目次]

 

 

概要

北港朝天宮天上聖母遶境】

 

主催廟:北港朝天宮[1694年建立]

開催地:北港朝天宮(雲林県北港鎮)

開催時期:毎年旧暦3月19日

開催期間:5日間

見物客:数十万人

参加費:なし(見物のみ)

特徴:藝閣、花車、炸轎、犁炮、踩炮が有名な台湾随一の遶境イベント

臺東炸寒單、鹽水蜂炮とともに「台湾三大爆竹祭」と称される

住所:雲林縣北港鎮中山路178號

アクセス:北港バスターミナル下車徒歩7分

参考HP:

北港朝天宮

北港朝天宮・媽祖歓迎活動-台湾宗教文化地図-臺灣宗教百景

 

雰囲気は?

まずはこちらの映像をご覧ください。

 


なんとなく現地のにぎやかな雰囲気が感じとれたかと思います。実際はもっとにぎやかで刺激的ですよ。

 

どのようなお祭り?

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台湾媽祖廟の総本山と言われ、台湾で最も有名な媽祖廟である北港朝天宮。

毎年旧暦3月に媽祖の生誕を祝い、5日間通して盛大なお祭りが催されます。ただ「遶境」ですので、「徒歩進香」とは違って歩いて参加するというよりは、神輿花車の行列などを見物することがメインになります。中でも藝閣、炸轎、犁炮、踩炮と見どころ満載です。

媽祖の神輿は、祖媽から六媽までが連なります。なぜ媽祖が6柱も?と思われるかもしれませんが、媽祖は祖媽、二媽、三媽、四媽、五媽、六媽が存在し、それぞれ外見や性格が違うそうです。さらに虎爺、註生娘娘、福德正神などを合わせると、10基ほどの神輿が列をなします。

 

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最初の2日間は神輿の列が北港の街中や周辺の村々を練り歩きますので、その行列の後ろについて歩き通すことも可能です。私も神輿とともに北港周辺を歩きました。

神輿は朝9時には出発します。北港を訪れた際、もしかすると神輿はすでに出発してしまった後かもしれません。それでも心配はいりません。廟の南側にある観光大橋辺りから周囲を眺めると、ところどころで花火や爆竹の煙が上がっているのが見えます。その方向に進んでいけば、きっと神輿の行列と合流できるでしょう。

 

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またこの遶境の特徴としては、とにかく至る所でものすごい量の爆竹が鳴らされることです。まさにいま台湾全土で進められている環境保護などくそくらえと言った感じです。期間中は街中が爆竹の煙に包まれています。

 

見どころ

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一番の見どころが「炸轎」と呼ばれるものです。神輿の下で大量の爆竹を鳴らし、その煙で神輿をいぶします。これは媽祖のご加護に感謝し、その年の平穏を祈ることを目的に行われます。ただし祖媽の神輿だけは、その歴史的価値を考慮し行われないようです。

 

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爆竹は廟前だけではなく、遶境のルート上、様々な場所で行われます。お店や企業、民家が、爆竹の山を準備して神輿を待ちます。爆竹の量は多ければ多い方が運気もより向上すると信じられています。

 

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炸轎の際には、神輿グループの人たちも背中を向けて神輿とともに爆竹を受けます。それにより炸轎吃炮(爆竹を喰らう)と呼ばれたりもします。神輿について歩く参加者も一緒に受けても大丈夫ですが、その際は神輿グループの人たちの外側に立つようにしましょう。また神輿の側面には立たないようにします。

 

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神輿に向かって爆竹を投げる「犁炮」や爆竹の火の海の上を神輿が進む「踩炮」も必見です。遶境は朝方まで続きますので、爆竹の火花は夜の方がきれいです。しかし夜は主に繁華街を歩き、また見物客も増えますので、私個人としては、人が少なく村々を巡行する午前中の方が好みですね。

 

こちらは犁炮の映像ですが、簡単そうに見えて、実は高度なテクニックを要求されるようです。

 


2018年の遶境では、爆竹の勢いが凄すぎたため、神輿が燃え上がり担ぎ手が火傷するという事故も発生しました。2019年にも四媽の神輿が燃え上がりました。北港媽祖遶境の爆竹はそれほどえげつないんです。このイベントにおいて使用される爆竹だけで、1000万元(約3700万円)を超えると言われています。

 

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これは彩花炮と呼ばれる紙吹雪です。

 

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もう一つの見どころが「藝閣」と呼ばれる行列で、神話を基にした伝統衣装を着た女の子や女性が花車の上に座り、街を廻ります。

 

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女の子たちが花車の上から飴玉やお菓子を投げ、みな先を争って拾います。時々お金や引き換え券も混ざっているとも聞きます。このお菓子を食べることで、神様のご加護を受けることができるそうです。もちろん私も参加しました 笑

 

遶境のルートについて

こちらが2018年の神輿と藝閣の巡行ルート表になります。

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※神輿の予定ルート

 

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※藝閣の予定ルート

 

神輿の巡行:初日および2日目終日

藝閣の巡行:前半2日間が午後と夜、後半3日間は夜のみ

上記のようにメインは最初の2日間になりますので、そのどちらかで計画を立てられることをお勧めします。このため、遶境イベントの期間は2日間と言われることもあるようです。

 

楽しみ方

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10基ほどの神輿が巡行し、ところどころで炸轎が行われます。そこでまず一つ目は、六媽から二媽の内のいずれかの神輿を選んで、その神輿の後ろについて村々をめぐる方法です。特にこだわりがない場合は、六媽が比較的おススメです。神輿について歩く隨香客はそれほど多くはなく、さらにそれぞれの神輿に分散するため、かなり楽に歩けます。

 

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爆竹大好きな神様として知られる虎爺の神輿について回っても、面白いかもしれません。虎爺と言えば、北港の隣町にある新港奉天宮の虎爺が有名です。朝天宮の媽祖、奉天宮の虎爺と称されています。

 

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もう一つは、大規模な炮場に張り付いて、六媽から二媽までの神輿の炸轎を見物する方法です。多いところでは、一つの神輿に対して、三回、四回と行われます。

 

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神輿は朝9時に出発し村々を巡った後、午後には街中まで戻り巡行をしますので、夕方から深夜にかけては、藝閣を見物したり、十数カ所設置された舞台を見て回っても楽しいと思います。ただし夜の北港はものすごい人で混み合いますので、覚悟が必要です。

 

運が良ければ...

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北港遶境でも鑽轎脚が行われます。ただ大甲媽祖などとは異なり、自ら腰をかがめて神輿の下をくぐります。遶境中には至る所で行われますので、難易度はあまり高くありません。ただすべての神輿となると、少し大変かもしれませんね。

 

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壓轎金北港遶境には存在しません。神輿が休憩する際、台の上に金紙を敷かないからです。その代わり轎錢」というものが存在します。これは神輿の屋根につけられる色とりどりの紙銭のことを指します。

 

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一般に篙錢と呼ばれている、千里眼や順風耳といった将軍が髪の毛のようにぶら下げているものとよく似ています。遶境などでは、将軍の後ろを歩いて、落ちる篙錢を拾い集めている人を時々見かけます。平安符のような効力があるそうです。

 

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この轎錢は進香仲間からいただいたものなので、どのような形で配られるのかについてはよくわかっていません。ただこの轎錢が落ちていたり、だれかが拾っている姿を見かけたこともありませんでした。この轎錢は、壓轎金と同じような効果が期待できるようです。ただ炸轎の際に、神輿の上で燃え上がっているのをよく見かけました。

 

注意点

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まず何をおいても爆竹でけがをしないよう注意してください。自分の身は自分で守り、炸轎に参加する際は特に注意が必要です。爆竹が後ろから飛んできて身体に当たりますが、さらに火の粉が上から降ってきます。何が何でも目だけはしっかりと守ってください。

マスク、眼鏡(もしくはゴーグル)、帽子、耳栓(綿がおススメ)、長そでのシャツもしくは腕カバー、厚手の長ズボン、水にぬらしたタオル(首を保護)などを忘れないように準備しましょう。

 

またこのイベントの難点は、北港へのアクセスの悪さです。

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嘉義駅前もしくは斗六駅裏から路線バスで行くか、台中駅横のバスターミナルから長距離バスで行くルートが便利だと思います。2018年時点で、台中からのバスは事前予約ができませんので、遶境期間中は早めに行って列に並んだ方が確実です。

 

最後に

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北港武徳宮

神輿の行列について歩き、藝閣のお菓子を拾い、そして炸轎では爆竹を浴びたりと、観るだけではなく見物客も参加できるイベントです。

また北港を訪れた際は、周辺に大甲媽祖進香の目的地である新港奉天、南瑶宫笨港進香の目的地の一つである笨港天后宮、歴史ある笨港水仙、財神を祀り壮大な建造物が見どころの北港武德宮などが点在していますので、ついでに足をのばしてみてはいかがでしょうか。新港奉天宮以外は、遶境でも立ち寄ります。

 

 

[追記]参加情報

申込は必要ありませんが、深夜まで続くイベントとなるため、北港周辺に宿泊先を確保する必要があります。

 

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しかし毎年日程が固定されており、香客大楼や周辺ホテルは早い段階で予約が埋まってしまいます。私は以前お世話になったゲストハウスにベッドの確保をお願いしました。費用はかかりますが、嘉義市でホテルを予約し、深夜北港からタクシーで移動する方法が無難かもしれません。

 

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廟内のお店で、シャツや帽子、お守りなどの廟グッズも売られていますので、興味がある方は身に着けて参加されてもいいですね。

 

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このような体験参加プログラムもあるようです。遶境中に欧米人の旅行者たちが、神輿グループの服を着て、神輿を担いでいる姿を見かけました。私は、同じ場所をずっと歩き続けることがあまり好きではないため、申し込みませんでしたが、これはものすごい経験になると思います。興味がある方は、ぜひ体験参加してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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徒 歩 進 香[巡 礼]

 

 

白沙屯媽祖進香

 

大甲媽祖進香と双璧をなす、人気の高い徒歩進香イベントです。環島ブームのきっかけとなった映画「練習曲」の中で、主人公がお爺さんと道教のイベントに参加し、神輿とともに歩くシーンがあります。それが白沙屯媽祖進香です。

白沙屯媽祖進香は、大甲媽祖進香とはいくつか大きな相違点があります。そこがまた人気の秘密なのかもしれません。それでは詳しく見ていきましょう!  

 

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[2018年GPS追跡ルート]

  

※「進香」ってなに? という方は、まずはこちらの記事をご確認ください ※

  

 

[目次]

 

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概要

【白沙屯拱天宮天上聖母北港進香】

 

主催廟:白沙屯拱天宮[1863年建立]

出発地:白沙屯拱天宮(苗栗県通霄鎮)

目的地:北港朝天宮(雲林県北港鎮)

開催時期:毎年2~5月頃

開催期間:毎年異なる(おおよそ8日から12日間)

移動距離:毎年異なる(毎年ルートが異なる。約400km)

参加費:700元(申込みなしでも参加可能ですが、申込みされることをお勧めします)

参加人数:10万人以上(申込者約4万人)

特徴:廟建立以前より200年近い歴史を有し、大甲媽祖進香と並ぶ台湾を代表する巡礼イベント。ルートが決まっておらず、神様の指示に従い進む。歩きの参加者は、香燈腳(もしくは香丁腳)と呼ばれる。

住所:苗栗縣通霄鎮白東里2鄰8號

アクセス:白沙屯駅下車徒歩12分

参考HP:

2018白沙屯拱天宮天上聖母往北港徒步進香期程與費用公告專區

白沙屯媽祖徒歩進香(行事・信仰)-台湾宗教文化地図-臺灣宗教百景

 

雰囲気は?

それでは、まずは動画でその雰囲気を味わってみてください。

 


白沙屯媽祖のテーマソングのMVですが、全体的な雰囲気が非常によく伝わってくると思います。

 

日程について

こちらが2018年の日程表です。

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白沙屯媽祖進香では大甲媽祖進香とは異なり、出発の3日前に放頭旗(頭旗を廟入口の柱に立てる進香の始まりを告げる儀式)、出発5月16日深夜、北港到着5月18日、戻り5月24日、ゴールから11日後に開爐(持ち帰った灰を廟の炉に移す儀式)としかありません。途中どこに立ち寄るのか、どこで休憩するのか、その日の行程はどこで終わりになるのか、まったく分かりません。

白沙屯媽祖の一番の特徴は、このルートが全く決まっていないという点にあります。神輿が分岐点に到着すると、神の意志によって進む方向が決まるのです。

「そんなこと言って、神輿の担ぎ手が決めてるんでしょ?」

私も初めはそう思っていました。このように感じられた方は、ぜひ実際に歩いてみてみてください。その考えが180度変わるかもしれません。

そしてルートが決まっていないということにより、多くの困難が待ち受けることになります。

 

申込について

大甲媽祖進香では皆自由に参加していました。しかし白沙屯媽祖進香はやや厳格であり、事前に申し込みをしていない人、腕章を身に着けていない人は、香燈腳ではないと言い切る人たちもいます。廟からの案内にも、「申込の人数に合わせて信者やボランティアの方々が、進香途上で飲食を準備している」とあります。心さえあれば申込なしでの参加も可能ですが、やはり申込をして腕章を身に着けて参加した方が、気持ちよく歩けるでしょう。

また非常に多くの信者の方が、事前に擲筊(ポエ占い)を行い、媽祖に参加の可否についてお伺いを立てます。この結果により参加を諦める人も大勢いるようです。

 

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700元の参加費で、帽子、腕章、タオル、ジャケットがもらえます。写真の赤い布は「紅綵」もしくは「紅布條」と呼ばれ、廟前のお店で数十元で売っています。また下の方で説明する観光バスを申し込むプランは2100元です。(1元≒3.7円  2018年9月現在)

申込をした参加者の名簿は神輿と共に進み、たとえ途中で脱落したとしても、最後まで歩いたことと同じだけのご利益があると言われています。

 

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申込は出発前日の夕方まで廟内にて受付けています。ただ出発前日は、ものすごい人人人となり、廟の中に入ることさえ厳しくなるため、遅くとも2日前の早い段階で申し込みを済ませておかないと、かなりの時間並ばなければならないことになります。

(混んでくると参加受付のおばちゃんたちも余裕がなくなるため、言葉が通じないことでおろおろすることにもなりかねません)

また申込期間の後半になると、間違いなくジャケットの数量不足が起こるので、いずれにせよ早めに申し込むことが得策です。

 

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また大甲媽祖と同様に、廟内外のお店で紅綵やお守りなどの進香グッズを購入してもいいでしょう。進香旗もありますが、所持するには厳しい決まりがあり、生半可な覚悟では持つことは許されないようです。

そして進香グッズは忘れずに、廟内の炉で「過爐」(旗などを手に持ち、炉の煙の上で時計回りに三回回す)してください。 

 

目的地について

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こちらが雲林県南部に位置する進香の目的地となる北港朝天宮です。言わずと知れた台湾を代表する非常に有名な廟の一つですね。神輿が到着するとあたりはものすごい熱気に包まれます。

ちなみに拱天宮の媽祖は北港朝天宮から分霊されたものではなく、清朝時代に中国からもたらされたものです。進香が始まった当時、いまから200年近く前、中国まで進香に行く資金もなかった信者たちは、当時唯一聖父母殿を有していた北港朝天宮へ、中国に行く代わりとして進香に向かうことを決めました。それが現在まで続いているのです。

香燈腳は朝天宮に到着となる前に、まず2kmほど手前にある北辰派出所に集合することになります。そこもすごい人出になります。そして朝天宮に入廟後の翌朝に儀式が行われますが、その際は事前にシャワーを浴び身体を清め、清潔な服を着替えて参加しなければいけません。

 

神輿と一緒に「進喔!進喔!」と叫びながら廟の中に駆け込む神輿を見送るこの時が、進香イベントにおいて一番興奮する瞬間なのかもしれません。

 

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しかし私は北港に歩き着くことなく、写真の鹿港天后宮で脱落となりました。ここも歴史があり、人気廟ランキングでは常に上位に入る媽祖の廟の一つです。

 

歩きのポイント

大甲媽祖ではある程度先行して歩き、神輿の到着を待つことができました。しかし白沙屯媽祖ではそれができません。先行してしまうと、当然神輿が全く違う場所に行っていたなんてことになりかねません。この自分のペースで歩くことができないという状況は、長距離を歩く上でかなり難易度が上がります。

 

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また毎年進香の日数が異なり、それにより進香団の進むスピードも変わってきます。例えば、2017年は12日間、2018年は8日間でした。これも事前に神様にお伺いをたてることによって決められています。

2018年はその時間の短さから「急行軍」と呼ばれ、進香団は北港までの道のり約150㎞をほぼ休むことなく歩き続けました。これが非常にきつく、私のような脱落者が続出しました。

 

私は白沙屯急行軍対策として、時速6kmで歩き続ける練習を事前に行いました。しかしそれでも神輿のスピードにはついていけず、ほかの香燈腳たちにバシバシと追い抜かれ、背後からは進香団のトラックに追い立てられました。

 

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さらに夜間を通して高速道路上を歩いたため、途中にトイレや休憩ポイント、補給ポイントがなく、それはそれは苦戦を強いられました。 

 

それではどうすれば少しでも楽に歩けるのでしょうか?

ルートが決まっていないことで、自然と神輿の後ろを歩くことになります。しかし神輿の後ろは当然大混雑です。これが大甲媽祖進香との大きな違いの一つになります。大甲媽祖進香ではルートが決まっていることで、神輿や頭旗よりも先行して歩く人が多く、神輿の後ろは白沙屯媽祖進香の方が混雑します。そこで可能であれば、頭旗と神輿の間を歩く方法がいいかもしれません。

 

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ただこの方法にも欠点があり、頭旗が必ずしも神輿と同じ道を選ぶとは限らず、神輿が方向転換した際は走ってもどらなくてはなりません。 私は結局、「粉紅超跑(ピンク色のスーパーカー)」の異名を持つ神輿のかなり後方を歩いていました。

 

私の場合で言うと、急行軍の往路でなければ、頭旗の後ろか、頭旗よりも先行して歩くことが比較的多くなります。しばらく神輿のそばを歩いた後は、ほかの香燈腳に場所を譲り、神輿より先行して歩きます。そして頭旗や神輿が休憩に入った際は、混雑を避けるために一緒に休憩はとらず、ペースを落としながら先行し距離を稼ぎます。後はアプリで神輿の位置を確認しつつ、神輿がこの先どの方向に進んで行くのか推理を楽しみながら、先を目指していきます。そして、時に自分の推理力をほめたたえ、時に方向転換を強いられます。周りを歩く香燈腳の姿はまばらとなりますが、体力に余裕があれば、この先行推理方式もなかなか楽しいですよ。基本先行しながら、時折神輿の後ろを歩くという方法です。

 

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開催年によっては河を歩いて渡ることもあり、これが伝説のように語り継がれています。大甲媽祖のややおおらかな雰囲気と比べて、かなりストイックだとイメージしていただければいいかと思います。

 

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そしてもう一つ、大甲媽祖など他の進香イベントとの大きな特徴の違いは、隊列のシンプルさにあります。陣頭がほとんどなく、頭旗や神輿などごくごく少数のグループにより構成されています。これにより逆に心地よささえ感じます。選挙活動に利用する人たちが少ないのもいいですね。進香団の隊列や神輿に関して言えば、私は白沙屯媽祖が一番好きかもしれません。拱天宮の媽祖以外に、100年以上の長きに渡り友好関係にある隣村の「山邊媽」も一緒に神輿に鎮座し歩いています。上邊媽祖宮は、拱天宮から北に線路沿いを2kmほど歩いた場所に位置しています。余裕があれば、拱天宮への参拝に合わせて、訪れてもいいでしょう。

余談ですが、拱天宮に祀られている三体の媽祖像のうち、進香で神輿とともに出陣するのは、大媽になります。大甲鎮瀾宮など他の廟では、大媽は廟を訪れる信者のためにお留守番をするケースが多いのですが、白沙屯媽祖進香では、大媽が北港まで出向きます。また進香から戻った翌日、廟周辺の村々を巡る游庄に出るのは、二媽で、贊境などでは三媽が多いようです。

 

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参加者についても、大甲媽祖進香とは違いがみられます。大甲媽祖では台湾全土のみならず、世界各国いろいろな地域から参加者が集結します。それに対し、白沙屯媽祖進香では地元色が強い傾向にあり、おそらく台湾中部地区からの参加者が多くを占めるのではないでしょうか。地域に根差した信仰の中心になります。

熱心な参加者の多くは、大甲媽祖より白沙屯媽祖を選びます。その理由の一つは大甲媽祖の「商業化」にあり、伝統的な方式からややかけ離れてしまっていることへの不満からくるようです。逆に言えば、徒歩イベント化しつつある大甲媽祖進香は、信者ではない人でも参加しやすい雰囲気を持っています。

 

こちらは、白沙屯媽祖進香の神輿追跡サイトになります。GPS追跡班の方々が頑張って歩いています。

 

食事について

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食事については、大甲媽祖進香とほぼ同じです。詳しくはそちらをご参照ください。ボランティアの方々は、車で移動しながらルートを予測し先回りと、みなさん頑張っていただけております。

 

こちらがお昼休憩ポイントとなった伸港福安宮です。

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神輿もここで数少ない休憩を取りました。ここでもボランティアの方々による無料の食事が提供されています。とても美味しくいただきました。しかし食後、足のマメの応急処置をしている間に、いつもまにか神輿の姿は見えなくなっていました。

 

食事のタブーについてですが、大甲媽祖とは多少異なり、出発前の3日間は素食(肉抜きの食事)を食べるよう決められています。道中は何を食べてもOKです。

 

宿泊について

宿泊は、観光バスプランを申し込めば、日中はバスの中で休憩をとることができ、夜間はバスのドライバーが宿泊場所の手配をしてくれるようです。ただホテルのグレードは指定できず、ドライバー任せとなります。ほとんどが香客大楼での雑魚寝になり、1泊200元程度徴収されるようです。香客大楼が見つからない場合には、旅館などに詰め込められます。駐駕が決まってから、皆がバスに集合し、さらにそこから遠く離れた宿泊場所に移動し、そしてまたまたシャワーの列に並ばなくてはならないため、就寝時間はかなり遅くなります。しかし寝場所が確保されている安心感、荷物を預けられるというメリットは大きいと思います。

また周辺ホテルなどの事前予約は、ルートが決まっていないために困難ですが、その日のゴール地点から近隣の宿泊場所へタクシーで往復するという方もいます。当然ながら、当日近場で空いているホテルを見つけることはかなり困難でしょう。

ただ北港到着時の宿泊については、参加申し込み時に合わせて予約を行うことができます。しかし申込初日の早い段階で、それも埋まってしまいます。

 

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そうなると残るはやはり野宿ですね。白沙屯媽祖の場合は、その日のゴール地点が前もって決まっておらず、またそこが廟であるとも限りません。企業だったり、民家だったりと様々ですので、野宿ポイント探しは決して容易ではないということをあらかじめ覚悟しておいてください。

 

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またシャワーについては、このような事情からあきらめた方がいいかもしれません。男性は廟のトイレ前や民家前にある水道をお借りして身体を拭いたり、髪を洗ったりできます。しかし女性にはそれも難しいですよね。ただ香燈腳が一日二日シャワーを浴びていなくても、正直誰も気にしません。少しぐらい薄汚れていた方が、逆に長い距離を歩いてきた感が出ていいかもしれません。笑

 

歩きのベテランの方は、着替えは二日に一回というアドバイスしています。さすがにそれはきつい(くさい、かゆい)ので、私は毎日着替えていますが、全行程徒歩となると、着替えを途中のコンビニで受け取り、要洗濯をそこから送り返す計画が必要です。毎日着る上着やズボンは、洗わないと日を追うごとに臭くなってきますが、朝までに乾くかどうかという問題があります。

またシャワーなしではどうしてもキツイという方は、水のいらないシャンプーなどのケア商品を持参されてみてはいかがでしょうか。ただ運が良ければ、シャワーがある寝場所が見つかるでしょう。

 

移動代替手段

歩きだけではなく、自転車やバイクで参加する人たちもいます。また歩きの人も、全て歩かなければいけないということではありません。

 

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参加プランの中に、先に述べた観光バス付きというものがあります。それは歩きたいところだけを歩き、休みたい時はバスの中で休むという画期的な方法を採用しています。

ただ問題もあり、何十台ものバスが同時に移動しているため、自分のバスの所在地を確認するためにはドライバーと密に連絡を取り合わなければならず、言葉がかなりできる人ではないと難しいでしょう。そして神輿のルート上はすごい人ごみのため、バスは大きく迂回することも多く、隊列の近くにいるとは限りません。

 

しかしまだもう一つ方法があります。それがこちらです。

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私はドナドナと呼んでいたのですが、歩き疲れた人を乗せてくれるボランティアのトラックです。このようなトラックや軽トラが何台も通り過ぎ、私たちを誘惑してくるのです。このドナドナは大甲媽祖などほかの進香イベントでも走っています。またバイクの参加者の方から、後ろに乗っていかないかと誘われることもあります。特に完歩にこだわりがない人は、ありがたく乗せてもらえば、歩きと車でうまく疲れをコントロールできますね。

またドナドナに乗らないまでも、荷物を預かってくれる車もあります。貴重品や歩きの時に必要なもの以外は、全部預けてしまうのも一つの方法です。ただ人を載せて走るドナドナはたくさんあれど、荷物を預かってくれる車は盗難等の問題もあり、かなり少なくなるかもしれません。

 

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いろいろな車が進香に参加していますが、荷物預かりOKの車を探すとなると簡単ではないと思います。可能性が高いのは、「服務車」「香客車」と書かれているトラックの中でも、リュックやスーツケースなどを大量に載せている車です。ドライバーの方に荷物を預けることが可能か確認し、OKであれば連絡先を交換して、荷物の受け取りがすんなりとできるように気を付けましょう。荷物を預けた車が見当たらないという話もよく耳にしますので。

 

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ちなみに私はそれによる時間のロスや紛失が怖いため、大規模イベントでは預けたことはありません。小中規模イベントの場合だと預けることもありますが、実際荷物がないと足への負担が全く違います。疲れも30%OFFです。預ける予定がある場合は、写真のような小さめの肩掛けバッグやナップザックを事前に用意しましょう。中に入れるものは、水、非常食、ポケットティッシュ、ウェットティッシュ、脚のケア用品、モバイルバッテリーなどです。

 

運が良ければ...

大甲媽祖進香と同様に、「鑽轎腳」(神輿くぐり)や「壓轎金」(神輿の下のお金)があります。詳しくは大甲媽祖進香の記事をご確認ください。

 

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しかし、香燈腳は鑽轎腳をしてはいけないという不文律があるようです。なぜなら神輿と一緒に歩いている人はそれだけで十分ご利益があり、鑽轎腳の機会は一緒に歩くことができない地域の人たちに譲るべきだという考えがあるからです。また急行軍の場合、往路ではあまり鑽轎腳が行われません。その際は復路を狙った方がいいでしょう。

 

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壓轎金を受け取れるかについては、やはりご縁次第としか言いようがありません。また大甲媽祖と違い、壓轎金は停駕先の廟ではなく、拱天宮が管理しています。配られる先は地元の信者や友好廟がメインとなり、必然的に香燈脚に配られる量はかなり少なく、稀少度はものすごく高くなります。神輿の近くを歩き続けたとしても、受け取ることができる可能性は、とても低いと言わざるをえません。

どうしても必要な方は、進香終了後にFBをチェックしてください。一部友好廟にて壓轎金の配布が行われることがあります。私もこの方法で入手しています。また開爐の日に、拱天宮や山邊媽にて、壓轎金を受け取ったという話も聞いたことがあります。ただ開爐の日も、参拝に訪れる信者で大混雑します。

また注意点として、その目的は不明ですが、偽物の壓轎金が配布されることがあるそうです。そこで配布元がどういうところなのかについて、よく確認してください。これは白沙屯媽祖よりも大甲媽祖にて起こることが多いようです。

 

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他にも、路上にひざまずき、花を両手で掲げながら神輿の到着を待つ信者の姿を見かけることがあると思います。これは「換花」と呼ばれるもので、主に子宝を願う人が行います。

また大甲媽祖同様、香燈腳が神輿を担ぐことができるようなのですが、これは非常にまれであり、よほどの縁がないと難しいでしょう。

 

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さらに白沙屯媽祖進香では、いかなる交通手段も使わず往復もしくは片道を完歩した香燈腳は、「錦旗」を受け取ることができます。進香イベント終了後、廟にて直接申請した上での受領となります。

 

要注意ポイント

1.体調管理

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長時間の歩きや野宿により疲労が蓄積しますので、こまめに水分補給と休憩をとり、体調管理には十分注意してください。炎天下の歩きでは、特に注意が必要です。休憩をとったことで多少神輿から遅れたとしても、急行軍でない限り、必ず追いつきます。

 

2.ケガ

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神輿や頭旗の近くでは、すごい量の爆竹が、至る所でしかも至近距離でならされますので、ケガにも注意が必要です。異常を感じた際は、ためらわず周りの人たちに助けを求め、医療ボランティアチームの診察を受けてください。香燈腳はみな助け合いの心を胸に歩いています。もし周りに助けが必要な方がいた場合も、すすんで手を差し伸べましょう。

 

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※ちょっとグロいので少しぼかしてみました。

私は厳しい急行軍により、両足親指の付け根のマメがつぶれ、それ以上歩くことが困難になってしまいました。勧められた5本指ソックスを履いたことが原因でした。何度か試し履きしてから臨んだのですが、どうも合わなかったようです。 

 

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また途中で負傷出血して、医療ボランティアチームの方に応急処置をしていただきました。

 

3.雨対策

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さらに白沙屯媽祖で重要となるのは、雨対策です。ほぼ毎年雨が降ると言われており、レインコートや足を濡らさないための対策は必須です。簡易式のレインコートではなく、上下分かれたもの+ザックカバーを準備した方がいいでしょう。対策をしっかりとっていても雨が強くなれば、服はどうしてもびしょびしょになります。そこで私は、寝間着兼着替えとして薄手のジャージを、靴はシャワー・休憩用兼雨対策として、軽いサンダルをバッグに入れて歩いています。

 

4.トイレ対策

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白沙屯媽祖では、トイレスポットも重要になってきます。大甲媽祖では途中多くの廟に立ち寄るため、そちらのトイレをお借りすることができました。白沙屯媽祖では、途中廟に立ち寄るかどうかすら分かりません。

また大甲媽祖の場合、参加者が神輿の前後に大きく分散していますが、白沙屯媽祖の場合は神輿の後ろに集中しているため、トイレがあっても大混雑となります。

しかしルート上のお店やガソリンスタンド、民家の方々が、香燈腳にトイレを開放してくれています。特にガソリンスタンドは重要なポイントになってきます。ただ女性の場合はどこに行っても行列です。私は急行軍の朝方、民家のトイレの列に並んでいる間に神輿から大きく引き離され、その後昼食休憩ポイントまでその姿を見ることはありませんでした。お借りした際はきれいに使用し、必ずお礼を伝えしましょう。

 

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このような時にお渡しする「結縁品」を準備しておいてもいいかもしれません。また徒歩進香では、ほかの参加者から結縁品を受け取る機会も多いので、お返しとしてお渡しするものがあると助かります。私は台湾人の知り合いに相談に乗ってもらい、招き猫や金の豚などのマグネットとストラップを日本から買ってきました。雑貨屋やお土産物屋では300~500円程度しますが、ダイソーでは一つ100円で購入できます。

 

5.チケット争奪戦

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さらに初日から参加したいという方も注意が必要です。白沙屯には駅がありますが、この路線は本数がとても少ないのです。また出発当日の特急チケットは発売日の深夜に秒殺されてしまいます。そこで出発前日のお昼前までには鈍行で現地入りし、お参り、申込を済ませ、廟の裏手にある「香客大楼」と呼ばれる宿坊のロビーが開放されていますので、そこで夜まで休憩するという方法がベストだと思います。私が到着した時はすでに香客大楼に場所がなかったので、民家の軒下をお借りして出発を待ちました。

 

チケット発売日深夜には、私も気合を入れてチケット争奪戦に参戦し、運よく当日夜の白沙屯に近い通宵駅までの特急チケットを手に入れました。しかし当日信号機トラブルがあり、電車は彰化駅でストップ、復旧の見込みがたちませんでした。私は駅を飛び出し白沙屯方向に向かうバスを探しました。そして幸運にも、白沙屯に参加するという方と駅前で出会い、拱天宮の近くまで送っていただきました。本当に助かりました。

 

最後に

初参加の方は、まずは大甲媽祖、その次に白沙屯媽祖という順番で参加されるといいでしょう。白沙屯媽祖も急行軍の年にぶつからなければ、そこまでの苦労はありません。また足に自信がない方は、観光バスを申し込むか、ゆっくりペースの復路に参加するのがベストですね。きっと忘れられない想い出ができると思います。(足の痛みも含めて 笑)

大甲媽祖進香のページも合わせて確認いただくと、より深く理解できると思います。

 

 

※ さらに詳しく知りたい方は、こちらのページもどうぞ ※ 

 

※ 参加申込や日程、概要についてはこちらへ ※ 

 

 ※ 参加レポートはこちらへ ※ 

 

 

 

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徒 歩 進 香[巡 礼]

 

 

 

大甲媽祖進香

 

世界三大宗教イベントの一つにも認定されている、台湾最大の進香イベントです。台中市大甲区にある「大甲鎮瀾宮」を出発し、嘉義県新港鄉に位置する「新港奉天宮」まで歩いて往復します。「心太軟」で有名な歌手任賢齊がメガホンを取ったドキュメンタリー作品『媽祖迺台灣』を観て、初めて知った方もいるかもしれません。

 

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※「進香」ってなに? という方は、まずはこちらの記事をご覧ください ※

  

 

[目次]

 

 

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概要

【大甲媽祖遶境進香活動】 

 

主催廟:大甲鎮瀾宮[1732年建立]

出発点:大甲鎮瀾宮(台中市大甲区)

目的地:新港奉天宮(嘉義県新港鄉)

開催時期:毎年3~4月頃

開催期間:9日間

移動距離:往復約330km

参加費:なし(申込不要)

参加人数:30万人以上

特徴:20世紀初頭に始まった100年以上の歴史を有する宗教イベント。毎年台湾において最大の盛り上がりを見せる台湾文化を代表するイベントでもある。

住所:臺中市大甲區順天路158號

アクセス:大甲駅下車徒歩6分

参考HP:

財團法人大甲鎮瀾宮全球資訊網

大甲鎮瀾宮媽祖巡礼活動(行事・信仰)-台湾宗教文化地図-臺灣宗教百景

 

雰囲気は?

百聞より一見に如かずです。まずはこちらの映像でその雰囲気を感じ取ってみてください。

 


 

なんだかワクワクしてきませんか?

縁があれば、皆さんもあの波打つ人のうねり中で、きっと自分自身を見つけることになるでしょう。私も大甲媽祖進香に参加して、この世界に魅了された一人です。

方法はいたって簡単です。上司から有給申請にハンコをもらい、エアチケットをぽちっとするだけです。笑

 

参加の方法

参加に申込は不要です。"心"だけあれば大丈夫。ウォーキングイベントの感覚で参加している人たちも大勢おり、あまり宗教染みてはいないといった点からも参加しやすいと思います。

基本どこから歩き始めても構いません。途中から合流し、途中で離脱してもOK。その際は媽祖の神輿もしくは廟の方角に手を合わせて、参加(起馬)や終了(下馬)の挨拶をすればいいそうです。

 

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※駅前で媽祖の到着を待つ人たち

参加のスタイルは、歩き、自転車、バイクと様々ですが、やはり歩きに勝るものはないと私は思っています。 

いまは便利なもので、ネット上で神輿の現在地の確認が可能です。以下のリンクでは、神輿を追跡するためにボランティアが交代でGPSを手に神輿のそばを歩き続けています。途中から合流される方は、こちらの位置情報を参考にするといいでしょう。さらにこのページでは、過去のルートを見ることができるので、歩きのシミュレーションをしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

また初心者の方向けに1~3日間の体験コースも用意されています。申し込みが始まるとすぐに枠は埋まってしまいますので、希望される方は受付開始とともに申し込みを行うことをおすすめします。

 

進香の流れ

2018年の行程は下の図のようになります。

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進香初日は、日付が変わる前の深夜23時には大甲鎮瀾宮を出発します。日程表には初日4月14日とありますが、実際には4月13日深夜23時に出発するのです。そこで参加者が実際に大甲入りするのは、出発日の前日となるという点に気を付けてください。

大甲を出発後は多くの廟に短時間立ち寄りながら、初日の目的地(駐駕地)である彰化南瑤宮で休憩、2日目もその流れを繰り返します。3日目に進香の目的地である新港奉天宮に到着、4日目は終日儀式が行われ、5日目の日付が変わる頃に復路がスタートし、9日目夜に大甲鎮瀾宮に戻り、ゴールとなります表にある日々の駐駕地となる廟は毎年固定です。

 

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進香の日が近づくと、立ち寄り先の廟やルート上にこのような「香條」が貼られ、進香日程を地元住民の方々に伝えています。

 

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上記の予定表のように、途中多くの廟に立ち寄ります。参加者は各廟でお参りをし、旗に御朱印を押して、平安符(お札)を結び付け、過爐(旗を手に持ち、炉の煙の上で時計回りに三回回す)をします。近年では、御朱印帳や大きな布に御朱印を押す人も増えてきています。ちょっと四国遍路に似ていますね。

初日だけでも30近い廟に立ち寄ります。立ち寄る廟は年によって多少変更があるかもしれません。さらには、突然予定表にない関係者とつながりのある廟や企業、民家に立ち寄ることもあります。表に記載されている時間はあくまでも参考であり、通常2、3時間は遅れますので、途中から参加される方は注意してください。

表には初日21時半南瑤宮到着、二日目深夜1時出発とあります。予定より遅れることを考えると、神輿とともに歩くことで仮眠の時間すらとれないことになってしまいます。神輿の担ぎ手は交代しますが、徒歩参加者に代わりはいません。この問題については改めて触れてみたいと思います。

 

また行程が遅れる一番の要因は、後で説明する「鑽轎脚」(神輿くぐり)ですが、それ以外にも「搶轎」(神輿の奪い取り)があります。

自分たちの地域や廟、店舗などに神輿を立ち寄らせたい人たちや、威勢を示したいグループが、その行く手を妨害したり、神輿を奪いに来るのです。特に彰化では複数のやくざや半グレたちが神輿を奪いにくるため、やくざ同士の殴り合いとなったり、警察や媽祖の神輿を守る自警団も加わっての大混乱となったりもします。ニュースでは、付近の企業、店舗が、神輿を自分のところに連れてきたらいくら出すというように、懸賞金を出していると報道されていました。

搶轎が行われる有名な場所は、往路では彰化市にある民生地下道であり、裏社会のグループが神輿を奪いに押し寄せます。ここは搶轎が起こるとても有名な場所となり、神輿が到着する頃には、地下道の上に大勢の見物客が集まっています。復路では彰化市の大埔路です。さまざまな廟から陣頭が神輿を出迎えに集まり、さらには搶轎や殴り合いまでに発展します。

そのため近年は警察側も大幅に警護の人数を増やし、大甲鎮瀾宮からはボスである顔董も神輿を守りに顔を出すことで、混乱は少なくなりつつあるようです。ただ非常に危ないので、参加される方はくれぐれも近寄らないようにしてください。彰化ほどではありませんが、ほかの地域でも搶轎による小競り合いが発生する可能性はあります。

 

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参加者の中には、途中の廟にはほとんど立ち寄らずに、新港まで歩き通すことを目的とする人たちもいます。神輿と同じルートを通らずに、ショートカットできる道を選んで歩くこともできます。これについては、参加者それぞれの目的に合わせたやり方でいいかと思います。寄れるところだけ寄る、分かれ道ではその都度判断という方法でもいいですね。廟はトイレ休憩ポイントとしても重要になってきます。私は復路で道に迷って、誰もいない道をずっと歩き続け、全く違う方向から廟に到着しました。 

例えば沙鹿駅周辺、もしくは橋を渡り彰化市に入った後に、神輿は大きく遠回りしますが、多くの参加者はまっすぐ突っ切ります。逆に言えば、こうした場所は「鑚轎脚」や神輿の近くを歩く絶好のポイントと言えるかもしれません。

中でも盛り上がるのは、大甲スタート、新港到着、大甲ゴールです。往路と復路がありますが、往路は日程が短くやや急ぎ足、復路の方がのんびりペースです。そこで復路だけ参加という方法も十分ありですよ。仕事でなかなか続けて休みが取れない人たちは、往路1日、復路1日といった歩き方をしたりしています。

 

目的地について 

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こちらが進香の目的地となる嘉義県北部に位置する新港奉天です。ここは台湾を代表する歴史ある媽祖廟の一つであり、かつて洪水で流された笨港天后宮が祀っていた三体の媽祖像のうちの一体が祀られています。

奉天宮は媽祖だけではなく、もともとは虎爺の総本山としてその名を馳せ、「北港の媽祖、新港の虎爺」と言われていました。ほかにも一般公開はされていませんが、昭和天皇から贈られた「今上天皇御寿牌」が唯一完全な状態で保管されています。奉天宮は毎年進香団をもてなすために、かなりの費用を費やし、現在は媽祖の廟としても有名になりました。お参りに訪れる際は、嘉義駅前から北港行きバスが便利でしょう。

大甲鎮瀾宮の進香はもともと北港朝天宮に向かっていました。それが1988年より、新港奉天宮に目的地が変更となりました。これからも分かるように、大甲鎮瀾宮の媽祖は新港奉天宮から分霊されてはいません。歴史ある進香によくある目的地が分霊元ではないというケースにあたります。これが大甲媽祖「遶境」進香といったように、名称に「遶境」が含まれている理由の一つです。

 

奉天宮に到着すると、盛大なお祝いが行われ、それはもうものすごい人人人人人です。上の映像をご覧ください。 普段は静かな田舎町が、進香団や見物客で埋め尽くされます。

 

出発前のお参り

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本格的な信者の方たちの中には、前もって占いでその年の進香に参加していいかどうか媽祖にお伺いをたてる人もいます。まあそこまでしなくても、出来れば出発前に大甲鎮瀾宮をお参りし、媽祖への挨拶は済ませておきたいものです。毎年元宵節(旧暦1月15日)を過ぎると、多くの参加者が鎮瀾宮をお参りに訪れます。

 

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その際は、ぜひ廟内外で売っている帽子やシャツ、御守り、紅綵(紅布條)、進香旗などを購入してください。これらを持つことで、形の上からも進香団の仲間入りです。ただ進香旗の場合は、所持すると3年は参加しないといけないと言われています。購入した旗やお守りなどは、忘れずに廟内の炉で「過爐」(旗などを手に持ち、炉の煙の上で時計回りに三回回す)してください。

 

食事について

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香道中での飲食については、心配しなくても大丈夫です。 他の記事で紹介しましたように、多くのボランティアの方々が、廟や路上など至る所で食べ物や飲み物を準備し、私たちの到着を待っていてくれます。雲林県嘉義県などの地域では、特にこうした人情味を感じることができるようです。もちろん途中途中にコンビニもありますよ。荷物を少しでも軽くするためにも、スタート時に水を1本、あとは非常食を少しバッグに入れておけば問題ありません。出発してからゴールまで、お賽銭以外、ほとんどお金を使うところがありません。

 

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写真は「流水席」と呼ばれる形式の食事の会場です。感謝の心を忘れず、余分に取ったりはせず、決して無駄にはしないようにしましょう。

 

また、出発前および進香道中での食事について決まりがあります。出発の3日前に開かれる宴会の後から新港奉天宮に到着するまでの間、肉料理を食べてはいけません。ただし復路は何を食べても構いません。

 

宿泊について

ここまで読んでいただいた未来の進香団メンバーの皆さんなら、きっとある疑問が浮かんだことでしょう。

「宿泊はどうするの?」

ズバリお答えします。

野宿です」

 

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なぜなら、進香の日程が決まった瞬間、進香ルート近くの宿泊施設は一瞬で予約が埋まります。出発前日の特急の指定席なども発売日に同じく秒殺です。ただ夜到着、深夜出発も多く、暑い日中は休み、涼しい夜に歩く人も多いので、ホテルに泊まる余裕すらないかもしれません。

上の写真では、市政府庁舎のロビー部分を進香団に開放してくれています。そうです、これは行政、警察、地域住民全面協力による一大イベントなのです。ただこのような場所がいつもある訳ではありません。あったとしても、先行するバイクや自転車の人たちに大抵は占領されています。

 

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何年も歩いている先輩方は、それぞれの決まった野宿ポイントがあるようです。多くは廟や寺院になりますが、時折民間の方がとても心地いい休憩ポイントを設置していてくれることがあります。中でも彰化県永靖にある休憩ポイントは、至れり尽くせりとの話を聞きました。参加者は皆さん、経験の中から場所を見つけていますので、初めて参加する人にとっては、廟以外となると情報を得ることはかなり困難になるでしょう。 

そこでその日の目的地もしくはさらに先にある停駕地である廟近くで、寝場所を探すことになります。その際は次の三か所が有力候補となります。テントを持って歩いている方も大勢いますが、ここではテントなし、寝袋のみを前提に考えていきたいと思います。実際大甲媽祖進香の時期にはかなり暖かくなっていますので、寝袋がなくとも、シーツのような身体を覆うものがあれば十分かもしれません。

 

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※大甲鎮瀾宮香客大楼の一室

まずは周辺の香客大楼(宿坊)です。多くの廟が進香団の休憩場所として、廟の建物内や香客大楼を開放しています。香客大楼では写真のように布団が準備されているところがほとんどです。ただしあまり清潔とは言えませんので、潔癖症の方は寝袋を持参した方がいいでしょう。香客大楼に宿泊した時は積極的に周りの人に話しかけてみてください。進香仲間と知り合える大切なスポットでもあります。外国人だと分かれば、いろいろ親切にしていただけるはずです。また香客大楼がなかったり満員だったりしても、ほとんどの廟では敷地内で休憩させてもらうことができると思いますが、夜はクローズされるところもあり注意が必要です。

香客大楼は何と言ってもシャワーを使えるいった点が大きいです。こうした場所以外でもシャワー車が何台か出動していますが、ものすごい行列のため、並ぶには相当の覚悟が必要です。また大きい廟になると、トイレと併設してシャワー室があるところもあります。シャワーが使用できない場合は、私はたいていトイレ前の水道で髪を洗い、身体を拭いていましたが、女性の方にとっては切実な問題かもしれません。進香ルート上にある民家のシャワーを借りている人も多いと聞きますが、申し訳なくてそれはできませんでした。

 

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次の候補は学校です。当日の目的地周辺にある学校の教室や講堂、体育館などの公共施設が開放されている可能性があります。ただ就寝場所が空いているかどうかについては、行ってみないと分かりません。また新港到着時には、周辺の新港國小、新港國中、古民國小、文昌國小などが休校となり、進香団に教室や講堂を開放しています。しかし団体限定でかつ事前に申し込みが必要となるようです。

テントを持参すれば、上記写真のように学校敷地内の空いている場所にテントを張ることは問題ありませんが、歩きの参加者にとって、テントを持参することはかなり厳しい問題です。もしどうしても見つからない場合は、周りにいるベテランそうな進香団の人を捕まえて質問すれば、きっとみなさん親切に教えてくれると思います。ベテランかどうかは、所持している進香旗を見れば一目瞭然です。

 

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上記二つがダメだった場合の最後の選択は、民家や企業の軒下です。写真のような透天厝と呼ばれるタイプの建物には、道路に面した部分に騎楼と呼ばれる軒下のような部分があります。そこで休ませてもらえるように頼めば、まず断られることはないでしょう。ただ近くにトイレがあるかどうかが、ポイントになります。

進香ルート上では、深夜であれば、許可をもらわずに軒下をお借りして寝ても大丈夫だそうです。しかし、外にある水道を勝手に使用している人たちも多く、それには決して流されず、マナーを守ってお借りしたいものですね。運よく親切な住人の方にあたると、トイレやシャワーを貸していただけることもあります。そのご縁で台湾に新しい友人ができるかもしれません。親日な方が多い台湾ですから、女性の方は日本人アピールをしてみるのも一つの手だと思います。男性は黙って外で寝ましょう。笑

 

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ほかにも民間の企業などが提供しているかなりきれいな休憩ポイントもあり、運が良ければ巡り合うことができるでしょう。

 

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※廟内で就寝の風景

ただいずれの場合も、盗難には注意が必要です。時々廟や香客大楼などで盗難があったという話も耳にします。非常に罰当たりですが、進香団の格好をした泥棒が混ざっている可能性も否定できません。

参加者の中には、グループを作って集団で歩く人たちも大勢います。もし台湾に知り合いがいる場合は、そのようなグループに参加させてもらってもいいでしょう。日程が近づくと、FBやライングループなどでも参加者を募っています。集団で歩くことで、寝場所の確保、暗い夜道、さらには盗難などの問題は解決できます。

 

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※仮眠をとらせていただいた彰化市内にある廟

野宿に不安がある方、特に女性だけの方は日帰りで歩けるルートを検討された方がいいかもしれません。

一案ですが、出発前日の午前中には大甲に入り、お参りやグッズ購入を済ませます。その日の深夜、出発の盛大な雰囲気を楽しみ、夜通し彰化南瑤宮まで歩いて、夕方ごろ彰化駅から電車でホテルまで帰るという方法です。0泊2日となりますが、これだけでも雰囲気を味わうには十分ですね。歩きは一日だけでも全く問題ありません。最初から最後まで歩く人は、ほんのごくごく一部だけですから。

また初日だけでも40km以上は歩くことになります。長距離の歩きに自信がない方は、途中電車やバスでワープする方法もありですよ。

 

歩きのポイント

進香団の列は神輿の前後に長く伸びています。おそらくその全長は数十kmに及ぶかもしれません。なぜならルートが決まっているため、神輿より先に出発する人たちが大勢いるからです。特に全行程完歩を目指す人たちは、出発日の午前中からお昼にかけて出発しています。なかには出発日の数日前に歩き始める人たちさえいます。当然神輿の後方にも長い隊列が続きますので、ルート上は至る所で進香団を見かけることになり、特に神輿の後は進香団で道路が埋め尽くされます。

では、進香団の行列のどの辺りを歩くのがいいのでしょうか? 

 

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一番イベントの雰囲気を感じ取れる場所は、神輿のすぐ近くだと思います。ただ当然ものすごい人混みで危険です。そこで、少しの間だけ神輿の近くを歩き雰囲気を味わった後は、神輿より前に先行して歩くといいでしょう。神輿の後は止まったり、走ったりとペースがばらばらで体力を消耗するからです。

ちなみに進香の際、神輿とともに出陣するのは、鎮瀾宮に祀られている7体の媽祖像のうち、湄洲媽、三媽、四媽です。また五十三庄遶境や贊境などでは、定かではありませんが、恐らく五媽が担当しているものと思われます。

 

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私のベストポジションは、進香団の先頭を歩く頭旗(先頭の旗)と神輿の間です。この間は大体数百mから数kmぐらいの距離があります。さらに頭旗の近くにいると、報馬仔に出会えるチャンスも増えます。報馬仔はずっと歩いている訳ではなく、大きな廟への到着前ではないと出てきません。

ただ実際には頭旗からも大きく先行し、その日の目的地で神輿の到着を待つということが多かったです。なぜかと言うと、上の方でも書きましたが、神輿が目的地の廟に着くのは夜遅くになることが多く、すぐに深夜出発となると仮眠する時間すらとれないからです。そのため、特に全行程もしくは往路復路のどちらかを完歩する予定の方は、必然的に神輿より先行し、仮眠時間を捻出する必要がでてきます。そこで遅くとも夕方ぐらいにはその日の目的地に着き、近くで寝場所を探し深夜の出発に備えましょう。

実際、全行程もしくは往路完歩を目指す方は、ほとんどが神輿の出発を待たず、まだ明るいうちに出発しています。つまり完歩を達成するには、神輿のそばを歩いたり、イベントのにぎやかな雰囲気味わうこと、さらには大甲溪の美しい花火、搶轎の喧騒などなどをあきらめなければなりません。睡眠をとる場所も神輿と同じ街ではなく、さらに先に進んだ街になります。こうして常に先行しながら、時間という貯金をつくりだし、体力に合わせて途中で臨機応変に長めの休憩や仮眠をとるようにします。昼寝るか、夜寝るかについても、大きな戦略ポイントです。

ただ周りの徒歩参加者がまばらになることで、夜間、特に真っ暗な田舎道の歩きは危険になるので、出来る限りほかの徒歩参加者について歩くようにしましょう。特に雲林県に入った後の吳厝から土庫の間は、街灯もないポイントが多く、一人で歩くのは危険だと言われています。そのため、途中の廟を端折って、虎尾の街中を通り土庫に入るルートを選ぶ人もいるようです。

イベントの雰囲気を味わいたい方:往路1日、復路1日のような日程で神輿の近くを歩くといいでしょう。

完歩を目指す方:明るいうちに出発し、常に神輿より先行して歩きましょう。

 

進香団の中に70代80代と思われる老人の姿もちらほら目にします。皆さん強い信仰心で歩き続けています。その敬虔でたくましい姿には感動すらさせられます。我々が歩き続けることができないということは決してないのだと、強く思い知らされるのです。

友人と一緒に参加される方は、人ごみではぐれないように注意して、万一はぐれた場合はコンビニのwifiにつないでSNSで連絡を取り合うか、前もって落ちあう場所(廟)などを決めておくといいでしょう。一人で参加すると、進香の道すがら知り合った人たちと一緒に歩くこともありますが、まず簡単にはぐれます。

 

運が良ければ...

大甲媽祖進香には、重要なイベントが二つあります。

それは「鑽轎腳」(神輿くぐり)と「壓轎金」(神輿の下のお金)です。

 

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「鑽轎腳」はどこでもできるというものではありません。 

神輿が進む先に、いつのまにか鑽轎腳を待つ人々の列ができ、神輿は地面にひれ伏した人々の上を通過していきます。神輿が頭上を通る時に願いごとをすると、それが叶うと信じられており、実際に数多くの奇跡が起きているようです。もし参加していない他の方のことを祈る際は、その方の服を持って鑽轎腳をするといいでしょう。ただ行列が出来ているからといって、必ず鑽轎腳ができるとは限りません。列があっても神輿がスルーしていくことがあり、運も必要なのです。

 

また本来は進香団に参加できない地域住民の方たちのためのイベントでもあるので、何も言われないとは思いますが、列に並ぶ際は帽子などを脱ぎ、進香団の一員であることは周りにあまり分からないようにした方がいいようです。

 

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さらに運が必要なのが「壓轎金」になります。 

「壓轎金」とは、神輿が廟などで休憩する際にその下に敷かれる紙のお金のことです。これがものすごくご利益があると言われています。そして神輿の下に置かれる時間も重要になってきます。最低でも15分以上は欲しいところです。

 

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この壓轎金は神輿が立ち去った後に配られるのですが、それがいつどこで配られるのか、まったくわかりません。すべては「縁」次第という訳です。私は幸運にも復路で2回、計十数枚を受け取る機会があり、自分の分を1枚残し残りはすべてお世話になっている知り合いに配りました。

受け取ることができる可能性が高くなるのは、神輿が廟に立ち寄り出発した直後です。その際廟の関係者の方より、壓轎金が配られることがあります。また注意点として、神輿が廟にて停駕している時、当然神輿の周りにはとても多くの人が集まりますが、神輿が出発する際に、壓轎金の奪い合いが始まることがあります。かなり危険ですので、そうした人ごみにはできる限り近づかないようにしましょう。

 

そして実はもう一つ、隠しイベントがあります。

それは媽祖の神輿を担がせてもらうことです。信者の方々にとっては、これはものすごいことなんですね。ただいつそのチャンスが訪れるのかについては全くわかりません。しかし時間に余裕がある復路の方が必然的に可能性は高くなります。

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方法としては、神輿の近くをずっと歩き続けることです。ずっと歩いていると、どこかのタイミングで神輿の担ぎ手が神輿グループのメンバーから一般の参加者に代わることがあります。

その際に神輿グループの人の近くを歩きながら、「次担がせてもらえませんか?」と思い切って聞いてみましょう。縁があれば担がせてもらえるかもしれません。ただ無理強いはせず、縁にまかせましょう。

私は進香の時と南巡遶境の時に二度担がせてもらいましたが、その重さはいろいろな意味で肩にずっしりとのしかかりました。

 

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写真の涼傘も持たせてもらうことができるようです。

 

他にも、病気の人に効果のあると言われる「敬茶」、進香中のけがなどに効く「海鹽」、結婚運を上げる「報馬仔の紅絲綫」、学業成就の「執事隊の文昌筆」、平穏無事を願う「將軍の篙錢と手錢」、子どもの安全を祈願する「三太子の奶嘴」などがあります。

 

最後に

これで大まかな流れはご理解いただけたかと思います。あとは一歩を踏み出すだけです。ここでは紹介しきれなかった注意事項やトイレ問題、ドナドナなどについては、次に紹介する白沙屯媽祖進香のページをご参考ください。

それでは、大甲媽祖進香の道でお会いしましょう!

 

 

 

※ さらに詳しく知りたい方は、こちらのページもどうぞ ※ 

 

※ 参加までの流れや日程、概要についてはこちらへ ※ 


※ 参加レポートはこちらへ ※ 

 

 

 

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徒 歩 進 香[巡 礼]

 

 

二大徒歩進香

 

進香や遶境を代表するイベントには、一体どのようなものがあるのでしょうか。また進香や遶境といった呼称の問題にも、軽く触れてみたいと思います。

 

[目次]

 

 

二大徒歩進香

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台湾で一般に三大進香・遶境と呼ばれているものは、

● 大甲媽祖遶境進香活動(台中市[進香]

● 白沙屯拱天宮天上聖母北港進香(苗栗県[進香]

北港朝天宮天上聖母媽祖遶境(雲林県[遶境]

です。

 

その中で徒歩進香だけに絞ると、

【大甲媽祖遶境進香活動】

【白沙屯拱天宮天上聖母北港進香】

になります。

もはや徒歩進香界の二大巨頭と言ってもいいでしょう。他の徒歩進香イベントの追随を許さない勢いです。現在数多くの徒歩進香イベントが開催されていますが、実際外部からの参加者が多い徒歩進香は、この二つだけです。

 

最古の徒歩進香

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最古の歴史を誇る徒歩進香は

彰化南瑤宮笨港進香(彰化市)[進香]

です。

日本統治時代には十万人以上の徒歩参加者がいたと言われるイベントですが、途中五十年の中断期間を経て、五年ほど前に復活したイベントであるため、実際はまだまだこれからの部分が大きい官制新興徒歩進香です。

 

一般的な呼び名について

それにしても、それぞれの名称が長く舌を噛みそうです。そこで一般にニュースなどでもよく使われる略称は以下の通りです。 

● 大甲媽祖進香(もしくは大甲媽祖遶境

● 白沙屯媽祖進香

北港媽祖遶境

● 南瑤宮笨港進香

実際大甲媽祖では、大甲媽祖進香より大甲媽祖遶境と呼ぶことの方が一般的です。ただわかりやすさを考え、ここでは大甲媽祖進香と呼ぶことにしました。さらには進香や遶境をつけずに、「大甲媽祖に参加するよ!」とだけでも十分通じると思います。

このブログでも上記の呼称を使用してまいります。

 

遶境か、それとも進香か

大甲媽祖は進香なのに、なぜ遶境と呼ばれるの? と思われるかもしれません。これにはいろいろ複雑な歴史的事情がありますので、まああまり気にしないでください。興味がある方は、大甲媽祖進香の目的地が北港朝天宮から新港奉天宮に変更となったいきさつを調べてみてください。大甲媽祖も元々は「遶境進香」ではなく、「北港進香」という名称でした。

参考:http://think.folklore.tw/posts/2305

 

大甲媽祖以外にも、明らかに進香イベントなのに遶境という名称を使っているところがあります。目的地が祖廟ではなかったり、さまざまな歴史的背景により、一概に分類することは難しいのかもしれません。もともとは祖廟に向かっていたものの、遠いという理由により手前で折り返してくることになったイベントもあります。

このブログでは分かりやすさを重視し、

・遠くまで行って帰ってくる ➡ 進香

・特定の地域を練り歩く ➡ 遶境

と定義しています。

 

北港媽祖遶境について

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北港媽祖遶境は進香ではなく遶境になりますが、一般的な遶境からは一線を画しており、その盛大さ、評判の高さ、そして媽祖とともに歩いて周辺の村々を巡ることができることから、この徒歩進香のブログでも紹介させていただくことにしました。

遶境はこれまで数多く見物し、また何度かメンバーの一員としても参加してきました。しかしさまざまな要因から、進香ほど強い興味が湧いてこないというのが正直なところです。最近では近くから遶境の爆竹の音が聞こえてきても、だらだらと続く陣頭に興味がわかず、観に行くことさえしなくなりました。ただこの北港媽祖遶境だけは、別格と言ってもいいでしょう。爆竹祭としても名高い北港媽祖遶境は、ほかに数多ある遶境とは一線を画しています。

 

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北港媽祖遶境以外で有名な遶境は、特定の廟を持たず仮設の紅壇を設置し、村々が持ち回りで行う雲林県「六房媽過爐」、王爺信仰における焼王船で名高い「東港迎王」などがあります。

 

国定重要無形文化遺産

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台湾文化部が指定する国定無形文化遺産の中で、最も上位にあたる重要文化遺産(重要民俗文化資産)とされるものが18、その中で遶境・進香にかかわるものが10を占め、その内道教に関するものが8、仏教が2になります。これを見ただけでも、台湾文化において遶境・進香がいかに重要な位置を占めているかが分かると思います。

 

≪無形文化資産 重要民俗≫

  西港刈香[遶境]王爺 台南市

  大甲媽祖進香[進香]媽祖 台中市

  北港媽祖遶境[遶境]媽祖 雲林県

  白沙屯媽祖進香[進香]媽祖 苗栗県

  東港迎王[遶境]王爺 屏東県

  南鯤鯓代天府進香期[進香]王爺 台南市

  金門迎城隍[遶境]城隍爺 金門県

  六房媽過爐[遶境]媽祖 雲林県

 

ちなみに仏教に関するものは観音信仰の「東山迎佛祖」(台南)「羅漢門迎佛祖」(高雄)です。この2つのイベントについては、仏教進香・遶境レポートにて紹介しています。他には少数民族のお祭りなどが指定されています。

 

最後に

それでは以降の記事で、大甲媽祖進香白沙屯媽祖進香を中心に、北港媽祖遶境などのイベントについても合わせて紹介してまいります。

 

 

 

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徒 歩 進 香[巡 礼]

 

 

 

進香とは

 

まず手始めに、「進香(ジンシアン)」と、それと関わりの深い「遶境(ラオジン)」についての基礎知識を説明させていただきます。 

 

[目次]

 

 

巡礼と巡行 

進香を日本語に訳すと「巡礼」遶境「巡行」なります。

「巡礼」と聞くと、世界各国のさまざまな巡礼が思い浮かぶことと思います。

キリスト教エルサレム巡礼やサンティアゴ・デ・コンポステーライスラム教のハッジ、ヒンドゥー教のヴァラナシ、仏教のルンビニブッダガヤ、日本においてはお伊勢参りや四国遍路... 

そして、台湾道教における巡礼が「進香」になります。中でも一番の聖地は、中国福建省湄洲島にある「湄洲媽祖祖廟」であり、毎年多くの人たちが飛行機や船を乗り継ぎこの地を訪れています。

また「巡行」の意味を辞書で引くと、[神輿や行列が一定のコースを順に回ること]とあります。あまり馴染みのない言葉ですが、台湾道教における巡行「遶境」になります。それではまず「遶境」から、どのようなイベントなのかについて見ていきましょう。

 

遶境(巡行)とは?

台湾を旅行していると、街中を進む神輿や爆音を鳴らす華やかな車の列、伝統的な衣装を着たり旗などを手に歩く人たちの行列を見かけたことがあるかもしれません。それは、道教の宗教イベントの一つ「遶境」と呼ばれるものです。日本でいうところの、山車を引いて街を練り歩くお祭りのような感じです。

 

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神様の誕生日や記念日などのお祝いとして、神輿陣頭(踊りや音楽などを行うグループ)の行列が廟のある地域周辺を練り歩きます。神様が管轄地域を巡視して回ることで、地域の平安を守り、住民の方々は家先で擺香案(お供え物を並べ、金紙を燃やし、線香を手に拝む)をしながら、神のご加護を祈ります。

神様や地域によってさまざまな特色があり、それが台湾の人たちの娯楽の一つでもあるんですね。その廟とつながりのある他地域の廟(友好廟)から応援が駆けつけたりすると、その規模もどんどん大きくなります。また進香(巡礼)から戻って来た後、周辺地域を遶境(巡行)するケースもよく見られます。

 

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その中で一番有名なものが、改めて紹介する雲林県に位置する北港朝天宮遶境です。ただし北港朝天宮の場合は、陣頭がほとんどなく、一般的な遶境とは一線を画しています。

 

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同じく雲林県で開催される六房媽過爐も有名です。特定の廟を持たず、毎年新しい紅壇を建てられ、年一回神様の引っ越しが行われます。引っ越しの際に、神輿が新しい紅壇の周辺地域を巡行します。正確に言うと、遶境ではなく、「過爐」(爐主が交代する際、新たな爐主の地域を巡行する)というイベントになりますが、管轄地域を巡行するという点では、遶境とさほど変わりありません。

 

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遶境では、神様の前でダンスを披露する「辣妹(ラーメイ)」と呼ばれるセクシーなダンサーたちも見どころの一つです。 

 

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遶境は主催廟や友好廟の信者たち、さらには走路工と呼ばれるアルバイトによって構成されるため、一般に参加者を募ることはほとんどありません。

ただ一部、上記の案内のように、外部に徒歩参加者を募るケースがそれほど多くはありませんが存在します。他にも遶境メンバーのボランティア募集がかかることもあり、それは廟に貼り出される募集案内やFB上の告知などにより知ることができます。

 

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また申込をしなくとも、遶境の行列に飛び込んで、邪魔にならないように後ろをついて歩くことは、基本的に問題ありません。私もこれまで数多くの遶境について歩いてきました。

もし長時間隊列について歩きたい場合は、廟の方に帽子をもらえないか聞いてみてください。帽子をかぶるだけで、隊列に溶け込むことができます。帽子は余っていれば、基本無料でもらうことができますが、その際はお賽銭箱に100元程度を入れるといいでしょう。機会があれば、みなさんもぜひ歩いてみてください。

 

進香(巡礼)とは?

「進香」とは、言ってみれば神様の里帰りです。 日本で言うと、多少異なりますが、集団で行うお伊勢参りのような感じでしょうか。

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台湾にある道教の廟は、古く歴史ある廟から「分霊」され各地に建立されています。北港朝天宮や南鯤鯓代天府などの有名な廟になると、その数は数千にものぼるそうです。そこで毎年神様の誕生日の前後には、盛大に里帰りの巡礼が行われ、この期間は進香期と呼ばれます。

想像してみてください、数千もの分霊された子どもたち(?)が一斉に里帰りを行うわけですから、誕生日前後に分散されるとしても、それはものすごいことになるんですね。

 

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南投県にある松柏嶺受天宮は山の上に位置していますが、玄天大帝の誕生日前後の進香期には、途切れることのない進香団でそれはえらくにぎやかになります。なかでも、日本語ではタンキーと呼ばれる乩童ジートン)は有名です。乩童は神様が乗り移る存在であり、自ら身体を傷つけることでそのことを証明します。そのため、この時期の受天宮には血だらけの乩童がたくさんいますので、心臓の弱い方は避けた方がいいかもしれません。

 

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進香のほとんど、99%以上は、廟がチャーターした観光バスに乗って行われます。進香参加者の中には老人も多く、距離もあり、それも当然ですよね。さらには途中観光地に寄ったりするケースもあり、廟に関わる人たちの慰安旅行の意味合いもあるのかもしれません。

しかし中には気合が入った、昔ながらに神輿を担ぎ歩いて里帰りを行う廟がごくわずかに存在しています。それも何百kmも!

それが『徒歩進香』と呼ばれるものです。

二百年以上の歴史がある宗教イベントであり、ここ二十年で徒歩による進香を行う廟も増えてきました。二百年前と言えば、日本は江戸時代後期であり、伊能忠敬が地図作りに日本全国を歩いていた頃でしょうか。

徒歩進香は「媽祖」(海の女神)信仰を中心に行われていますが、玄天上帝王爺、保生大帝、廣澤尊王といった他の神様でも見ることができます。

 

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徒歩進香の中にも、所々歩く部分徒歩進香完全徒歩進香があります。このブログでは全行程徒歩を前提とした完全徒歩進香を紹介しています。たとえ往路復路全行程の参加ではなく、途中1日、2日のみの参加だとしても、その区間はきっちり歩き切ることが大切だと思っています。それでこその徒歩進香です。ただこの点については、参加者皆さんがそれぞれの自分ルールで歩けばいいですね。自分で決めた方法をやり通すことが大切なのだと思います。

また徒歩進香の中には、神輿や陣頭が途中車でワープするものや、その日の目的地となる廟(駐駕地)に到着後、バスで宿泊先まで移動し、翌朝再びバスで戻ってくるものもあります。

 

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進香の主な目的は、定期的に祖廟(分霊元)に帰ることで、神様としての力を補充することです。また「兵将」の補充をお願いしたり、香火(火のついた香や灰)を香擔に入れて持ち帰ります。

ほかにも祖廟への現状報告や友好廟、信者間の交流といった意味合いもあります。分霊元ではない廟に進香団が向かう場合は、この定期交流が主な目的になるのでしょう。これら目的を明確化するために、進香の代わりに刈香謁祖、會香、參香、巡香といった名称を使用することもあります。

 

進香団と共に進む信者たち(隨香客)は、その信仰心から神様に寄り添い歩き、またそれにより神のご加護を得ることを目的としています。さらに、長丁場の進香全行程を歩き通す信者の方の中には、神様にお願いしたことが実現し、それに対する御礼という意味合いで歩いているケースもあるようです。 

 

まとめると...

簡単にまとめると、遶境・進香とは次のようになります。

◆遶境 : 神様の記念日を祝い、廟のある地域周辺を神輿や陣頭が練り歩く。(信者が多い廟になると、少し離れた地域で行うこともあります)

◆進香 : 神様の里帰りとして、バスや車に乗り、遠く離れた祖廟まで往復する。(目的地の廟が分霊元ではないこともあります)

◆徒歩進香 : 完全徒歩で行われる進香(神輿の担ぎ手や陣頭などは交代で行われます)

◆部分徒歩進香 : 歩きと車を併用した進香(多くのイベントでは、“部分”を明示せず徒歩進香とのみ表示されています)

 

参加する上での注意点

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小・中規模の徒歩進香は、春秋を中心にいろいろな地域で行われています。多くは一般に参加者を募っており、私たち外国人でも参加できます。しかし慣れない段階での小・中規模イベントへの参加は、あまりオススメできません。

言葉の心配がある方、もしくはまだ慣れていないうちは、大甲媽祖や白沙屯媽祖のような大規模進香イベントにしぼって参加された方がいいでしょう。そしてさらにもう一歩深みへズブズブとはまってみたいと思えた時、中規模の進香イベントに参加してみてはいかがでしょうか。その時は台湾人の知り合いの方に連れて行ってもらってもいいかもしれません。

徒歩進香の参加者の多くは、途中「服務車」や「香客車」と呼ばれる車に乗り、みなさん疲れを調整しながら歩き続けます。中には完全徒歩を目指す人もいますが、多くの参加者が車に乗ってしまうケースでは、必然的に隊列より遅れやすくなります。完全徒歩の方の多くは、神様との約束を胸に歩き続けています。そのような敬虔な信者の方を、私は数多く目にしてきました。遅れた場合も決してあきらめず、ただし体調管理と交通事故には十分気を付けて歩き続けてください。

また、マイナスなことはあまり書きたくないのですが、進香や遶境における一部参加者のごみポイ捨てなどのマナーの悪さや騒音、さらには交通渋滞や大気汚染を引き起こす原因ともなることで、こうしたイベントを快く思っていない人たちも一定数いるということを、頭の片隅に置いておいてください。私も急いでいる時に遶境渋滞につかまると、正直イライラすることもあります。みなさんは周辺住民への配慮の気持ちを忘れずに、マナーを守って参加しましょう。

 

最後に

このブログでは、みなさんも気軽に参加できる二大徒歩進香を中心に、その概要を詳しく紹介してまいります。

 

 

 

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徒 歩 進 香[巡 礼]

 

 

徒歩進香の世界へようこそ

 

このページにたどり着かれた方は、おそらく台湾大好き!もしくは道教文化や廟(道教の寺院)に興味があるという奇特な方だと思います。もしかすると、2017年にヒットした台湾のテレビドラマ「通霊少女」やアニメ「封神演義」を観て、廟文化や道教の神様に興味を持たれた方もいるかもしれません。 

 

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実際台湾に何度も行ったことがある人でも、「進香」(巡礼)という宗教イベントは、その存在すら知らない人がほとんどではないでしょうか。

しかし私はこのイベントこそが、台湾文化の醍醐味だと思っています。

言葉がしゃべれない、道教をよく知らない、体力に自信がない......などいろいろな不安があるかもしれません。でもそんなのはたいした問題ではないのです。思い切って飛び込んでみてください。きっと目の前に、新たな世界が開けることでしょう。

 

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ただネットで検索をしても、なかなか日本語では詳しい情報が得られないのも事実です。そこでイッチョ私が紹介させてもらおうではないかと思い立った次第です。 そこでこのブログでは、初めて参加される方に向けての情報を中心に紹介しています。

 

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私は1年の予定で台湾に来ました。しかしこのイベントに出会い、もう一度参加するまでは戻れない!と、ずるずる帰国を引き延ばしています。こんな理由で残れる仕事も仕事なのですが......

 

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「徒歩進香」(徒歩による巡礼)を簡単に説明しますと、神様を神輿に載せ、大勢の信者たちと共に数十から数百km離れたほかの廟まで、歩いて往復するというものです。「歩行禅」という言葉がありますが、それに近いものなのかもしれません。

では徒歩進香の一体なにがここまで、道教の信者でもなく、大して信心深くもない私を惹きつけたのでしょうか。一つの目標に向かって進む一体感、神様と一緒に歩むという神聖感、そしてなにより、歩く私たちを応援してくれる人たちの存在なのです。

 


深夜早朝問わず、多くの人たちが路上に立ち、歩く私たちに食べ物や飲み物、休憩場所などを提供してくれます。特に街中に入ると、しきりに「これを食べて」、「これを持っていって」と声がかかります。

歩きの人たちは荷物が増えるため、そんなには受け取れません。必要最低限だけをいただき、後は丁重にお断りします。しかしその応援の心が力となり、我々は歩き続けます。

大勢の人たちと歩く「遠足」、花火や音楽でにぎやかな「お祭り」、長距離を進む「修行」、神様と共にある「信仰」、地域の人たちとの「ふれあい」。こうした多くの要素が詰まったイベントが徒歩進香になります。

 

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この感覚を味わいたく、また進香の道へと足が向かうのです。

 

 

 

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